化学と生物
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51 巻, 10 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 次世代シーケンサーを用いた高精度な網羅的解析の可能性
    大島 拓, 石川 周
    2013 年 51 巻 10 号 p. 670-678
    発行日: 2013/10/01
    公開日: 2014/10/09
    ジャーナル フリー
    これまで,転写開始点や転写制御因子の結合部位を正確に決めるためには,個々の遺伝子ごとに,プライマー伸長法や DNase I フットプリントをしなければならなかった.ところが,次世代シーケンサーの登場で,それらの方法と同等の精度で,ゲノムワイドな解析ができるようになりつつある.これらの解析手法の登場で,細菌のゲノム解析は,どこまで分子メカニズムに迫れるだろう.最近,続々と発表された1~数塩基レベルの解像度をもつ網羅的解析手法について解説してみたい.
  • 日野 智也, 松本 悠史, 當舍 武彦, 杉本 宏, 永野 真吾, 城 宜嗣
    2013 年 51 巻 10 号 p. 679-685
    発行日: 2013/10/01
    公開日: 2014/10/09
    ジャーナル フリー
    脱窒は,嫌気性微生物の呼吸の一種であり,硝酸イオンNO3-を順次還元し,最終的に窒素N2に変換する生物プロセスである.その変換過程において中間体として生成される一酸化窒素NOは,ラジカル分子であり,タンパク質などの生体物質に損傷を与えるため,微生物は,NO生成後速やかに無毒化する一酸化窒素還元酵素NORを有している.この膜結合性NORの結晶構造が世界で初めて解かれた.これにより,微生物によるNO無毒化の反応機構を明らかにし,呼吸酵素の分子進化を解明できる手がかりが得られた.
  • 伊藤 弘樹, 山元 大輔
    2013 年 51 巻 10 号 p. 686-692
    発行日: 2013/10/01
    公開日: 2014/10/09
    ジャーナル フリー
    キイロショジョウバエのオスがメスに性行動を行う際,オスは一連の定型的な行動様式を示しながらメスに求愛する.このオスの性行動は遺伝的にあらかじめプログラムされており,この性行動を制御する脳内の神経回路には性差が見られる.この回路の主要部分はfruitless と呼ばれる遺伝子の働きによって蛹の脳の中で作り上げられるが,その具体的なメカニズムは一切不明であった.ここではFruitlessタンパク質およびFruitlessタンパク質と複合体を形成するクロマチン制御因子が,オスの性行動制御神経回路を作り上げるメカニズムについて紹介する.
  • 仲井 まどか
    2013 年 51 巻 10 号 p. 693-701
    発行日: 2013/10/01
    公開日: 2014/10/09
    ジャーナル フリー
    昆虫に感染するウイルスが,害虫防除資材として使用されている.このような防除資材は,ウイルス資材 (Viral agent) あるいはウイルス殺虫剤 (Viral pesticide) と呼ばれている.ウイルス資材は,化学合成農薬と全く異なる作用機作をもち,世界各地で使用されている.本解説では,昆虫ウイルスがどのような生物学的特徴をもつのか,どのような特性が害虫防除資材として適しているのか,実際の具体例を示すとともに今後の展望について解説する.
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農芸化学@High School
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