化学と生物
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51 巻 , 6 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 米山 忠克
    2013 年 51 巻 6 号 p. 368-375
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル フリー
    日本の生態系には,1950~1970年代の大気圏内核実験,1986年4~5月のチェルノブイリ原発事故,そして2011年3月の福島原発事故による放射性物質が降下し広域の複雑な汚染が生じた.降下核種のうち長寿命の放射性セシウム (*Cs) は森林,農耕地,河川や湖沼,海の植物,動物,土,水に不均一に拡散している.この生態系での放射性セシウムの動態の理解は,ヒトの生命と,安全や安心できる食生活と活動のための環境の復興に大切である.
  • 和田 正, 田中 彰裕
    2013 年 51 巻 6 号 p. 376-382
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル フリー
    筆者らは,スクロースをイヌリンに変換する酵素生産細菌 Bacillus sp. 217C-11 株を見いだすことに成功した.この酵素は,イヌロスクラーゼに分類される新規な糖転移酵素であることが明らかになった.また,酵素の反応条件を任意に選択することによって合成されるイヌリンの平均鎖長を制御できることもわかった.こうして作られたイヌリンは,植物由来のイヌリンに比べて水溶性が高く,食品加工特性に優れるものであった.近年では,脂肪に似た食感のゲルを形成する性質を利用して,油脂含有食品の低脂肪化のための素材としての利用が拡大している.
  • 野田 陽一, 依田 幸司
    2013 年 51 巻 6 号 p. 383-388
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル フリー
    細菌のペプチドグリカンや真菌の β-1,3-グルカンのような細胞壁の必須成分は,私たち哺乳動物の細胞に存在しないため,病原菌に対して特異性が高い格好の標的であり,実際にβ-ラクタムのような優れた治療薬が使われてきた.抗菌剤開発という実用的見地を離れても,細菌・真菌や植物の細胞にとって必須な細胞壁が,細胞増殖と調和していかに形成されるかは,基礎生物学的に興味深い問題である.これまで多くの研究がなされ,これからは各素材の合成酵素が,細胞骨格や小胞輸送で適切な部位にいかに配置されて働くかが中心的問題であろうが,ここに合成酵素の本体もいまだよくわからない細胞壁成分がある.本稿では,この酵母の β-1,6-グルカンについて解説する.
  • 高橋 伸一郎, 伯野 史彦, 亀井 宏泰, Leonard Girnita, Ignacio Torres-Aleman, 東 祐輔, 福嶋 ...
    2013 年 51 巻 6 号 p. 389-399
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル フリー
    インスリン様活性 (insulin-like activity;ILA) は,インスリンやインスリン様成長因子 (insulin-like growth factor;IGF) により誘導される生理活性の総称で,動物の一生の多くの生命現象に関与している.ILAは,いろいろな細胞外因子や生理状態によって調節され,正常な発生,発達・成長,成熟,代謝制御が可能となっている.最近になり,ILAは老化の調節にも関連していることが明らかとなり,ILAの制御法の開発は,高齢化社会で克服すべき疾病の予防や治療の新しい戦略となる可能性がある.本稿では,最初にインスリンとIGFの性質や細胞内シグナル伝達機構を概説した後,ILAが,がん,脳神経疾患,動脈硬化,糖尿病の発症に果たす役割について説明し,最後に,われわれが進めているILAの新しい制御法の開発の試みについて紹介する.
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