山階鳥類研究所研究報告
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21 巻, 2 号
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  • Ernst Mayr
    1989 年 21 巻 2 号 p. 154-164
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    鳥類系統分類学の未来像は多くの分野に存在する。多型種polytypic speciesの個体群構造に関するより正確な情報が必要である。それは,どの亜種と亜種が傾斜的clinallyに互に移行し,またどの亜種が狭い交雑地帯で合しているか,そしてどれが十分隔離されているかなどである。種のうちどの位の割合が単型種monotypicであるか。これらの違いがそれらの種の生態で説明されるだろうか。それに答えるものとして,いまのところ分子形質(核DNA,ミトコンドリアDNA,酵素遺伝子など)の膨大な情報量の利用が始まったばかりである。これらの形質は,現在認められているよりも遙かに良い鳥類の分類を構成するために必要な情報を提供してくれるだろう。これにより新しい型の形態的研究が可能になる。それは,種が類似性を得た過程や原始構造とどのように補償が成立ったかを,見いだすという生態学的相似性"ecological analogues"の比較である。何故にある鳥類の科や目は種が多く,その他では少ないかを結論づけるには,このように生態学的分析が必要なのである。また,化石学はとかく等閑視される分野であり,鳥類の化石を発見するには新しい方法が必要であろう。化石は鳥類の類縁系統や昔の分布に関する疑問に答えるため緊急に必要だからである。博物館での研究も,将来,種ごとの個体群の長期研究によって補足せねばならない。
  • S. Dillon Ripley, Bruce M. Beehler
    1989 年 21 巻 2 号 p. 165-174
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    インド産のクビワスナバシリ Jerdon's Courser Rhinoptilus bitorquatus は一時絶滅と考えられていたが(1952~1982),Bhushan(1986)によって再発見された。本種に近縁のアフリカとインドの8種を19の形質(形態特徴と昼夜行性)についてPAUP分岐分析法(相対形質を0と1または2,3と置く)で比較したところ,アフリカ産のウロコクビワスナバシリR.cinctusと近い姉妹種であることが証明された。これは生物地理学的に東アフリカからアラビアを介してインドに連なる乾燥帯があったことを示唆し,このアフリカーインド動物相(Afro-Indian fauna)は他の鳥類約40種や獣類でも立証される(一般にはアジアーインド系の湿性林が重視されるが)。この希種の保護には姉妹種 R.cinctus を人工繁殖させ本種 R.bitorquatus の卵を孵化させる方法をとれば,生息地保護や教育に加えて効果があると思う。
  • その過去,現在,未来
    Charles G. Sibley
    1989 年 21 巻 2 号 p. 175-177
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    山階芳麿博士は,近代遺伝学が転期を迎え,生物の類縁検定に染色体や蛋白質が用いられ始めた1900年初頭に生れ,染色体を分類に適用した主要な学者の一人となった。そして血清学,核型,電気泳動法,比色計が鳥類分類学に採用され,改良され,今や酵素が個体群,種,属の比較に広く用いられている。
    1953年にはDNAの構造が,1962年にはDNA-DNA hybridization法が開発され,Sibley他(1982,1983,1988)が鳥類の系統分類の再検討に用い,技術的に改善されつつある。一方DNAの核酸配列の決定手法が1970年代に開発され,進化的変化のより速いミトコンドリアDNA(mtDNA)の酵素分析法によって近縁種や種内個体群間の比較が可能となった。また,"polymerase chain reaction法"(PCR)によりDNAの一部を増幅したり,"DNA fingerprinting"法でDNAの高変化部分を用いたりすることにより,鳥類個体群中の個体間の遺伝関係も分析できるようになった(Burke他1989)。鳥学ではDNA配列の研究はまだ少なく,短い配列では決定的結果は期待できないが,5~10万規模の配列なら多くの問題が解決されよう。そして,人を含めて,さらに大規模な研究の技術改善により,将来,分子進化と系統の研究の発展に貢献できるだろう。
  • H. Elliott McClure
    1989 年 21 巻 2 号 p. 178-192
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    都市鳥が都市環境でうまく生活できるように適応してきた生態の比較レビューである。マレーシア,タイ,日本,アメリカの延べ30ヵ所で,1941-1988年の間に記録した848種100万羽の環境選択を比較した。種ごとの記録個体数の3分の1以上が都市周辺であったものを都市鳥と定義すると,70種がその範ちゅうに入った。鳥の生態に関する113要素について比較分析したところ,都市鳥はそれを維持発展させることが都市鳥としての適応を強めるような特性を共通に持つことが明らかになった。
  • 岡 奈理子
    1989 年 21 巻 2 号 p. 193-207
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.1988年1月中旬から4月末日までオーストラリア•タスマニア州南東部南緯43度のClifton Bluffコロニーでハシボソミズナギドリ雛の外部成長を孵化から巣立ちまで調査した。巣立ち成功率は全体で35%となり,雛の死亡の73%が密猟と野猫の捕食によるものであり,この捕食は育雛中期から後期にかけて集中した。
    2.雛の孵化は1月10-25日にみられ,特に16-21日に集中した。巣立ちに先立ち雛は4月半ばから,平均9日間夜間巣穴の出入りを繰り返した。巣立ちは4月15日,91日齢に始まり4月23-29日に集中し,平均巣立ち日齢は97日であった。
    3.孵化時の平均体重,ふ蹠骨長,嘴峰長はそれぞれ親鳥の10%,40%,50%であった。ふ蹠骨長の成長率は孵化直後に,また嘴峰長の成長率は1週間齢でそれぞれ最大値を示し,育雛中期には親鳥サイズとなった。平均体重は育雛中期に親鳥の平均体重に達し,70日齢から80日齢に顕著な増減を示した。60日齢から83日齢までの体重ピーク時には親鳥のほぼ15%増を示した。その後体重は減少を続け,ピーク時の25%減,親鳥比13%減で巣立った。一方,風切羽,尾羽はそれぞれ34,45日齢で伸長を始め,骨部位とは対照的にその成長は育雛後半期に集中し,成長率は翼長,尾長ともに60日齢で最大値を示した。しかし,翼長,尾羽は巣立ち時には親鳥サイズには到達せず,巣立ち後も伸長することが示唆された。
    4.巣立ちに平均97日を要する亜遅成性本種雛の成長様式の適応性を,体部位の成長期のずれに焦点をあてて論議し,あわせて体重成長の年次変化からその後の生残の可能性について論議した。
  • IX.プロットセンサス法との比較
    由井 正敏, 鈴木 祥悟, 青山 一郎
    1989 年 21 巻 2 号 p. 208-223
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.ラインセンサス法の欠点を補う手法として,プロットセンサス法について特にラインセンサス法の結果と比較しながら調査分析し,有効な適用手法を検討した。
    2.1区画1haのプロットセンサスの全種合計の記録個体数の日周変化は,どの調査分数でも日の出から10時頃までは各々一定のレベルを保ち,以降減少した。このパターンは多くの鳥種でもほぼ同様であった。
    3.1区画1haの全種合計の記録個体数は,調査分数の延長に伴い,一定の増加パターンを示した。しかし分数の増加の割には記録数は多くならない。このパターンは多くの鳥種で類似していた。
    4.センサス調査に馴れ視聴力が平均レベル以上の観察者の場合,プロットセンサスによる全種合計記録個体数に有意差はなかった。また鳥種別記録個体数も大きな差はなかった。
    5.プロットセンサスの全種合計記録個体数Pは,ラインセンサス1時間15ha当たり記録数nと良い相関があった。この関係は鳥種別にも当てはまる可能性が示された。
    6.半径50mの円形区画の全種合計記録個体数Pmは,どの調査分数でも1haの正方形区画のものより,15%低い値を示した。
    7.ラインセンサス記録数nと15ha当たり全種合計生息個体数Dの間には相関があるので,プロットセンサス記録数PmからDが推定できることになる。例えば10分間プロットセンサスの全種合計記録個体数をP10とすると,D=17.89P10+4.29となる。
    8.鳥種iの15ha当たり生息密度Diは,ラインセンサス記録率Ei(なわばり当たり記録効率)と,鳥種iの半径50m円形プロットセンサス記録数Pmiを用いて推定できる可能性を示した。例えば10分間プロットセンサスでは,Di=(7.31P10i+6.29)•200/Eiとなる。
    9.プロットセンサスは良い天候の日の日の出から10時頃の間に,半径50mの円形区画で2~5分間実施するのが適当と思われた。必要プロット数は20~30haの林地の鳥類群集全体を対象とした場合,10~15個で良いと考えられた。
    10.プロットセンサスは,鳥種別の密度推定に用いるのはまだ問題が残るが,マクロな鳥類群集の密度,優占種構成を把むのには適していると考えられた。
  • 川路 則友, 樋口 広芳
    1989 年 21 巻 2 号 p. 224-233
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1) トカラ列島中之島および平島の現地調査,ならびに文献,確実な情報収集などによって,アカヒゲの現在および過去における正確な分布を調べた。
    2) これまで知られていた,北は男女群島から南は与那国島までの島々での生息記録に,新たに朝鮮江原道(山階鳥類研究所所蔵),鹿児島県霧島(九州大学農学部所蔵の標本)の2採集例と,台湾和平島での越冬観察例が加えられた。
    3) トカラ列島では繁殖期に多数個体が見られるものの,冬期にはほとんど見られなくなる。また,琉球列島南部の八重山諸島では秋期および早春期の記録があるものの,夏期にはほとんど観察されていない。このことから,より北方のアカヒゲ個体群は,越冬期により南部へ移動することが予想された。
    4) ウスアカヒゲ E.k.subrufus の模式標本を亜種アカヒゲ E.k.komadori の標本と比較したところ,Kuroda(1923)により記載されている前者の標徴形質は後者の範疇に含まれ,ウスアカヒゲは亜種アカヒゲのsynonymと考えられた。
    5) アカヒゲは以前にかなり広い地域に生息していたものが,現在は南西諸島を中心に遺存固有の分布を示すようになったと考えられた。
  • 杉森 文夫, 松原 健司, 岩渕 聖
    1989 年 21 巻 2 号 p. 234-244
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.水質汚濁が進み過栄養段階に達した現在の手賀沼において,カモ類の沼の利用状況と水質汚濁との関係を検討するために,沼全域を対象として,1986年12月17•18日,1987年1月9日•10日の計4回,各カモ類のいた区画•種類•個体数•生息環境•行動などを調査した。
    2.4日間の調査で確認したカモ類は13種で,総個体数の平均は,1,988±378(SD)羽となった。各種類が占める割合は,カルガモが32.3%と最も優占しており,以下順にオナガガモ(17.6%),マガモ(16.2%),コガモ(16.0%),ハシビロガモ(10.8%),オカヨシガモ(3.9%),ミコアイサ(2.5%)となった。この他,キンクロハジロ,ホシハジロ,ヒドリガモ,オシドリ,トモエガモ,ヨシガモなどが記録された。
    3.このうち,ハジロ類•ヨシガモ•ヒドリガモなど,沼内に生息していた大型の水生生物を採餌していたと考えられる種類は,沼の干拓事業と水質汚濁に伴う餌生物の激減によって現在ほとんど飛来しなくなったと考えられた。
    4.現在優占していたカルガモ•マガモ•オナガガモ•コガモの4種は,開放水面や漁網などでの休息の割合が高かったが,分布が種ごとにやや異なっていた。この4種の飛来数が過去に比べて激減した原因を,水質汚濁との関連で検討する場合,夜間も含めて生息環境と行動の調査を行い,さらに沼および沼周辺の採餌環境としての質の変化なども再検討しなければならないことを指摘した。
    5.採餌割合が高かった3種のうち,ハシビロガモは,下沼北部の沿岸帯を中心に分布し,漁網周辺に集中して水質汚濁にともない増加してきた動物プランクトンを効率よく採餌していると考えられた。採餌個体が漁網周辺に集中した理由を明らかにするためには,今後個体レベルでの採餌行動の解析を行うと共に,各環境ごとの動物プランクトン現存量の測定法を再検討する必要を指摘した。
    6.ミコアイサは,開放水面を中心として,現在もある程度沼に生息するモツゴ•テナガエビなどを採餌し,手賀沼を餌場として有効に利用していると考えられた。
    7.オカヨシガモは生活雑排水が流入する大津川河口部に集中して採餌しており,水質汚濁との結び付きが予想されたが,餌を特定することが困難であり,今後さらに食性調査を行う必要があると考えられた。
  • 安部 淳一
    1989 年 21 巻 2 号 p. 245-246
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    A male Blue Rock Thrush Monticola solitarius was caught and banded on Nakanoshima Island, Tokara Islans, Kagoshima Prefecture on 2 May 1988. On the basis of its plumage it was identified as being of the subspecies M. s. pandoo, the first time that this subspecies has occurred in Japan.
  • 今村 知子, 杉森 文夫
    1989 年 21 巻 2 号 p. 247-252
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.羽色などの外部形態に基づく繁殖期のカルガモの雌雄判別を試みるため,栃木県内で得られた80個体を材料に,雌雄による外部形態の違いを観察した。
    2.上尾筒,下尾羽及び腹に雌雄の差異が認められた。中央尾翼,翼鏡,三列風切及びみずかきの色にも変異が認められたが,雌雄の違いによるものであるとは判断できなかった。
    3.カルガモの雌雄判別を行う場合,上尾筒,下尾筒及び腹が有効な部位であるといえる。
    4.野外においてカルガモを観察する場合,至近距離であれば雌雄を判別することは可能であると思われる。
  • 中村 和雄, 佐藤 文男, 杉森 文夫, 今村 知子
    1989 年 21 巻 2 号 p. 253-264
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    ヒヨドリの雌雄を判別する方法を確立するために,外部形態部位の計測値を基に,判別分析を行った。分析には,神奈川県三浦半島および東京周辺で捕獲されたもので,捕獲直後に計測したもの(標本A,C),関東~関西の各地で採集された後,冷凍保存されていたもの(標本B),北海道~九州の各地で採集され,山階鳥研標本室に保存されていたもの(標本D)を用いた。
    1.標本A~Cでは,測定した10部位の大きさと体重の平均値は,ほとんどの場合で,雄の方が雌よりも有意に大きく,体のサイズにおける明瞭な性的二型を示した。
    2.各計測値の標本ごとの平均値と分散を標本間で比較した結果,捕獲後冷凍保存されていた標本Bの一部の部位を除くと,標本A~Cは同じ母集団からの抽出標本と考えられた。それに対して,乾燥標本(標本D)はこれらとは異なった母集団からのものと結論された。
    3.同一シーズンに同一場所から捕獲された標本Aについて,判別分析を行った結果,翼長のみを用いた場合には,誤判別率は0.08であったが,変数の数を増やしていくと,誤判別率は低下した。しかし,〓蹠長,鼻孔前端長,全長,翼開長,全頭長,嘴幅の6変数を用いたときは,測定した全変数(11変数)を用いた場合とほぼ同程度の判別効率(誤判別率0.021)を示した。
    4.より一般的な判別関数を得るために,各地で得られた標本も加えて判別分析を行った結果,尾長,〓蹠長,鼻孔前端長,翼開長,全頭長の5変数を用いることで,誤判別率0.043の判別関数が得られた。また,この代替として,自然翼長,尾長,〓蹠長,嘴峰長,全頭長の5変数を用いた場合には,誤判別率は0.055であった。したがって,これらの関数を用いて,野外で捕獲したヒヨドリの雌雄を判別できる。
    5.標本A~Cで得られた判別関数を乾燥標本(標本D)に適用したところ,誤判別率は0.26であった。このため,乾燥標本の雌雄判別は,別途検討する必要がある。
  • 正富 宏之, 百瀬 邦和
    1989 年 21 巻 2 号 p. 265-279
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.1989年4月28日から5月2日にかけて,北海道東部の十勝,釧路,根室および網走の各管内で,セスナ機と一部にヘリコプターを用いて,タンチョウGrus japonensisの巣の分布と繁殖状況を空から調査した。
    2.延べ飛行距離は約3,000km,延べ飛行時間は22時間48分で,上記調査期間の前後に,地上からの調査と聞き取り調査も併せて行い,空中調査を補完する資料を収集した。
    3.十勝地方では8巣(全体の8.2%),釧路地方で52巣(53.1%),根室地方で38巣(38.8%),合計で1回の調査ではこれまでの最高の98巣(内3巣は地点未確認)を見つけたが,網走地方では個体•巣とも発見できなかった。
    4.巣の分布状況はこれまでと基本的に変わりなかったが,新たな地点に営巣した例が各管内で若干みられた。同時に,開発により営巣の妨害されたと思われる箇所や環境条件の思わしくないところでの営巣も見受けられた。
    5.最も接近した2巣の間隔を地形図上で測定したところ最短で400m,最長で17,100mあり,平均では3,101mであった。また,釧路湿原では湿原周辺部と中央部では巣の密度が前者で明らかに高かった。
    6.空中調査時に繁殖活動をしていた番い(n=93)のうち,確実に雛連れのものは1例のみで,他はすべて就巣行動を示していた。
    7.個体群の中の繁殖個体の割合は約70%と見積られたが,推定生息個体数283羽は越冬個体数のわずか63-68%でしかなかった。南千島へ移動するほかにどこで越夏する個体が多いのか,依然としてはっきりしない。
  • 鶴見 みや古
    1989 年 21 巻 2 号 p. 280-282
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    In October 1981, I surveyed a colony of the Streaked Shearwater Calonectris leucomelas on Toshima Island in the Izu Islands, Japan, in order to collect ectoparasites. The following ectoparasites were collected from 6 Streaked Shearwaters (4 adults, 2 downy chicks): Mallophaga: (1) Longimenopon shiraii, (2) Halipeurus sawadai, and Shiphonaptera: (3) Ceratophyllus hagoromo. These bird lice were found on their hosts' (1) breast and abdomen on downy chicks; (2) axillars, dorsal, and wings of adults and downy chicks; and (3) on an adult and a downy chick in the same nest.
  • 平岡 考
    1989 年 21 巻 2 号 p. 283-285
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1) 1984年6月1日,沖縄県石垣市内でズグロヤイロチョウが保護され,同月6日死亡した。
    2) 当該標本の羽装の特徴を調べ各部の計測をおこなった。
    3) 上記2より,本個体は亜種 P.s.cucullata と判断した。
    4) 亜種の分布地域を考慮すると,本個体は人為分布の可能性もある。
  • Santasri Chaudhuri, Biswa Ranjan Maiti
    1989 年 21 巻 2 号 p. 286-294
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    インド,カルカッタ付近に生息するチャイロオナガの精巣活性の年周期性を調査するため,月ごとに精巣を採取,調査した。精巣の活性は,非繁殖期(8月~1月),発育期(2,3月),繁殖期(4,5月),後退期(6,7月),の4期に明確に区別できた。チャイロオナガでは,1年に1回の精子形成活動のピークが4,5月にあり,酸性フォスファターゼ,アルカリフォスファターゼ,RNAなどの活性もこの時期に高いことが明らかになった。
  • Santasri Chaudhuri, Biswa Ranjan Maiti
    1989 年 21 巻 2 号 p. 295-303
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    インド,カルカッタ付近に生息するチャイロオナガの繁殖周期を調査するために,月ごとに卵巣を採取し,その発達状態を調査した。卵巣の活性は,非繁殖期(8月~1月),発育期(2,3月),繁殖期(4,5月),後退期(6,7月)の4期に明確に区別できた。卵巣重量と最も大きな卵細胞の直径は,非繁殖期には小さく,発育期には目立って増進し,繁殖期には最高値を示し,後退期には減少した。
  • Santasri Chaudhuri, Biswa Ranjan Maiti
    1989 年 21 巻 2 号 p. 304-308
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    チャイロオナガ雌雄の生殖腺の周年変化に伴う副腎中のアドレナリンとノルアドレナリン量および血糖値を,月ごとに調査した。副腎のアドレナリンとノルアドレナリン量および血糖値は,両性とも非繁殖から繁殖期中も減少した。したがって,副腎ホルモンの量は生殖腺の周年サイクルとは関連していないように思われたが,血糖値は生殖腺の状態といくらか関連があると思われる。
  • 吉井 正, 佐藤 文男, 尾崎 清明, 茂田 良光, 米田 重玄, 吉安 京子, 三田村 あまね
    1989 年 21 巻 2 号 p. 309-325
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    本報告は外国の鳥類標識調査関係者に対して,日本における標識調査の大要を紹介することを主な目的として作成した。
    はじめに,日本の標識調査の歴史について,戦前(1924~1945),戦後林野庁が行なった時期(1961~1971),環境庁が実施した時期(1972~1988)の期に分けて,調査の概要を述べた。
    次に,昨年度(1988年度)の調査結果のうち,標識放鳥個体数(鳥種数も含む),注目に価する標識例,鳥種別回収数,注目に価する回収例,ならびに,標識鳥の寿命の記録について述べた。
  • 柿澤 亮三, 菅原 浩
    1989 年 21 巻 2 号 p. 326-339
    発行日: 1989/09/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    Tadorna cristata (Kuroda) is known only from three extant specimens. The first, a female, was taken near Vladivostok in 1877, and preserved in the Copenhagen Museum. The second specimen, also a female, and the third specimen, a male, were taken from near Fusan, Korea in 1916, and 1913 or 1914, and preserved in the Yamashina Institute for Ornithology. The first specimen was described in 1890 by Sclater, and it was then considered to be a hybrid between the Ruddy Shelduck (Tadorna ferruginea) and the Falcated Duck (Anas falcata). In 1917, Dr. Nagamichi Kuroda described the second specimen and gave it the name Pseudotadorna cristata. The inconsistency between Sclater's hybrid view and Kuroda's new species view was solved in favor of the latter, when Kuroda obtained the third, male specimen, and described it, along with the discovery of four sketches of the Crested Shelduck from the Edo period. This species has been extremely rare, and close to extinction evre since its discovery in 1887. Recently three other old sketches of the Crested Shelduck have been reported, two of them by the present authors. In this paper twelve published sketches of the species from the Edo period have been introduced, and all twenty known sketches are arranged in order based on their characteristics and descriptions, and the status of it's occurrence during the Edo period is disccussed. In conclusion, we presumed that a few Crested Shelducks were imported from Kyohou period (1716-1735) and it actually migrated once or twice to Hokkaido (northern Japan), and was captured to be illustrated as a living bird.
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