化学と生物
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52 巻 , 6 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 蟹江 慧, 加藤 竜司
    2014 年 52 巻 6 号 p. 361-370
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    生物,特にヒトのような高等動物は体の仕組みが巧妙に整理されている.体は,構成する単位の小さいものから細胞,組織,臓器,器官と構成され,臓器一つをとってみても複雑ではあるが,組織という構成単位で美しく整列している.最近話題となっている再生医療は最小単位である細胞を用い,組織や臓器を作製することが最終目的であり,構成単位が乱れると患者に重篤な副作用を及ぼす.再生医療の考えの一つに組織工学があり,失った組織を細胞を用いることで構成させ,欠損組織を代替・再生させる.この考えのもと人工血管・人工心臓・人工骨・人工歯などの体内留置型医療機器が幅広く開発されてきている.しかし,これらの医療機器は再生というよりは代替の意味合いが強く,完全再生に至っていないため副作用を及ぼす.筆者らは,再生の答えが生体内に隠されており,生体を学ぶことにより解決策を生み出すのではないかと考えた.生体内には細胞の挙動を制御する分子として細胞外マトリックス (ECM:Extracellular matrix) が存在している.その中でもECMタンパク質をターゲットとし,ECMタンパク質を構成する小成分としてペプチドに着目した.本稿では,ペプチドアレイという機能性ペプチド探索ツールを用い,ある細胞には接着するが,ある細胞には接着しない細胞選択的に接着するペプチドを探索するいくつかの手法を紹介する.そして,ペプチドアレイを使用した探索手法を通し,ECM中に存在するペプチドと細胞選択性に関して考察し,ペプチドアレイ探索による生命現象の解釈と再生促進型医療機器開発の可能性に関して述べる.
  • 山田 隆
    2014 年 52 巻 6 号 p. 371-379
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    病原菌を自然界の天敵ファージを用いて駆除する技術(ファージセラピー,ファージバイオコントロール)の研究・技術開発が欧米を中心に急激に再燃している.長年の抗生物質を中心とした薬剤使用によって自然界に蔓延した膨大な薬剤耐性菌への対応策である.すでにファージによる多剤耐性菌感染治療の成功例が蓄積し,微生物ウイルス国際学会(第一回,2010年6月パスツール研究所,フランス;第二回2012年6月ブリュッセル,ベルギー)での主要トピックスとなり,大きな潮流が起ころうとしている.本稿では,農業分野で大きな問題となっている青枯病のコントロールをめざして,ファージを利用した「診断・予防・防除」システムの開発動向を紹介する.特に巨大ファージRSL1と繊維状ファージRSM1–3を用いた持続的な病原菌制圧と植物予防効果について解説する.
  • 丸山 大輔, 東山 哲也
    2014 年 52 巻 6 号 p. 380-386
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    一つの卵に対して一つの精子が受精すること,これは一部の例外を除き,正しく次世代の個体を形作るうえで必須の条件である.動物の卵は熾烈な競争を勝ち抜いた最初の精子だけを受精させる,多精拒否という仕組みを備えている.植物の生殖においても,卵細胞を内部にもつ胚珠に対して,精細胞を運ぶ花粉管が通常1本しか侵入しないように調節する「多花粉管拒否」現象が存在する.本総説では,この細胞レベルのメカニズムと,受精の成功率を高める植物の戦略について解説する.
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