山階鳥類研究所研究報告
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13 巻 , 2 号
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  • 中村 登流
    1981 年 13 巻 2 号 p. 79-119
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.本州中部の霧ヶ峯草原で,コジュリンEmberiza yessoensisの繁殖諸行動とテリトリアリズムについて調査した。
    2.コジュリンは5~9月に見られた。はじめ雄のみの小群で現われ,少し遅れて雌が現われる。番いの連れ立ち行動のあと第1繁殖にかかり,ヒナが巣立つと一方でヒナに給餌しつつ他方で第2繁殖の巣造りにかかる。
    3.産卵数は第1繁殖で4.5±0.72,第2繁殖で3.6±0.53。日中の抱卵は主として雌が行なう(59.8%)が雄も行なう。抱卵日数は約13日。ヒナへの給餌は両性ともほぼ同じように行ない,ヒナは11~12日で巣立つ。第2回繁殖例は42.9%。繁殖成功は56.5%。第1回繁殖では78.6%,第2回繁殖では14.3%。
    4.雄と雌の諸行動,特に求愛やテリトリー行動について述べた。
    5.雄のテリトリアル戦い行動の頻度の季節変化は二峯性を示す。一つは繁殖地への到来から第1繁殖の巣造り期にかけてであり,もう一つは第1繁殖の巣立ちと第2繁殖のはじめの頃である。
    6.雄のソング活動の季節変化は番い雄と独身雄で異る。番い雄は二峯性を示し,一つは第1繁殖の巣造り期に,もう一つは第2繁殖のはじめの頃にあり,後者のピーク方のが高い。巣内ヒナの育雛期に著しく低下する。独身雄は番い雄の第1峯とほぼ同時に同レベルに達し,以後低下しないで,番い雄の第2峯にいたり,番い雄より一層高いピークを示す。
    7.コジュリンの巣は地上又はその近くにつくられ,ススキの株の上にのせるものがもっとも多い(74.2%)。
    8.カラーマーキングはヒナ55羽,成鳥8羽にとりつけた。翌年の再発見率はヒナで7.9%,成鳥雄で40%,雌で25%。ヒナは出生地の近辺へもどっており,成鳥は前年のテリトリーの位置へもどっている。
    9.行動圏の大きさと内容は番い雄と独身雄で異っている。大きさは前者で平均5ha,後者で平均7ha。
    10.ソングエリアとテリトリーとはほぼ一致している。大きさは番い雄でも独身雄でもほぼ同じで2ha位である。ソングエリア内のソング活動の集中状態は番い雄と独身雄で異り,前者で集中部があるが,後者にははっきりしない。巣はソングエリアの中かへりにあることが多い(68.2%)。
    11.テリトリー分散状態の季節変化は,番いは固定的であるのに対し,独身雄は流動的である。独身雄は番いの第1繁殖のおわりから第2繁殖のはじめにかけて著しく活発な活動を行なう。雌と置換するチャンスは約20%である。
    12.テリトリーの位置は年々一定する傾向がある。よく使用される位置があって,そういう不均一さが認められる。よく使われる位置は,特に繁殖成功率がよいわけではないが使用率が高いが故に他より多数のヒナを生産する。
    13.独身雄の多い年があり,そういう年には独身雄のたくさんいる集中部が認められる。そこから独身雄は番いのへりへくりかえし出張する。
    14.霧ヶ峯コジュリン個体群は消滅したが,繁殖習性の中に,特に目立った不備は見あたらなかった。かえって来るヒナの数が著しく少ない所に主要な原因があると考えられた。
    15.低密度個体群では固定的なテリトリーの間にすき間があって,そこに独身雄が位置をとり,番いの動きに応じて流動する。これはコジュリンの個体群の特徴であり,コジュリンのテリトリアリズムのルーズさを現わしている。
  • 井上 良和
    1981 年 13 巻 2 号 p. 120-135
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.非同時孵化をするコサギの同腹ヒナ間の生長•生残の違いを,1976年に奈良県で,1977年に三重県で調査した。それらの違いが生じる原因を親の給餌行動とヒナの摂食行動から分析した。
    2.1976年には1巣について2日間,1977年には12巣について48日間,巣を中心とした終日の親とヒナの行動観察を行った。
    3.ヒナの生長速度は,第1~3子ではほぼ同じであったが,第4子ではやや低く,第5子ではさらに低かった。
    4.生残率は,第1子が最も高く,孵化順が遅くなるにつれて低くなった。
    5.給餌は雌雄とも行い,1回の巣内滞在中(平均175.4分,64~334分;第1子の日齢が10日まで)に平均7.3回(2~16回)に分けて行った。
    6.ヒナの摂食行動は,巣の上に吐き出された食物をつついて摂食する方法から,わずか1,2日間に,親の嘴から直接食物を受けとる方法へ移行する。したがって,早く孵化したヒナが最も早く口移しによる摂食法を行うようになる。
    7.2羽のヒナが同時に餌乞い行動をした場合,早く孵化したヒナの方が先に餌を取る傾向が見られた。親の食物供給に余裕のある場合のみに,孵化順の早いヒナの食欲が満たされた後に,孵化順の遅いヒナも無競争で餌を得た。
    8.これらの行動観察の結果は,「鳥類の非同時孵化は親の食物供給量に見合ったヒナ数にする適応である」というLackの提唱(1947,1954)を支持する。
  • 風間 辰夫
    1981 年 13 巻 2 号 p. 136-141
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    During bird-banding operation of 1-5, May 1981, on Awashima, 63km north of Niigata City, the following rare species and subspecies were obtained.
    1. Dupetor flavicollis Band No. 090-89101, May 4. First record for Japan.
    2. Emberiza chrysophrys Three examples: Band Nos. 022-75873, 022-75874 (May 3), 030-60576 (May 4). So far considered as straggler, but may be a winter migrant in small numbers.
    3. Emberiza tristrami Three examples: Band Nos. 022-75964 (May 4), 022-75994, 030-60579 (May 5). Also to be classed as rare winter visitor.
    4. Emberiza spodocephala spodocephala Continental race spodocephala. Three examples: Band Nos. 022-75911, 022-75978 (May 4), 010-21429 (May 5). This race has been known by very few specimens from Japan proper.
    5. Emberiza pusilla Two examples: Band Nos. 010-21419 (May 4), 010-21427 (May 5). This species may also to be called an uncommon winter visitor.
    6. Emberiza aureola Band No. 022-75921 (May 4). A common summer breeder in Hokkaido, but very rarely occurs in Honshu, a new record for Niigata. A female was also observed.
    7. Emberiza rutila Not banded, but observed and photographed (May 4), as new record for Niigata.
    Additional notes: A Locustella fasciolata when banded and being photographed, began to sing in the hand (Though it was quite different from its tipical song), Breeding of Falco peregrinus on Awashima was suggestive from its circling alarm flight (Formerly had been breeding until 1964).
  • 風間 辰夫
    1981 年 13 巻 2 号 p. 142
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
  • 風間 辰夫
    1981 年 13 巻 2 号 p. 143-144
    発行日: 1981/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    A weakened Antient Auk Synthliboramphus antiquus in juvenile plumage was washed up on the beach of Niigata city, 26 July, 1980.
    Judging from sea currents, its breeding place on Awashima I. is suggested, though not known so far in this sea area of Japan Sea.
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