化学と生物
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50 巻, 11 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 榛葉 繁紀
    2012 年 50 巻 11 号 p. 794-800
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
    ヒトも含め地球上に存在する多くの生物は,いわゆる「お日様に従った生き方」をするために体内時計を有しており,そのため多くの生理機能は概日リズム(サーカディアンリズム)を示す.しかしながらグローバリズムが席巻する現代,効率重視の昼夜交代勤務(シフトワーク),東西飛行(時差ぼけ)などにより,このサーカディアンリズムに大きな負荷が課されている.多くの疫学研究により不規則な生活が生活習慣病の発症につながっていること,そして基礎研究により,そのメカニズムとしてサーカディアンリズムの形成因子である時計遺伝子の機能異常が明らかにされてきた.ここでは時計遺伝子ならびにその関連因子のノックアウトマウスの解析をもとに体内時計と疾患との関係について考察したい.
  • 渡邊 直樹, 水野 裕昭
    2012 年 50 巻 11 号 p. 801-806
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
    フォルミンファミリーは,真核生物に広く保存されたアクチン重合促進因子であり,アクチン線維の速い重合端に結合したままプロセッシブ(連続的)にアクチンを伸長する性質をもつことが,われわれの蛍光単分子イメージングなどによって解明されてきた.最近,われわれは単分子蛍光偏光観察によって,フォルミンファミリーがアクチン線維のらせん構造に沿って回転しながらアクチンを伸長することを証明した.また,フォルミンファミリーのもつ著明なアクチン伸長加速活性に,アクチンに結合したATPが重要な役割を果たすことが付随的に見いだされた.
  • 山下 倫明, 今村 伸太朗, 山下 由美子
    2012 年 50 巻 11 号 p. 807-817
    発行日: 2012/11/01
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
    マグロ類やカジキ類,ハクジラ類などの海洋の高次捕食者には,食物連鎖によって生物濃縮されたメチル水銀が,筋肉に含まれることから,魚食からのメチル水銀の摂取による毒性を明らかにする必要がある.水俣病のように,メチル水銀の中毒事例から予想すると,低濃度のメチル水銀の長期曝露によって,脳神経系や心臓・血管系の分化・発達異常が生じる可能性がありうるが,実際には魚食によって微量なメチル水銀を摂取し続けても,メチル水銀中毒は生じない.その理由は,魚から高度不飽和脂肪酸やセレンなどを多量に摂取するので,これらの成分がメチル水銀の蓄積や毒性発現の機序に作用して,毒性を軽減することがわかってきた.魚食由来のメチル水銀の健康リスクは過大に評価されているのではないか.なぜ,魚食ではメチル水銀の毒性が打ち消されるのか.水産物のメチル水銀とセレンによる解毒に関する最近の知見を紹介する.
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