化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
52 巻, 9 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
今日の話題
解説
  • その発見から作用機序解析まで
    小山 信裕, 供田 洋
    2014 年 52 巻 9 号 p. 574-581
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2015/09/01
    ジャーナル フリー
    β-ラクタム薬imipenemの抗MRSA活性を回復させる化合物の探索過程において,放線菌の代謝産物中よりラブダン骨格とシステインからなる新規化合物cyslabdanを発見した.Cyslabdanは細胞壁peptidoglycan生成に関与するFemAと結合し,その活性を阻害することによりimipenemの抗MRSA作用を賦活化することを明らかにした.Cyslabdanは,FemAに対する初めての低分子阻害剤であり,新たな抗MRSA薬開発のリードとなることが期待される.
  • 藤巻 秀
    2014 年 52 巻 9 号 p. 582-587
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2015/09/01
    ジャーナル フリー
    RI(ラジオアイソトープ)は決して昔の実験手段ではない.近年,植物研究分野におけるRIの「イメージング技術」が大きく成長を遂げ,多様化している.関心対象の元素の動きをビデオカメラのように非破壊的に捉えることが可能となり,植物が土壌や大気から栄養元素や有害元素を吸収し,輸送し,蓄積する機能を解明する新しい方法論として,注目を集め始めている.本稿では,最新の研究例とともに,植物RIイメージング技術の現在の課題と未来像を概説する.
  • 新しい機能への展望
    山下 晋司, 中川 寅, 海老原 章郎, 鈴木 文昭
    2014 年 52 巻 9 号 p. 588-593
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2015/09/01
    ジャーナル フリー
    (プロ)レニン受容体は,血圧調節を担う酵素レニンおよびその不活性前駆体プロレニンに結合する受容体として2002年に同定された(1).この結合に伴い,プロレニンの活性化と細胞内へのシグナル伝達が起こることがわかった.この受容体の発見によって,電解質レベルや昇圧調節機構であるレニン・アンジオテンシン系の役割や,不活性前駆体であるプロレニンの機能の理解が大きく進展した.ごく最近,(プロ)レニン受容体が発生や細胞増殖などの生体活動の本質的な部分で機能することが明らかになり,(プロ)レニン受容体の機能的多様性に立脚した研究のパラダイムシフトがまさに起ころうとしている.
  • バイオフィルムとその解析技術
    稲葉 知大, 清川 達則, 尾花 望, 豊福 雅典, 八幡 穣, 野村 暢彦
    2014 年 52 巻 9 号 p. 594-601
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2015/09/01
    ジャーナル フリー
    微生物の集団形成に関する研究はこの30年あまりで大きく進展し,微生物が意外にも“社会的”な生物であることが徐々に明らかとなってきている.微生物による社会集団の形成は今や微生物研究における大きなムーブメントの一つであり,重要な研究分野となっている.本稿では,微生物の集団であるバイオフィルムについて,その形成プロセスとメカニズムに焦点を絞り解説する.
セミナー室
化学の窓
生物コーナー
feedback
Top