化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 自然防御への可能性
    福島 洋一
    2008 年 46 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2008/01/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    プロバイオティクスを摂取する,すなわち生きた細菌を食べて健康を得る.ヒトは細菌に対する備えとして免疫などの系を発達させてきた.そしてまた,細菌を食べるという食文化も生み出してきた.近年,科学は安全に食することができ,さらに宿主の系を刺激してヒトの自然防御力を引き出す能力を有する菌株を選択し,プロバイオティクスとして利用することを始めた.プロバイオティクスの研究は,現在どこまで進み,今後どのような展開を見せようとしているのか.自然防御の可能性を中心にその展望について述べる.
  • 武井 延之
    2008 年 46 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2008/01/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    神経栄養因子とは神経細胞に作用し,分化,成熟,生存維持,機能調節に重要な役割を果たす,分泌性のタンパク質分子である.これらの受容体の多くは受容体型チロシンキナーゼであり,二量体化して,互いをリン酸化して活性化し,シグナルを細胞内に伝えている.脳における神経栄養因子の機能について,疾患との関連も含め解説する.
  • 西村 麻里江, 町田 雅之, 小池 英明
    2008 年 46 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 2008/01/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    糸状菌は複雑に分化した形態をもつ比較的大きな微生物であり,柔軟な環境適応能力と高い物質生産能をもっている.その遺伝子数は微生物で最大級であるが,ゲノムサイズは酵母の2~3倍程度と比較的小さく,高等動植物に見られるような極端な繰り返し配列が存在しない.したがって,ゲノム解析に適した生物であるといえる.糸状菌のゲノム決定と解析はここ10年くらいの間にめざましい進展を遂げ,ゲノム科学を駆使した学術・産業の両面からの研究が広く展開されている.ここでは糸状菌ゲノム情報を活用した幅広い研究分野について,現状と今後の可能性について紹介する.
  • 工藤 俊章
    2008 年 46 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2008/01/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    シロアリは腸内微生物と共生することにより,枯死植物の効率的な分解に成功した土壌昆虫であり,熱帯地域で繁栄し木質バイオマスの分解者として重要な役割を果たしてきた.しかし,シロアリ腸内共生微生物の数は多く,その大半は難培養性微生物であることが研究の大きな障害になっていた.筆者らは,「培養を介さない網羅的解析技術」を先駆的に開発・利用して複雑な「シロアリ共生系」を分子レベルから網羅的に解明することに成功した.これらの研究成果は,地球環境問題の解決やバイオ燃料生産への応用にも大きな寄与が期待される.
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