山階鳥類研究所研究報告
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20 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 綿貫 豊
    1988 年 20 巻 2 号 p. 71-81
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    オオセグロカモメLarus schistisagusの食性を北海道のいくつかの繁殖地で調査した。天売島ではマイワシSardinops melanosticta,メバルSebastes spp.,および海鳥の雛,大黒島ではマイワシ,ユルリ島ではマイワシとイカナゴ,Ammodytes sp.が雛に与える主要な餌であった。天売島ではウミネコL.crassirostrisの雛,ウトウCerorhinca monocerataの雛およびオオセグロカモメの雛が主要な獲物であったのに,大黒島,ユルリ島及びモユルリ島ではコシジロウミツバメOceanodroma leucorhoaの成鳥を捕食していた。同種の雛の現存量は大黒島,ユルリ及びモユルリ島のほうが天売島よりも大きかったが,オオセグロカモメは天売島で,より頻繁に同種の雛を捕食していた。よって,同種の雛の捕食頻度の地域差は,獲物の現存量の地域差からは説明できなかった。
  • 田岡 三希, 佐藤 哲, 鎌田 勉, 奥村 浩
    1988 年 20 巻 2 号 p. 82-90
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1 北海道の大黒島でコシジロウミツバメOceanodroma leucorhoaの鳴声がどのような状況で発せられるかを調べた。
    2 鳴声のレパートリーは主にChatter-call,Purr-call,Screech-callの三種で各々雌雄共に鳴く。このうちPurr-callとScrreech-callは特定の状況下でのみ鳴かれ,状況特異性が見られた。
    3 Purr-callが鳴かれる巣穴には必ず雄,雌の二羽がおり,また卵や雛はいない。従って,この鳴声は求愛行動や番形成に関係していると思われる。
    4 Screech-callは同性の二羽の間で鳴かれ,おそらく闘争に伴って鳴かれる鳴声と思われる。
    5 Chatter-callは様々な状況下でまた他の鳴声と共に鳴かれるが,飛翔個体はほとんどこの鳴声しか鳴かない。しかしながら,Chatter-callの鳴かれる状況をそれに伴って鳴かれる鳴声に従って分類すると状況特異性が見られた。このことはこの鳴声が状況の違いにより複数の機能を持ちうることを示唆する。事実,この鳴声の再生実験を巣穴中の個体に対して行ったところ,様々な反応を誘起した。
  • M. M. Patel, A. V. Ramachandran
    1988 年 20 巻 2 号 p. 91-100
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    この研究はドバト(Columba livia)の生殖活動に松果腺がどうかかわっているのかを理解するためのものである。17β,3β,3αヒドロキシステロイド脱水素酵素の活動について繁殖期(3月~5月)と非繁殖期(6月~8月)において正常なハトと松果腺除去のハトの精巣と卵巣について組織化学的研究を行った。非実験の正常なハトでは精巣と卵巣における酵素の活動は非繁殖期よりも繁殖期の方が高かった。松果腺除去によって繁殖期における生殖腺は委縮し,非繁殖期には肥大した。松果腺を除去したハトでは繁殖期にはすべての酵素は生殖腺の不活発な委縮状態にみられるように,すべて不活発であった。松果腺除去のハトにおける非繁殖期のステロイド脱水素酵素の活動増加は生殖腺の肥大にみられるように生殖腺は活発な活動を示した。
    したがって今回の実験結果から松果腺は非繁殖期には生殖活動に対し抑制的に働らくのに対し,繁殖期には促進的な役割りを果たすものと推測される。
  • 村田 浩一, 鈴木 忠, 安福 守, 吉竹 渡
    1988 年 20 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    タンチョウの成鳥22個体(雄8,雌14)の計測値を用いて判別分析による性別判定を試みた。説明変量として用いた計測部位は翼長(WL),尾長(TL),〓蹠長(LL),嘴峰長(BL)の4ヵ所で,分析により次の判別式が求められ,
    Z=0.16887TL+0.01329WL-0.21827LL+1.06610BL-15.35077
    Zの値の正負によって雌雄が判定された(Z>0:雄,Z<0:雌)。この式による的中率は85.7%を示し,雌雄の判別値における平均値の差は統計的に有意であった(df=20,t=9.144,p<0.001)。測定値から総合的に且つ多面的に性別を判定する当方法は,容易で即時性があり動物園や野外での性別判定法として有効であると考えられたが,今後更に多くの計測資料を収集し計測部位にも検討を加えることで,判別式をより正確なものにする必要性も示唆された。
  • 川路 則友, 安部 淳一
    1988 年 20 巻 2 号 p. 107-110_1
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    シベリアセンニュウは,これまで日本での正式な確認記録がなかったが(日本鳥学会1974),最近になって標識調査により下記の2個体が捕獲され,日本にも稀ながら渡来していることが明らかになった。
    最初の個体は,北海道枝幸郡浜頓別町にある環境庁浜頓別1級ステーションにおいて協力調査員山内昇氏により1985年9月29日に捕獲されたものである。成鳥で,性別は不明であった。次の個体は,鹿児島県国分市にある国分干拓で1987年11月15日に筆者らにより捕獲されたものである。この個体も成鳥で性別は不明であった。
    シベリアセンニュウには4亜種が知られているが(Dement'ev et al. 1968など),筆者らの捕獲したものは,羽毛の特徴,分布などからrubescensに属すると思われた。本種は,渡り途上ではアシ原等の環境でほとんど目立たない行動を示していると思われ,これから標識調査などにより記録が増大することが充分考えられる。
  • 石田 健
    1988 年 20 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    飼育しているアカゲラ雄の上嘴が,脱落し,再成長する過程と,コゲラの雌若鳥の上嘴が異常に伸びた後で元に戻った過程について,写真(図1~6)を使って報告した。これらの観察例は,キツツキ類の上嘴が急速に成長することと,くちばしの利用の仕方によって個体や個体群内でも嘴の長さが変化することを示唆している。
  • 風間 辰夫
    1988 年 20 巻 2 号 p. 116-118
    発行日: 1988/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    A dead adult male Chinese Merganser Mergus squamatus was collected at the Agano River, Niigata Pref., 10 February 1987. This is the second record of this species in Japan, and the first specimen collected from Japan (The first photo record of a pair was from Kiso River, February, 1986).
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