化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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52 巻, 10 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 浅野 泰久
    2014 年 52 巻 10 号 p. 651-658
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2015/10/23
    ジャーナル フリー
    微生物や植物には,シアン代謝の酵素系「アルドキシム–ニトリル経路」が存在する.われわれは,微生物および植物において,アルドキシムやニトリルの代謝に関する種々の酵素を明らかにしてきた.微生物において,アルドキシム脱水酵素がニトリルの生合成にかかわることを示し,構造解析にも成功した.また,植物のヒドロキシニトリルリアーゼについては,広範な活性の探索および光学活性シアノヒドリン合成などへの利用研究を行った.キャッサバ(Manihot esculenta)由来のS-MeHNLについては,大腸菌での特異な可溶性発現の現象を発見し,そのメカニズムを推定した.本稿では,微生物および植物のシアン代謝経路の比較生化学研究を行い,それらに存在する酵素を巧みに用いて,有用物質合成に利用する研究の成果について解説する.
  • 長谷 純宏
    2014 年 52 巻 10 号 p. 659-664
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2015/10/23
    ジャーナル フリー
    突然変異は生物資源拡大の基礎をなすものである.近年,植物や微生物の新品種開発において,イオンビームを変異原とする突然変異育種「イオンビーム育種」が広く利用されるようになった.本稿では,イオンビームによって誘発される突然変異の特徴や産業利用の現状について紹介する.
  • 河岸 洋和
    2014 年 52 巻 10 号 p. 665-670
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2015/10/23
    ジャーナル フリー
    公園,ゴルフ場,住宅街などで,芝が輪状に周囲より色濃く繁茂し,時には成長が抑制されたり枯れたりし,後にキノコが発生する現象は「フェアリーリング(fairy ring,妖精の輪)」と呼ばれている.筆者らは,フェアリーリングを形成するコムラサキシメジが産生するフェアリーの正体(芝を繁茂させる原因)が2-アザヒポキサンチン(AHX)とイミダゾール-4-カルボキシアミド(ICA)であることを突き止めた.また,植物中でのAHXの代謝産物,2-アザ-8-オキソヒポキサンチン(AOH)を得ることにも成功した.これらの化合物(フェアリー化合物)は試したあらゆる植物に活性を示すことから,筆者は「これらの化合物は植物自身も作り出しているのでは?」と考えた.そして,それを証明し植物体内での生合成経路も明らかにした.フェアリー化合物はさまざまな作物の収量を増加させ,農業への応用が期待される.
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