化学と生物
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49 巻, 9 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 小出 哲也, 吉原 良浩
    2011 年 49 巻 9 号 p. 601-609
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    動物は,外界からの様々な刺激を感覚器官で受容し,脳内で情報処理を行なうことにより,環境変化に応じた適切な行動をとることができる.中でも嗅覚は,食物の探索,危険からの回避,生殖活動といった生命を維持するために必要な本能的行動を制御する重要な感覚である.ここでは,匂いの受容から様々な嗅覚行動の発現へと至る神経回路の仕組みについて,モデル脊椎動物ゼブラフィッシュを用いた神経行動学的研究の現状を紹介する.
  • 熊谷 仁, 谷米(長谷川) 温子, 田代 晃子, 熊谷 日登美
    2011 年 49 巻 9 号 p. 610-619
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    近年,社会の高齢化に伴い,嚥下機能が低下した高齢者が増加している.食物が食道から胃ではなく,気管から肺へ到達することを誤嚥という.高齢者が誤嚥する大きな理由は,食物が咽頭部を通過する際のタイミングがとれなくなることにあるため,水やお茶などの低粘性の食物は誤嚥しやすい.誤嚥の危険性を低下させるためゲル化剤や増粘剤を添加した様々な嚥下困難者用の介護食が開発されているが,介護食として適切な物性指標については不明な点が多い.ここでは,超音波による咽頭部での食塊の流速測定結果を踏まえて,高齢者にとって誤嚥しにくい食物の物性とは何かについて議論する.
  • 中島 裕史
    2011 年 49 巻 9 号 p. 620-623
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    気管支喘息の本態であるアレルギー性気道炎症は,T細胞,B細胞,好酸球,肥満細胞,好塩基球,樹状細胞など炎症局所へ浸潤した血球系細胞と,血管内皮細胞,気道上皮細胞,線維芽細胞など組織構築細胞との複雑な相互作用により形成される.喘息モデルマウスを用いた研究によりTh2細胞が,アレルギー性気道炎症の惹起に,またTh17細胞が重症喘息の病態に関与していることが示されている.さらに,組織構築細胞の産生するサイトカインが直接あるいはT細胞を介してアレルギー性炎症の誘導に重要な役割を果たしていることも明らかとなった.これらの知見をもとに,臨床応用に結びつくことが期待される成果も得られつつある.
  • 遺伝子レベルで明らかとなった猛暑が米の品質に及ぼす影響
    山川 博幹, 羽方 誠
    2011 年 49 巻 9 号 p. 624-629
    発行日: 2011/09/01
    公開日: 2012/09/01
    ジャーナル フリー
    近年の温暖化によって,米の胚乳部分が白濁した乳白米が多発し,全国的に米品質の低下が問題となっている.乳白米は胚乳へのデンプンの蓄積が阻害されて生じると考えられるが,イネゲノム情報を活用した解析から,胚乳デンプンの蓄積が阻害される生理メカニズムが遺伝子レベルで明らかとなりつつある.
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