化学と生物
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52 巻 , 12 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 森川 正章, 菅原 雅之, 鈴木 和歌子, 三輪 京子
    2014 年 52 巻 12 号 p. 799-804
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
    およそ60兆の細胞からなるヒトには100〜1,000兆もの細菌が住んでいることが近年明らかとなり,動物と微生物の深いかかわりが注目されている.一方,肥沃な土壌1グラム中には1~10億程度の細菌が含まれおり,植物と微生物ともやはり深いかかわりがある.植物根の周辺域いわゆる根圏や内生の微生物が植物の成長などに重要な役割を果たすことも古くから知られている.実に今から100年以上前の1908年のサイエンス誌に“Pure cultures for legume inoculation(マメ科植物の純粋培養)”という記事で細菌の影響の排除がいかに難しいかを論じている.このように土壌植物の根圏に関する研究は長い歴史をもち根粒菌や菌根菌をはじめとする多くの知見が蓄積されてきた.一方,水生植物と微生物とのかかわりに関する研究は歴史が浅くまだ未解明の点が多い.私たちは,水生植物の一つであるウキクサからその成長を顕著に促進する表層付着細菌を複数発見している.本稿では,これら水生植物成長促進細菌とその作用機構の特徴について解説する.
  • 忠村 一毅, 中原 健二
    2014 年 52 巻 12 号 p. 805-813
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
    自然免疫の受容体は,一般に,出会ったことのない病原体に対しても防御反応を誘導できるよう病原微生物に共通の分子パターンを認識する.ところが植物は,それに加えて強毒の病原体の毒性因子だけを特異的に認識する受容体をもち,これらが連携して病原体の毒性をも進化的に制御していることがジグザグモデルとして提唱されている.また,ウイルスに対してはRNAサイレンシングが自然免疫の役割を担い,同様に連携した自然免疫ネットワークを形成している.これらをカルモジュリン様タンパク質についてのわれわれの成果とともに解説する.
  • 八村 敏志
    2014 年 52 巻 12 号 p. 814-818
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/12/01
    ジャーナル フリー
    近年,食品成分が免疫系に作用することが示され,これらを利用した新規機能性食品の開発が進められている.腸管には最大級の免疫系が存在し,食品成分の作用を受けるのはこの腸管免疫系である.腸管においては,(1)経口摂取されたタンパク質抗原に対して免疫応答が抑制され,食物アレルギーの抑制機構とされる「経口免疫寛容」,(2)腸管粘膜における感染防御を担い,腸内共生菌を制御するIgA抗体分泌,そして(3)腸管バリアの防御に働くTh17細胞が誘導される,といった特徴的な免疫応答が誘導されることが知られるが,このような応答は,腸管に存在する独特の性質を有する免疫細胞によって担われることが最近の研究で明らかになってきた.本稿では,これら腸管特有の細胞群について紹介する(図1, 概念図で組織的な配置は考慮されていない).特にIgA抗体産生,および「経口免疫寛容」それぞれに重要な腸管樹状細胞について詳細に解説する.また,IgA抗体産生を増強することを見いだしたCD3-IL-2R+細胞や最近注目されている非血球系細胞として腸管免疫組織を構築するストローマ細胞についても紹介したい.また,これら腸管免疫細胞は,腸内細菌および食品成分の作用が注目される.腸内には,100兆個とも言われる腸内共生菌が生息しており,これらが免疫系の正常な発達,生体の恒常性に重要であることが明らかになってきている.これら腸内共生菌,さらに,プロバイオティクス,プレバイオティクスをはじめ,種々の食品成分は,これら腸管免疫細胞に少なからず作用すると考えられる.
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