山階鳥類研究所研究報告
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33 巻 , 1 号
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  • 中村 雅彦, 山岸 哲, 西海 功
    2001 年 33 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    マダガスカル島に生息するオオハシモズ科鳥類は著しく適応放散した種群にも関わらず,各種鳥類の基本的な繁殖生態はほとんどわかっていない。オオハシモズ科鳥類の一種であるシロガシラオオハシモズの配偶システムを調べるため,1999年と2000年の11月から12月にマダガスカル西部地域,アンカラファンチカ厳正保護区(アンピジュルア)において,9個体の識別個体を含む9番いの雌雄の造巣,抱卵,抱雛及び育雛活動を観察した。雄は分散したなわばりを所有し,1羽の雌と番いを形成した。交尾は番い間で行なわれ,なわばりの中で観察された。造巣期には雌雄は同じ割合で巣材を運搬した。抱卵,抱雛とも雌雄が行ない,育雛期には雌雄共同で雛に給餌した(主な餌はクモとチョウ目の幼虫)。9番い中2番いでは大雨覆が換羽中の個体がなわばりを共有し,番いの雌雄と相互羽づくろいをした。CHD遺伝子による性判定の結果,換羽中の個体は雄であることがわかった。換羽中の雄個体は巣に接近する動物に対して番いとともにモビングしたが,抱卵,抱雛及び雛への給餌を手伝うことはなかった。これらの結果よりシロガシラオオハシモズの配偶システムは一夫一妻を基本とし,未成熟雄個体が番いとともに巣を防衛する協同繁殖と考えた。
  • 水田 拓, 中村 雅彦, 山岸 哲
    2001 年 33 巻 1 号 p. 15-24
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    オオハシモズ科鳥類は,マダガスカル島内で著しく適応放散した単系統種群である。これまでオオハシモズ科鳥類の採食生態や系統関係については研究が行われているが,各種の基本的な繁殖生態についてはほとんどわかっていない。本論文ではオオハシモズ科鳥類の一種シロノドオオハシモズの繁殖生態を記載し,その配偶様式を考察した。調査は2000年の10月から11月にかけて,マダガスカル北西部の落葉乾燥林アンカラファンチカ厳正保護区内アンピジュルア研究林において行った。調査地では声のみが聞かれた1番いを含む6番いのシロノドオオハシモズが確認された。各番いは分散した行動圏を所有しており,各行動圏は互いに接しておらず,番い間の干渉は観察されなかった。巣が発見された3番いについて,造巣,抱卵,育雛行動を観察したが,いずれの行動も雌雄が分担して行っていた。繁殖活動を手伝うヘルパー個体は観察されなかった。これら分散した行動圏を持つことと雌雄2個体が卵および雛の世話を行うことから,シロノドオオハシモズの配偶様式は一夫一妻であると考えられた。
  • ラコトマナナ ハジャニリナ, 中村 雅彦, 山岸 哲
    2001 年 33 巻 1 号 p. 25-35
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    オオハシモズ科鳥類の一種カギハシオオハシモズの繁殖生態を記載し,その配偶システムを考察するため,1999年10月にマダガスカル北東部に位置するマソアラ半島,2000年10月から2001年1月にかけてマダガスカル北西部に位置するアンカラファンチカ厳正保護区において調査を行なった。マソアラ半島では1巣,アンカラファンチカでは4巣を発見し,各番いの造巣,抱卵,抱雛及び育雛活動を観察した。巣は胸高直径390-1260mの木の地上から3-10mの高さにある二股部分にあった。造巣,抱卵,抱雛育雛とも番いと推定される2個体がほぼ同じ割合で分担して行ない,繁殖活動を手伝うヘルパー個体は観察されなかった。抱卵期間は22-24日間,育雛期間は20-22日間で,親は無脊椎動物,ヤモリやカメレオンを主体とする小型脊椎動物を雛に給餌した。標本及び採取された死体の外部形態測定値を雌雄で比較したが有意な差は認められなかった。体サイズに明確な性差が認められず,2個体が繁殖活動を分担して行なうことから,カギハシオオハシモズの配偶システムは一夫一妻と考えた。
  • マハウルパタ ターラカ, マハウルパタ ダルシャニー, 中根 周歩, 藤井 格
    2001 年 33 巻 1 号 p. 36-43
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    本研究ではセグロセキセイ(Motacilla grandis)の雛の餌を,西日本の東広島市で1998年と99年の繁殖期に生まれた31羽の雛を用いて,首締め法で調べた。雛の餌のうち昆虫綱が個体数で85.5%,クモ綱が14.2%,多足綱が0.3%を占めた。乾燥重量でみた場合,昆虫綱のうちトンボ目は餌の4分の1近くを占め,また双翅目,鱗翅目,鞘翅目,直翅目の餌重量も大きかった。ユスリカ科とコカゲロウ科については,個体数は最も多かったが乾燥重量は小さかった。これらの結果は,セグロセキセイは雛の餌を捕獲する際にはある限定された生物(トンボ科,ガガンボ科,ゲンゴロウ科)を好むということを示唆している。
  • ハレー ダンカンJ.
    2001 年 33 巻 1 号 p. 44-50
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    腐肉食性のカラス科3種の採食群で,1厳寒期を通じて死骸を利用する時の捕食リスクに対する選択行動を調査した。死骸に対する各鳥種の採食順位は明確に決まっており,ワタリガラスは最も優位で,ハシブトガラスがそれに続き,カササギは最劣位であった。最優位種はおおむね,次優位種以下を死骸に寄せ付けなかった。予想された通り,まだ死骸を食べに飛来する鳥がいない夜明け直後や,付近にいる捕食者やその気配で,全鳥種が一斉に死骸から離れた後には,最劣位種がほぼ常に最初に死骸に飛来した。各鳥種の個体数を分析に加えた結果,あきらかにカササギが最も捕食されやすく,ワタリガラスが最も捕食されにくいにも関わらず,得られたこの観察結果は,この3種の中でカササギが最劣位である場合にも,ハシブトガラスが最劣位である場合にも,高い有意性を示した。さらに観察結果を説明する他の仮説が考察される。本研究は,最劣位であるがため最も空腹状態にある種が,通常は排除され,利用できない食物を採食するために最初に死骸に戻り,進んでより高い捕食リスクを受け入れたことを実証した。
  • 福田 佳弘, 小高 信彦, 高田 由紀子, 山本 泰志, 内藤 初夏
    2001 年 33 巻 1 号 p. 51-53
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    We ringed a female House Sparrow (Passer domesticus) at the Teuri Island, off Haboro, northern Hokkaido on 3 May 1998. Although there are several observation records of the species in northeastern Japan (Hokkaido, Akita and the satellite islands in the Japan Sea), this was the first House Sparrow ringed in Japan.
  • 鶴見 みや古, 佐藤 文男, 平岡 考, 前山 亮
    2001 年 33 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    カンムリウミスズメは日本列島近海および韓国南部の小島で繁殖しているウミスズメ類で,生息数が少なく絶滅が危惧されている。かつてカンムリウミスズメは鳥島で繁殖の記録があり,同島で1930年から1935年にかけて採集された卵標本とヒナおよび成鳥の剥製標本がそれを裏付けている。しかし近年では,本種の繁殖は確認されていない。
    2000年3月4日早朝,筆者らは鳥島西部•初寝崎の宿泊地の周辺で数羽の本種の声を確認し,同日,付近の断崖下(海抜約20m)の岩場で成鳥1羽の新鮮な死体を発見した。この死体には腹部に卵殻の破片が付着していた。解剖の結果,本個体は雌で,卵巣が発達しており,輸卵管内には卵殻の破片があった。この個体は産卵期にあり,島へ帰巣する際に岩に衝突し,その衝撃で輸卵管内の卵が割れて死亡したものと考えられた。さらに2001年2月22及び23日にも本種の声を確認した。
    本種の繁殖期における卵を持った死体の発見と2年連続しての鳴き声の確認は,少数の本種が鳥島で繁殖している可能性を強く示唆するものである。
  • 2001 年 33 巻 1 号 p. 58
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
  • 中村 雅彦
    2001 年 33 巻 1 号 p. i
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
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