化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
47 巻, 6 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 中嶋 啓雄, 田沼 靖一, 馬替 純二
    2009 年 47 巻 6 号 p. 382-389
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    生活様式の欧米化に伴い,我が国のがんの発症傾向も欧米型に変化してきている.特に乳がんの罹患率の上昇は顕著であり,女性のがんでは胃がんを抜いて最も高い罹患率となって久しい.一方,乳がんはホルモン受容体やHER-2抗原など機能の明確な分子の発現が特徴であり,分子標的治療が最も有効ながんでもある.ここでは,最近めざましい進歩を遂げたHER-2抗原に対する分子標的治療と,いまだに有効な分子標的が同定されずに予後不良であることが大きな問題となってきているトリプルネガティブ乳がんに対する分子標的治療の可能性について概説する.
  • 塩野 義人, 木村 賢一
    2009 年 47 巻 6 号 p. 390-396
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    ここで取り上げる植物内生糸状菌は,樹木由来の内生菌であり,健康で生きた植物に対して病徴を示すことなく生息している菌類である.熱帯雨林ジャングルから乾燥した砂漠のサボテンに至るまで,様々な植物内部に菌相の異なる内生菌が棲息し,植物と密接に関わって共生している.しかし,樹木の内生菌がどのようにして内部に侵入し,共生し,どのようなことをしているかは詳しくは明らかになっていない.また,いったん,その共生のバランスが崩れると,植物病原菌や腐生菌に変貌するようである.近年,このように詳細がよくわかっていない内生菌類を対象にした生理活性物質の探索研究が国外で活発になりつつある.ここでは,植物内生糸状菌類から分離された,Ca2+ シグナル伝達阻害活性を有する新物質アンスラコビック酸類とエレモキシラリン類について紹介する.
  • 菊池 慶実
    2009 年 47 巻 6 号 p. 397-403
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    約10年ほど前に,それまで一般的なタンパク質の膜透過システムであったSec系とは異なる,新しいタンパク質膜透過システムであるTat系が発見された.その後,Escherichia coli をはじめとしてTat系の詳細な機構が解析されてきたが,Sec系とは大きく異なりフォールディングしたタンパク質がそのままの状態で膜を透過するというユニークな機構をもつことが明らかとなった.ここでは,そのTat系の概要とタンパク質生産への応用展開に関し解説する.
  • HPLCからHPAEC-PAD, ESI-MSへ
    深溝 慶, 大沼 貴之
    2009 年 47 巻 6 号 p. 404-411
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    30年前に登場したHPLCは分析時間を短縮化し,オリゴ糖や単糖を生産する酵素群の構造と機能の理解に大きく貢献した.また,酵素反応の視覚化という意味でも画期的技術だった.最近,この優れた方法をさらに進展させようという波が押し寄せている.ここでは30数年間の糖質加水分解酵素の反応解析法における進展を振り返りつつ,酵素反応の視覚化の新しい波であるHPAEC-PADやESI-MSを紹介する.
  • その最前線を探る
    小川 順, 清水 昌
    2009 年 47 巻 6 号 p. 412-418
    発行日: 2009/06/01
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    昨今の省エネルギー・環境調和型社会への転換志向が後押しとなり,微生物酵素の機能を積極的に産業に活用しようとする機運が高まってきている.微生物酵素の産業利用における最近の動向を俯瞰し,今後どのように展開されていくのかを様々な角度から考えてみたい.
セミナー室
「化学と生物」文書館
トップランナーに聞く
化学の窓
feedback
Top