1.日本で用いられている種麹菌,またはそれに関係した製造工程から分離された麹菌の中からaflatoxin生産菌は発見されていない.
2.上記のうち,かなりのものがaflatoxin類似の,薄層クロマト上の
RF値と螢光色を有する物質を生産する.このようなaflatoxin B様の紫色螢光物質8種類を分離し,いずれもpyrazine環のNo.1位置がdeoxy構造を有する物質であることを証明し,その6種の化学構造を明らかにした.
3.これらのいずれの物質も溶剤系を選択することによりaflatoxinと薄層クロマトの
RFを一致させることができる.ゆえにaflatoxinの検出に当たり,従来一般に用いられている薄層クロマト上の螢光スポットの
RFだけに頼ることは危険で,2種類以上の異なった溶剤系によるクロマト,螢光スペクトラム,紫外吸収,赤外吸収がさらに必要で,当然のことながら物質を単離するのが最もよい.
4.邦産醸造食品は,純良な種麹菌を多量に用い,常法どおり清潔に製造されるならば,aflatoxinが混入する危険性はほとんど考えられない.
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