高等学校の実験室などでは, ナトリウムを燈油中に貯えておく実例が一般に多い。著者は燈油より流動パラフィンのほうが優れていると考える。流動パラフィンを用いること自体は目新しいことではないが, このことにより化学教育の現場で, ナトリウムを危険視せずより安全に使用できるようになる効果があろう。理由を純度・安全性(揮発度・引火点)・粘度の視点からのべる。その効果は観察により判定した。また流動パラフィンは燈油より高価であるが, 少量の使用ですむことなので入手しやすい。価額面より取り扱いやすさが優先すると思う。
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