わが国の工学系化学教育をいかに改革し実りの多いものにするか, いわゆる教養も含めて検討せねばならない時期が来ているようである。そのため昭和45年7月に「第8回全国大学工業化学・化学工学合同研究集会」が開催され, 私はその会の世話当番に当った。その時全国94の工業化学系教室に学科課程のアンケートを依頼し, 72教室より回答を得て集計ができた。これは, 大体の工業化学の現状を把握できるものと考えるのでこれを基礎に展望をしてみたい。集計に際して本学の谷口教授を煩わしたが, 一般教育の自然科学と専門教育科目の区別のない例もあり, また科目の分類とくに専門基礎と応用の区別に不明確なものもあって, あいまいな点もあったがなるべく回答に則し, やむを得ない場合には集計者の判断で表をまとめた。
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