山階鳥類学雑誌
Online ISSN : 1882-0999
Print ISSN : 1348-5032
ISSN-L : 1348-5032
37 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • 石塚 徹
    2006 年 37 巻 2 号 p. 113-136
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2008/03/25
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は, これまで科学的に分析されたことのないクロツグミのさえずりについて, その音響学的構造や個体ごとのレパートリーを明らかにすることである。また第二の目的は, さえずりによる個体識別の有効性を検証することである。1994年および1996年の4~8月に石川県金沢市の海岸保安林において, 色足環で個体識別した14個体のクロツグミ雄のさえずりを録音した。フルソングの継続時間は平均2.85±0.38 (SD) 秒であり, 前半のホィッスル部 (1.8~3.4 kHz) と後半のトリル部 (3.4~8.0 kHz) に分けられた。トリル部はしばしば省かれる一方, 他の雄が接近した際にトリルだけで数分間鳴き続けることもあった。独身雄は雌が接近した際にも連続したトリルを発した。1個体が持つ全ホィッスル句は平均20.1±7.0 (SD) 種類であった。そのうち第一節に用いられるホィッスル句は平均11.1±4.9 (SD) 種類であった。トリル句は, サンプルとして300句が集められた7雄の平均で70.3±24.7 (SD) 種類であった。ホィッスル句の共有率は近隣個体間で比較的高く, なわばりの遠い個体間では比較的低かったが, トリル句の共有率と距離との関係は見出せなかった。ソングの第一節に出現するホィッスル句の種類は繁殖期間を通して大きく変化せず, 使用頻度上位の句の組み合わせは個体ごとに固有のものであった。渡来当初のホィッスルレパートリーが他個体とまったく異なった1個体のみ, そのレパートリーを4ヵ月で大きく変化させ, 最終的に当地に共通した句のみを使用するようになった。ソングの第一節に用いられるホィッスル句は, 個体ごとのレパートリーサイズが適度に大きく, 個体間でレパートリーが一致しないこと, 短時間で全レパートリーが確認できること, 周波数変化にさまざまなパターンがあり, 人の耳で聞き分けやすいこと, 複数名による野外調査で聞き分けによる誤認が一度もなかったことなどから, この部分を聞き分けてそのレパートリーから個体識別する方法は一定の有効性を持つといえる。
報告
  • 山本 義弘, 柿澤 亮三, 山岸 哲
    2006 年 37 巻 2 号 p. 137-146
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2008/03/25
    ジャーナル フリー
    山階鳥類研究所が推進してきたミトコンドリア・ゲノム・プロジェクトの目的は, 日本に生息する絶滅危惧種鳥類のミトコンドリアゲノム全塩基配列を決定し, 将来必要となった時, その配列を用いて集団内での遺伝的多様性を解析できるようにすることである。その時点で明らかにされる遺伝的多様性のデータは絶滅危惧種鳥類の保護や保全に役立つことが期待される。その第2段として, アカオネッタイチョウRed-tailed Tropicbird (Phaethon rubricauda) のミトコンドリア全塩基配列17,777bpの決定について報告する。アカオネッタイチョウは, ペリカン目ネッタイチョウ科に属する中型の海鳥であり, 全体の羽根は白色であるが, 吹き流しのような30cm以上の赤色の2枚の尾羽が特徴的である。南鳥島, 火山列島, 小笠原諸島西ノ島などで繁殖記録がある。2002年に発表された環境省日本版レッドデータブックによれば絶滅危惧IB類“EN (Endangered)” に分類されている。アカオネッタイチョウのミトコンドリアゲノムは猛禽類を除く鳥類に一般的な構造であり, 2個のrRNA遺伝子と13個のタンパク質遺伝子と22個のtRNA遺伝子が同定された。特徴的なのはコントロール領域の長さである。3つのドメインで構成され, その中に鳥類共通のコンセンサス配列が存在する点は他の鳥類のものと同様であるが, ドメインIIIの後半に長い繰り返し配列が存在する。この1,218bpに及ぶ繰返し配列は, 61bpの3回繰返しと, 78bpの11.8回繰返しからなっており, コントロール領域の約半分を占めている。チトクロームb 遺伝子の塩基配列を用いて他の12種の近縁種との系統解析を行った。ML法による解析結果は, ネッタイチョウとグンカンドリが他のペリカン目鳥類と異なるグループを形成することを示唆した。したがって, この両科がペリカン目には属さないのではないかというKennedy & Spencer (2004) の推論を支持する結果が得られた。
  • 箕作 幸治, 高橋 正夫, 長嶺 鎌弘, 上田 貴夫
    2006 年 37 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2008/03/25
    ジャーナル フリー
  • 竹内 健悟, 吉田 裕一
    2006 年 37 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 2006/03/20
    公開日: 2008/03/25
    ジャーナル フリー
    Some water birds inhabit reservoirs, in which the water level fluctuates substantially throughout the year owing to agricultural demands. Such fluctuations of water level are expected to affect the colonisation of the reservoir habitat by birds. We monitored the numbers of grebes and other water birds at three reservoirs in Morita Village (present name: Tsugaru city), Aomori Prefecture, and here, report on the numbers of grebes in relation to varying reservoir water levels during the breeding seasons of 2002 and 2003.
feedback
Top