山階鳥類研究所研究報告
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19 巻 , 2 号
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  • 和多田 正義, 柿沢 亮三, 黒田 長久, 内田 清一郎
    1987 年 19 巻 2 号 p. 79-88
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    ウミスズメ科10属12種のアイソザイム遺伝子座について電気泳動による分析を行ない,遺伝的変異や遺伝的分化の程度を調査し,さらに遺伝的距離に基づく系統樹を作成した。ウミスズメ科の遺伝的変異は鳥類の平均と比較するとやや小さく,逆に遺伝的分化の程度はやや高かった。今回調査したウミスズメ科の類縁関係は一般的には従来の分類と一致しており,ウミガラス属,ケイマフリ属,ウミスズメ属とコウミスズメ属,ウトウ属,エトピリカ属の2つの大きなグループに分割された。しかしながらケイマフリがハシブトウミガラスと近縁になり,ウミオウムはコウミスズメ属に合一することなどが問題点として残り,これらについてはその原因について論議した。
  • 糟谷 洋子, 唐木田 丈夫, 大河原 雄児, 小林 英司
    1987 年 19 巻 2 号 p. 89-102
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)とウズラ(Coturnix coturnix japonica)を用い,10-11日間水を与えなかった場合(脱水)の体重,摂食量,体内の水分バランスの変化について比較検討した.
    1) 体重の平均値,及び毎日の体重と実験開始時の体重との割合の平均値は,脱水期間中どちらの種でも対照群より実験群の方が小さかった。体重の減少率は脱水期間を通してセキセイインコの方がウズラより小さかった。
    2) セキセイインコでは,平均摂食量及び体重あたりの平均摂食量は,実験群が対照群に比較して常に多かった。ウズラでは,これらの値は実験群の方が対照群より少なかった。体重あたりの摂食量は,ウズラよりセキセイインコの方が有意に多かった。
    3) セキセイインコでは11日間の脱水により血漿浸透圧に何ら差はなかったが,ウズラでは実験群の血漿浸透圧が顕著に有意な増加を示した。
    4) 血漿量の平均値は,10日間の脱水によりセキセイインコでは減少したが,ウズラでは変化しなかった。しかし,体重あたりの平均血漿量は,セキセイインコでは有意に減少したが,ウズラでは体重の減少が大きかったため,血漿量は逆に増加した。
    5) 脱水10日後の血液量は,両種とも有意に減少した。体重あたりの平均血液量は,セキセイインコでは減少したが,ウズラでは体重の減少が大きかったため,かえってその値は増加した。
    6) 以上の結果より,セキセイインコでは脱水時における飲水は主として容量受容体を介して誘起され,ウズラでは,主として浸透圧受容体また一部容量受容体を介して誘起されると考えられる。
  • 李 斗杓, 本田 克久, 立川 涼
    1987 年 19 巻 2 号 p. 103-116
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    食性,生息域の異なる鳥類20種を用いて,重金属の組織器官分布とその種間差について検討した。重金属は一般に,肝臓と羽に高く,筋肉に低かった。また,Mn,Zn,Pbは骨に,Cdは腎臓にも高い蓄積を示した。金属の組織分布は,基本的には種や食性,生息域に関係なく,類似したパターンを示した。しかしながら,いくつかの鳥種には例外的あるいは特異的分布が認められた。海鳥であるウミネコ,エトピリカ,ハイイロミズナギドリの羽中Fe,Mn濃度は,組織中で最も低かった。マガモ,コガモの肝臓中Fe,Cu濃度は極めて高く,また,マガモ,コガモの骨中Mnと,猛禽類であるトビ,ノスリ,チョウゲンボウの骨中Znは,他の鳥に比べて高く,これらの種の特異的蓄積であることが推定された。トビ,ウミネコのHgの体内分布は,肝臓よりも腎臓に高く,他の鳥種とは異なっていた。これは,トビとウミネコにおけるHgの取込み時の形態,あるいは肝臓でのHgの脱メチル化機能が他の種とは異なることによるものと思われる。さらに以上の結果を基に,鳥種間の重金属蓄積の比較や蓄積レベルを,生態学的,毒性学的視点から判断する上での留意点についても考察した。
  • 渡部 良樹, 岡 奈理子, 丸山 直樹
    1987 年 19 巻 2 号 p. 117-124
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1982年12月から1984年3月にかけて東京-釧路間フェリー航路を,計11回往復し,ハシボソミズナギドリとハイイロミズナギドリの出現状況を調査した。両種とも全観察数の90%以上が4月から6月の春期航海に集中したものの,出現ピークは,ハイイロでは5月初旬,ハシボソでは6月中旬の調査時に認められた。この結果から,ハイイロでは少なからぬ成鳥群が,日本沿海部を通過することが示唆された。一方,盛夏,冬期間では,両種とも極めてわずかが観察されたにすぎなかった。6月中旬の調査時にハシボソでは出現鳥の50%を越える計1,468羽と,若干のハイイロに衰弱鳥がみられ,さらに,秋の渡り時の9月下旬から10月初旬の調査時にも出現鳥の10%近く(9羽)のハシボソに衰弱鳥がみられた。
  • 小笠原 〓
    1987 年 19 巻 2 号 p. 125-138
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1985年5月10から7月下旬の約3ヶ月間,中央ヨーロッパ(西ドイツのグラーデンバッハ,ガマテインゲン及びオズナーブルック)にて,クマゲラの繁殖習性を観察し,さらに鳴き声を録音し,それらの声絞分析に関する研究を行った。
    調査地域のクマゲラの生息環境を記し,キャー(Kjäh),コロコロ(Kürr Kürr),クイッ(Kwih)やクックレア(Kijak)音などクマゲラの持つ全音声のソナグラムを示し,それらの生態学的意義について考察した。
    さらに,オズナーブルック市郊外で観察した巣立ち雛と雄親の交信を記載し,Kijak音とKwih音のソナグラムを巣立ち雛と雄親の間で比較検討した。
  • 対馬 良一
    1987 年 19 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    関東平野の西部に位置する埼玉県所沢市の米軍通信基地内において,少なくとも3羽のオオジシギが,1984年から3年間,繁殖期(4~7月)に継続して観察され,さらに1984年7月12日には4羽の幼鳥が観察された。従って,この低地二次草原での本種の繁殖は大いに期待できる。
  • 川路 則友
    1987 年 19 巻 2 号 p. 145-146
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    An one year old female gray-backed thrush (Turdus hortulorum) was ringed at Taira-jima island, Tokara Islands, far southwest of S. Kyushu by the author. Though the ringings of the species were so far recorded 9 times at various areas of Japan, this is the first one in Kyushu southward.
  • 黒田 長久
    1987 年 19 巻 2 号 p. 147-160
    発行日: 1987/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
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