NF-κBは免疫や組織の安定性保持に重要な転写因子であるが,過剰に活性化されると多くの炎症性疾患やがんの促進因子となる.天然物からの分子デザインにより発見した(2
S,3
S,4
S)-dehydroxymethylepoxyquinomicin (DHMEQ) は NF-κB構成タンパク質に特異的に共有結合してDNA結合を阻害する.多くの動物実験で毒性を示さず,抗炎症活性,抗がん活性を示す.最近,酵素反応によって鏡像異性体を効率良く分離する手法が見いだされ,医薬開発にさらに展望が開けてきた.
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