化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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47 巻, 12 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 伊藤 正恵, 白井 伸明, 水上 民夫, 長谷川 慎
    2009 年 47 巻 12 号 p. 823-830
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    蛍光相関分光法(FCS)は,蛍光標識分子の溶液内挙動を分子レベルで観察できることから,バイオサイエンス分野でタンパク質など生体分子間の相互作用解析に利用されている.高感度・迅速・微量・均一溶液での測定といった他に見られない特性を生かして,臨床検査分野などへの実用化も期待できる.このFCSの測定原理を基礎として,ウイルスや細菌の粒子数を計数する,その遺伝子型の識別に利用する,毒素などの微生物由来タンパク質を直接検出する,など多面的に展開応用することにより,感染症の新規診断技術の開発につなげる試みとして,FCS測定を粒子検出に特化させてインフルエンザウイルスを高感度に検出する方法について紹介する.
  • 仁木 宏典
    2009 年 47 巻 12 号 p. 831-837
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    細胞の形態はどのように決められているのか? これまではまったく異なる仕組みであろうと思われていた原核生物でも,真核生物と同じアクチンファミリー細胞骨格因子によって細胞の形態が制御されていることが明らかになっている.さらに,新たな因子が見つかり,細胞長や細胞極性をどのように制御しているのかという細胞の基本的な問題を原核生物から分子レベルで問うことができるようになってきた.
  • 赤外分光によるアプローチ
    奈良 雅之, 森井 尚之, 田之倉 優
    2009 年 47 巻 12 号 p. 838-844
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    構造生物学,構造ゲノム科学の発展により,X線結晶構造解析や多次元NMR で得られた50,000件以上のタンパク質の立体構造がタンパク質データバンク (PDB) などを通じて誰でも利用できるようになった.タンパク質の構造機能の相関を深く理解するためには,これらの立体構造に基づいて,様々な角度からアプローチすることが重要である.赤外分光法はそのアプローチの一つであり,タンパク質の構造機能解析に有用な情報を与えてくれる.ここでは,赤外分光による Ca2+ 結合タンパク質の on/off 機構解析について紹介する.
  • 三宅 克英, 金岡 英徳
    2009 年 47 巻 12 号 p. 845-852
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    転写因子はリン酸化やアセチル化などの翻訳後修飾によりその機能が調節されていることはよく知られている.近年,新たな修飾形態としてユビキチン化やSUMO化,さらにはNEDD化などのタンパク質修飾が注目を集めている.転写因子もこれらの修飾により活性の制御をうけることが明らかになりつつあるが,ここでは特に,SUMO化修飾が転写因子の機能に与える影響について述べる.
  • 平尾 宜司
    2009 年 47 巻 12 号 p. 853-860
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    特定の食物に対してアレルギー症状を有するヒトの健康危害の発生を防止する観点から,日本をはじめとして,世界各国で食物アレルギー表示制度が施行されている.これに伴い,数多くのELISAやPCRなどのアレルギー原因食品の検出技術が報告されており,その一部は受託検査サービスや検査キットとして実用化されている.ここでは,日本での食物アレルギー表示制度の概要と検査方法の現状を概説するとともに, PCR によるアレルギー原因食品の検出技術に焦点を絞り,著者らのグループが開発してきた技術を中心に紹介する.
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