明治維新(明治元年は1868年である)は封建制の残留物をひきずったブルジョア革命であり, その暗い影は昭和20年(1945年)の太平洋戦争の敗戦まで残ったとすれば, 日本の化学工業の進みを1945年まで, 化学工業の構造変革をせまられる昭和48年(1973年)まで, そしてそれ以後の, 将来を含む時期に, 三大別することは意味があると考える。日本化学会は明治11年(1878年)に創立されたが, 明治維新にはじまる資本主義的化学工業が芽を出すのはまさしくそのころであり, 両者の関係は偶然的なものではなかった。
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