化学と生物
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48 巻 , 2 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 菅原 桂
    2010 年 48 巻 2 号 p. 88-92
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/08/12
    ジャーナル フリー
    我が国は高齢化社会を迎えて「より善く生きる」ことが社会的な課題となっている.運動器疾患はそれ自体が生命を脅かすことは少ないが,その予防と治療は QOL (Quality of Life) の観点から非常に重要である.膝や肘などの関節に存在し四肢の動きを滑らかにしている関節軟骨は,いったん損傷を受けると自然には治癒しない組織である.そのため,根本的な治療ができず,次第に軟骨が変性して痛みを生じるようになり,日常生活に支障をきたすことも多い.このような軟骨欠損の治療法として,組織工学を応用した自家培養軟骨移植術が登場した.ここでは,軟骨組織の特性と,自家培養軟骨による軟骨欠損の治療およびその産業化への取り組みについて解説する.
  • 大宮 あけみ, 山溝 千尋
    2010 年 48 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/08/12
    ジャーナル フリー
    カロテノイドは光合成に必須の化合物であり,すべての植物の緑色組織に一定量含まれ,その組成も植物を通して共通している.一方,花弁におけるカロテノイドは黄色花色の発現を担い,植物種によってまったく蓄積していないものから高濃度に蓄積しているものまで様々で,その組成も植物により異なる.花弁におけるカロテノイド量や組成を制御する機構は多様で,生合成だけでは説明できないことが最近の研究からわかってきた.ここでは,キクとアサガオで得た知見を中心に,花弁におけるカロテノイドの蓄積制御機構について紹介する.
  • 末永 光, 宮崎 健太郎
    2010 年 48 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/08/12
    ジャーナル フリー
    1970~80年代に様々な難分解性化合物を分解する微生物が発見されて以来,分解菌の分離と分解特性の評価が精力的になされてきた.1990年代に入ると,遺伝子の構造と機能の解析や新規化合物出現に対する微生物の適応・進化に関する機構解明,環境浄化への応用へと研究内容も多角化・深化してきた.今また,メタゲノム解析手法の登場により,個による分解から環境システムによる分解の理解へと,大きな転換期を迎えようとしている.
  • 青木 直人, 田中 千絵, 秦 健敏
    2010 年 48 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/08/12
    ジャーナル フリー
    細胞は,細胞外へとシグナルを伝えるためにホルモン,増殖因子,サイトカインなどを分泌し,近傍,自身,あるいは遠方の細胞に働きかける術をもつ.これら液性因子に加え,リン脂質,タンパク質に富み,直径が 30 nm~1 μm の膜小胞を分泌し,タンパク質やRNAを輸送する手段として利用するなど,膜小胞が新たな細胞間コミュニケーションツールとして機能しうることが最近になり続々と報告されている.ここでは,一般の教科書にも記載されていない分泌性膜小胞の驚くべき機能をまとめて解説したい.
セミナー室
「化学と生物」文書館
  • 別府 輝彦
    2010 年 48 巻 2 号 p. 129-132
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2011/08/12
    ジャーナル フリー
    チーズ作りに不可欠な牛乳タンパク質を凝固させるには,生後数週間の仔ウシ第四胃から得られるアスパラギン酸プロテアーゼの一種であるキモシン(旧名レンニン)が古くから用いられている.筆者らは1981年にこの凝乳酵素の遺伝子(cDNA)を初めてクローン化し,引き続いてそれを大腸菌で発現させて活性のある酵素をつくり出すことに成功した.この一連の研究は,わが国で高等動物遺伝子をクローン化した最初の例であるとともに,異種遺伝子の発現で一定の応用上の成果を上げた遺伝子工学のきわめて初期の実例となった.
    その成功の直接の基礎となったのは,新しい試験管内遺伝子組換え技術の大きな可能性にいち早く着目して自前でその技術システムを確立したことにあるが,その背景には過去に微生物由来の凝乳酵素を発見・実用化したという研究室の伝統があった.この一文ではそれらに触れた上で,今では想像もできないような状況の中で困難な目標を達成した当時の若い研究者の仕事ぶりに焦点を当てて述べてみたい.
海外だより
化学の窓
農芸化学@High School
生物コーナー
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