山階鳥類学雑誌
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原著論文
  • 奥田 幸江, 奥田 幸男
    2026 年58 巻1 号 p. 1-24
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル 認証あり

    コムクドリの風切羽と尾羽の換羽を調べるために,2011年と2013年に大阪府門真市で,2015年に兵庫県川西市のムクドリの集団塒で,合計2,056枚のコムクドリの羽毛を採集した。採集した羽毛は初列風切(P1からP9),次列風切(S1-2,S3-4,S5-6),三列風切(Te1からTe3),尾羽(R1,R2-4,R5,R6)に分別し,成羽雄,成羽雌,幼羽に判別した。羽毛は7月上旬から10月上旬に採集できた。本調査地周辺ではコムクドリは繁殖も,越冬も記録されておらず,渡りの中継地における換羽であると確認できた。羽毛のほぼ全ての部位が採集できたが,採集枚数は均等ではなかった。換羽の順序から,換羽の最初の部分の初列風切の内側とR1,最後の部分のP9と次列風切の内側の採集枚数が少なかった。これらの部位を別の場所,別の時期に分割換羽していると推定された。コムクドリにおいての3つの渡りのパターンとそれに対応する換羽の分割の可能性が示唆された。採集できた羽毛は全ての部位で,成羽雄に比べて,成羽雌,幼羽の割合が明らかに少なかった。このことから,成鳥雌と幼鳥は繁殖地により多く留まり,その結果本調査地では成羽雄の割合が多くなったと考えられる。コムクドリの保護にとって渡りの中継地の集団塒の保護の重要性について論じた。

  • 今野 怜, 今野 美和, 富田 直樹, 佐藤 文男
    2026 年58 巻1 号 p. 25-46
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/30
    ジャーナル 認証あり

    2011年から2022年に伊豆鳥島で20組の繁殖つがいから得られた動画からアホウドリの求愛ダンスを記載した。加えて初寝崎営巣地での2009/2010年から2016/2017年までの個体識別した定点観察結果から求愛ダンスと繁殖ステータスの関係を明らかにした。求愛ダンスでは対をなすいくつかの動作が定まった順序で行われていた。主要な動作10種類のうち4種の記録数には雌雄差があった。Phoebastria属4種の求愛ダンスを比較すると,アホウドリの求愛ダンスは動きが比較的ゆっくりで,かつ翼を半開きにしたままの時間が長く,低いタイプの声のみを発する点で特徴的であった。求愛ダンスを行っていた個体の76%は未繁殖個体で,残りの16%が繁殖失敗つがい,8%が繁殖成功つがいであった。15つがいの連続する8年の追跡から求愛ダンスの回数は繁殖失敗年に多いことが示された。

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