山階鳥類研究所研究報告
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22 巻 , 2 号
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  • 中村 浩志, 重盛 究
    1990 年 22 巻 2 号 p. 85-113
    発行日: 1990/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1986年から1988年にかけ,長野県下の飯綱高原と軽井沢町発地において,オオジシギの日周活動と社会構造に関する調査を行った。調査は,鳴き声や飛翔について野外観察するとともに,捕獲して発信器をつけることによる追跡調査,アクトグラムによる行動解析を行った。オオジシギは,調査地には4月前半に渡来し,7月末頃まで留まった。計7個体を捕獲し発信器をつけて調査したが,多くは少なくとも1ヶ月近く定住していた。音声は4種類区別された。誇示飛翔などの音声活動は,日の出前と日没直後に活発で,日中や夜間にも活動のピークがみられる日もあった。朝夕の誇示飛翔は,個体ごと限られた地域内を旋回して行われ,互いに排他的で重なりはみられなかった。誇示飛翔域の形成と分布は,中心から周辺へといった同心円的な構造が認められた。日中の誇示飛翔は,排他性が弱く,隣接個体どうしが集団で広い地域を飛びまわって行われた。アクトグラムによる行動解析から,活動は24時間どの時間帯にもみられたが,朝夕に活動のピークがあり,夜間より日中の方が活動はさかんであった。採食を主とした地上での行動圏は,朝夕の誇示飛翔域よりも広く,個体ごとの重複がみられ,排他的ではなかった。巣は,2巣ともに湿原のふちで発見され,誇示飛翔や採食行動が行われた地域の外側であった。抱卵は,1個体のみによって行われ,その個体は誇示飛翔や鳴くことはしなかった。以上の点から,誇示飛翔を行う方が雄,これらを行わず抱卵する方が雌と判断された。オオジシギの繁殖形態は,雄が子育てに関係した行動をいっさいせず,特定地域に集合し,誇示飛翔を通し空中にアリーナを形成する,レックに近い形態である可能性が論じられた。
  • 黒田 長久, 柿沢 亮三, 和多田 正義
    1990 年 22 巻 2 号 p. 114-123
    発行日: 1990/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    ミズナギドリ目の15種(アホウドリ2種,フルマカモメ,ユキドリ,アナドリ,シロハラミズナギドリ2種,オオミズナギドリ,ミズナギドリ4種,ウミツバメ3種)の52個体について,23種の酵素電気泳動分析を行い,遺伝的類縁を調べ,遺伝的距離を計算して系統樹を作図した。一般に従来行われている属による集合が得られたが,オナガミズナギドリがシロハラミズナギドリ属に近く置かれ,アホウドリはミズナギドリ科に連ること,ウミツバメ科は他と遺伝的距離が大きいこと,などの結果が出た。これらについて,その原因などに言及した。
  • 隅田 重義, 吉沢 貞一, 越田 幹男, 藤巻 裕蔵
    1990 年 22 巻 2 号 p. 124-132
    発行日: 1990/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.函館市郊外のトドマツ人工壮齢林で,1977~1989年のうち8年間,クマゲラの営巣を観察し幼鳥数と巣立日を明らかにした。また1989年には,営巣木や巣穴の形態を調べ,糞分析により幼鳥の食性を調べた。
    2.幼鳥数は2~4羽で,平均3.3羽であった。性比は1:1であった。
    3.営巣木はトドマツの生立木で,胸高直径は46~51cmであった。営巣木3本のうち,2本は巣穴側に,1本はそれとは反対側に傾いていた。
    4.巣穴は営巣木に1個で,巣穴の地上高は4.0~5.9mであった。巣穴の出入口は縦径が90~110mm,横径が70~90mm,奥行270~330mm,出入口下端からの深さ360~410mmであった。
    5.営巣木周辺の立木密度は594本/ha,基底面積は55.7m2/haであった。
    6.育雛後期における幼鳥の主要な食物はアリ類であった。
  • 大沢 啓子, 大沢 夕志
    1990 年 22 巻 2 号 p. 133-137
    発行日: 1990/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    筆者は,1988年12月25日-30日,1989年5月3日-7日,7月26日-31日,10月8日-11日の合計21日間南大東島に滞在し,これまでに記録のない16種を含めて21科53種を観察した。これまでに確認された種とあわせると33科108種(絶滅したと考えられる種を含む)の鳥類が南大東島で記録されたことになる。
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