フグ毒テトロドトキシンは,電位依存性 Na
+ チャネルの強力で特異的な阻害剤である.そのため,かつてはNa
+ チャネルの単離に使用され,現在も Na
+ チャネルに関わる研究に汎用されている.また近年,テトロドトキシンなど Na
+ チャネルに作用する毒を含有する生物自身の Na
+ チャネルが毒耐性型の変異を有する例が多く見つかり,進化との関わりが注目されている.ここでは,フグ毒テトロドトキシンがこれまで果たしてきた Na
+ チャネル研究に関わる役割,テトロドトキシンと Na
+ チャネル結合モデル,および Na
+ チャネルに作用する毒を含有する生物の毒耐性型 Na
+ チャネルについて解説する.
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