化学と生物
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49 巻, 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 西村 宜之, 平野 良憲, 人見 研一, 箱嶋 敏雄, 村瀬 浩司
    2011 年 49 巻 3 号 p. 161-169
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    植物の発生・分化,生長,環境応答などの多くは植物ホルモンと総称される様々な低分子化合物によって調節されていることは古くから知られていた.しかし,植物ホルモンの生理作用の研究は盛んであるにもかかわらず,植物ホルモン受容体によってどのような分子認識がなされているかが原子レベルで明らかになってきたのは最近のことである.特に植物ホルモン受容体の構造決定により,今後さらなる植物ホルモンの受容やシグナル伝達のメカニズム解明と理解が期待される.ここでは,最近明らかになった代表的な植物ホルモンであるアブシジン酸,ジベレリンおよびオーキシン受容体の立体構造を中心に総説する.
  • 久保 允人
    2011 年 49 巻 3 号 p. 170-176
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    ヘルパーT細胞は,それぞれ固有のサイトカインを産生することにより獲得免疫系の中心を担う免疫細胞である.2型ヘルパーT (Th2) 細胞は,アレルギー病態に関与する一連のサイトカイン IL-4,IL-5,IL-13 を産生することからアレルギーを制御するT細胞として知られる.Th2細胞から産生されるサイトカインをコードする遺伝子は,哺乳類では同一の染色体上に接近して存在しており,その構造も非常によく保存され,同調的に制御されていることが知られている.ここでは,Th2細胞の制御に関わるサイトカインシグナルとサイトカイン遺伝子の転写調節について紹介する.
  • 鈴木 康司
    2011 年 49 巻 3 号 p. 177-186
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    ビールや清酒,ワインなどお酒の歴史はきわめて古く,お酒は文明誕生とともに人類と歩んできたと言ってよい.その歴史は有用微生物である酵母を中心に語られることが多いが,お酒醸造の歴史は醸造酵母の歴史であるとともに,お酒を変敗させる微生物の歴史でもある.その証拠の一つとして,酒類変敗微生物研究の始まりは微生物学開祖のパスツールの時代に求めることができ,パスツール自身もこの研究分野に深く関わっている.微生物学誕生とともに様々な研究がなされてきた当分野であるが,ここでは,目覚ましい進展があった最近の研究成果に焦点を当てて解説したい.
  • 田中 保
    2011 年 49 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    食べる胃腸薬といわれるキャベツやダイコン,春の七草に含まれるナズナ,スズナ,スズシロ(ダイコン)など,胃腸に良いとされる食物にアブラナ科の植物は多い.アブラナ科の植物を生で食べると,植物酵素のホスホリパーゼDと消化酵素のホスホリパーゼA2の作用で生理活性脂肪質のリゾホスファチジン酸(LPA)が生じる.消化管への野菜の効果にLPAが関与する可能性を論じる.
セミナー室
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農芸化学@High School
  • 種岡 瑞穂, 川久保 貴博, 鈴木 太士, 坂本 静, 堤 香菜子
    2011 年 49 巻 3 号 p. 214-215
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,平成20(2008)年度日本農芸化学会大会(開催地 名古屋)会期中に開催された高校生による第4回「ジュニア農芸化学会」において“最優秀賞”を受賞した.生食が可能な果物は,人類が古くから利用してきた安全な食物である.それゆえ,ブロメラインのような果物のタンパク質分解酵素は,食品や医薬品産業で多用され,さらなる利用分野の拡大が期待されている.本研究は,メロンのような果実に存在するタンパク質分解酵素の基本的な性質の理解とその「地域特産物」加工への新たな応用を内容としている.
  • 江口 ひらり, 土橋 葵, 下田 真紀
    2011 年 49 巻 3 号 p. 216-218
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,平成22 (2010)年度日本農芸化学会大会(開催地 東京)時に開催された第5回「ジュニア農芸化学会」において“優秀賞”に選ばれた.環境廃棄物(プリントなどの廃棄ペーパー)の再資源化を,キノコの栽培という簡便な手段で達成しようとする先進的,かつ実用的な研究である.本技術は,様々なタイプの廃棄ペーパーに適用可能であり,また環境負荷が少なく,資源・エネルギーの循環を促進する経済的なメリットもある.21世紀にふさわしいグリーンテクノロジーとして,その実用化が期待される.
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