化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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50 巻, 1 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • 小埜 栄一郎, 堀川 学, 中山 亨
    2012 年 50 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2013/01/01
    ジャーナル フリー
    自然界は多様な植物二次代謝産物で溢れているが,それらの多くは糖が付加された配糖体として蓄積されている.配糖体化は反応性の高いアグリコンを安定化し,代謝物の細胞内輸送や貯蔵を司る重要な反応である.その配糖体化反応を触媒するUDP糖依存型配糖体化酵素の機能解析を通じて明らかになってきた酵素機能の可塑性と二次代謝産物の構造多様性について解説する.
  • 斉藤 昌之
    2012 年 50 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2013/01/01
    ジャーナル フリー
    褐色脂肪は代謝的熱産生を行なう特異的な脂肪組織であり,寒冷環境下での体温維持やエネルギー消費の自律的調節に関わっている.褐色脂肪に関する従来の知見の大部分は冬眠動物や実験動物から得られたものであったが,最近成人にも褐色脂肪が存在し実際に機能していることが明らかにされ,肥満やメタボリックシンドロームとの関係で注目を集めている.ここでは,マウスなどでの知見をまとめてから,ヒト褐色脂肪研究の現状について食品成分による活性化の可能性を含めて紹介する.
  • 板谷 光泰
    2012 年 50 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2013/01/01
    ジャーナル フリー
    今や,どのような生物種のゲノムでも塩基配列決定が迅速にできる時代になった.対照的なのがゲノムを合成する技術で,扱うゲノムが高分子巨大DNAであるために,クローニングはおろか,ゲノムを日常的に操作する共通の手法すらなかった.最近2つのグループが,ゲノムは丸ごとクローニングして操作できることを実証した.バクテリアゲノム工学の概念を根本から変えるこの成果は,しかしながら巨大DNAであるゲノムを扱う困難さとコスト高のせいで,汎用技術になるにはまだ時間がかかりそうである.どんなゲノムでも合成できる汎用性の高い系は確立できるのか,またそのような系で得られる合成ゲノムが,ライフサイエンス分野でどのような応用が可能か,その現状を述べる.
  • アグマチジンの生合成とAUAコドンの解読
    鈴木 勉
    2012 年 50 巻 1 号 p. 36-43
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2013/01/01
    ジャーナル フリー
    遺伝暗号の中で最も解読が難しいとされるAUAコドンをアーキアはどのように解読しているのか? 最近,アーキア由来tRNAIleのアンチコドンからアグマチジン (agm2C) と名付けられた新規の修飾塩基が発見され,AUAコドンの解読機構が明らかとなった.アグマチジンの生合成機構の詳細な解析と,修飾酵素とtRNAの複合体の結晶構造解析から,これまでに例のないまったく新しい酵素触媒反応によってアグマチジンが形成されるしくみが明らかとなった.また,アグマチジンの生物学的意義についても触れる.
セミナー室
「化学と生物」文書館
緊急企画
農芸化学@High School
  • 資源循環型学校生活をめざして
    杉田 惇, 松本 泰知, 宮崎 彩, 中屋 彰啓, 中園 良昭, 東浦 大樹, 小西 祐太郎
    2012 年 50 巻 1 号 p. 69-70
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2013/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,平成23年度日本農芸化学会大会(開催地 京都)での「ジュニア農芸化学会」において発表予定であったが,残念ながら東日本大震災によって大会が中止となったため,日本農芸化学会和文誌編集委員会によって選定し,掲載することとなった.バイオマス生産は,地球温暖化防止の立場から大いに関心がもたれている課題である.本研究は,校内から排出される販売不適なイモ類やシュレッダー紙を有効利用し,学校生活における資源循環をめざすことをねらいとしている.
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