化学と生物
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47 巻, 5 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 二成分制御系を中心に
    山篠 貴史, 水野 猛
    2009 年 47 巻 5 号 p. 312-322
    発行日: 2009/05/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    サイトカイニンはオーキシンやジベレリンと並んで植物の成長を制御する重要な植物ホルモンである.その発見以来50年以上もの研究の歴史があるにもかかわらず,その受容体を含めサイトカイニン応答分子機構は長らく不明であった.しかし,その機構にバクテリア型情報伝達二成分制御系因子が関与していることが明らかになったことで急速な研究の進展が見られた.二成分制御系はリン酸リレー系とも呼ばれ,ヒスチジンキナーゼをセンサーとした「環境シグナル検知→応答」の普遍的機構である.ここでは,シロイヌナズナを用いた研究から明らかになったサイトカイニン情報伝達系やそれを介した成長制御の分子機構に関する最新の知見を,二成分制御系因子の働きを中心に解説する.
  • 糸状菌が生産するセロビオヒドロラーゼの比較から結晶性セルロース分解における律速段階を考える
    五十嵐 圭日子, 鮫島 正浩
    2009 年 47 巻 5 号 p. 323-328
    発行日: 2009/05/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    セルロースは植物細胞壁成分の約50%を占める多糖であり,自然界で最も豊富に存在する有機物である.地球上では年間1010~1011 トンのセルロースが光合成によって生産されているという報告がある(1) が,その多くがカビやキノコなどの糸状菌が生産するセルラーゼによって分解されている.ここでは,結晶性セルロース(セルロースI)の分解に携わっているセロビオヒドロラーゼ (cellobiohydrolase ; CBH) の反応特性を比較することで,セルロースの酵素分解というブラックボックスを多角的に検証する.
  • 岩下 和裕
    2009 年 47 巻 5 号 p. 329-338
    発行日: 2009/05/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    多くの微生物で全ゲノム情報が公開され,いわゆるオミックス技術も産業微生物に応用することが可能となっている.これらのゲノム情報を中心としたバイオロジー(ゲノムバイオロジー)の発展により,今まではまったく解析が不可能であった個々の菌株レベルでの違いが明らかになるなど,麹菌の醸造研究でも日々刻々と新しい知見が得られている.ゲノムバイオロジーにより現われた醸造研究の姿は,まさに“新世界”と言うにふさわしい驚きと不思議に満ちている.
  • 谷原 正夫
    2009 年 47 巻 5 号 p. 339-344
    発行日: 2009/05/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    動物由来コラーゲンに特徴的なPro-Hyp-Gly配列を含むペプチドを出発原料に,重縮合によって三重らせん構造をもつコラーゲン様のポリペプチドの化学合成が可能となった.このポリペプチドに細胞接着性や抗菌機能をもつペプチド配列などを導入することにより,種々の機能を付与することができることがわかった.安定性と安全性に優れる化学合成コラーゲン様ポリペプチドの特性,利用の現状と今後の可能性を展望する.
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