山階鳥類研究所研究報告
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23 巻, 2 号
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  • 黒田 長久
    1991 年 23 巻 2 号 p. 23-84
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1983-85年の間,11回の自動車輸出船による日米間太平洋往復鳥調査(研究グループ14名による)で得られた観察記録から,ミズナギドリ目の41種(アホウドリ科2種,ミズナギドリ科29種,ウミツバメ科10種)の洋上分布について,次のようにまとめた。1.亜寒帯から温帯海域への分散型(2種)2.温帯-亜熱帯の広域分散型(a.北半球種3種,b.南半球からの渡来種,5-b参照)3.沿岸分布型(a.日本側5種:ハワイ方面,インド洋などにも分散,b.北アメリカ側5種:他に2種含み留鳥)4.亜熱帯海域留鳥型(a.ハワイ海域特産2種,b.亜熱帯全般型(特に日本-ハワイ間1種))5.亜熱帯以北分散型(a.熱帯種北限分布5種,b.南半球種:b-1.亜熱帯海域まで7種,b-2.温帯海域まで4種,b-3.ベーリング海まで2種)となる。
    以上各種についての水温記録(月別)や南半球から渡来の5種についての月別分布移動も図示した。
    この研究はトヨタ財団助成金とトヨタ自動車(株)のご好意による,日本郵船,トヨフジ海運,千代田汽船,日本汽船,藤木海運の各社の自動車輸送船に便乗して行われた研究の一部である。なお,この報告は1990年度国際鳥学会議(ニュージーランド)でポスター発表した。
  • 塩見 浩二, 小城 春雄
    1991 年 23 巻 2 号 p. 85-106
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    ウミスズメ科海鳥類の一種であるエトピリカの形態的特性と雌雄差を明かにする目的で,アメリカ合衆国,アラスカ州,アリューシャン列島周辺海域で1987年6月~7月に採集したエトピリカの繁殖成鳥,雄10個体,雌14個体を用い,外部形態15箇所,骨格34箇所,前肢筋36部位,後肢筋31部位を計測し,以下の結果を得た。
    (1)外部形態では,胃内容物を除いた体重,片翼開長,最大翼長,翼幅および〓蹠長において雄が雌より有意に大きかった。
    (2)骨格では,16箇所で雄が雌より有意に大きかったが,プロポーションでは有意な雌雄差は認められなかった。
    (3)体重に対する前肢筋および後肢筋の総湿重量の割合を調べた結果,後肢筋において雄が雌より有意大きかった。
    (4)乾重量では,後肢筋において,顕著な雌雄差が認あられ,雄が雌より大きかった。また,後肢筋に対する相対値は,前肢筋において雌が大きい傾向が認められた。
    (5)総後肢筋乾重量に対する機能的グループの雌雄差を比較した結果,前肢筋では,上腕骨を上げる筋肉,上腕骨を下げる筋肉および上腕骨を後方に引く筋肉において,雌が雄より有意に大きかった。後肢筋では,脛骨を広げる筋肉において,雌が,脛骨を曲げる筋肉において,雄がそれぞれ有意に大きかった。
    (6)近縁種のウミガラス類と比較した結果,エトピリカは潜水能力においてウミガラス類より劣ることが示唆された。
    (7)本研究からエトピリカは飛翔能力および潜水能力に雌雄差があることが示唆された。
  • Sharmila Dasadhikari Agarwal, Bandana Guha
    1991 年 23 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    イエバトの副腎中のエビネフリン量は,朝の方が夕方よりも多い。ホルマリンストレスでは,朝のエビネフリン量は減少するが,夕方では減少しない。血糖も朝の方が多い。ホルマリンストレスで,血糖は朝夕ともに減少する。ノルエピネフリンの副腎含量は朝は夕方よりも多い。しかし,ホルマリンストレスで,朝夕共に有意には減少しない。コルチコステロンの含量は朝と夕方では有意な差はなく,またホルマリンストレスで有意な変化は示さない。
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