(プロ)レニン受容体は,血圧調節を担う酵素レニンおよびその不活性前駆体プロレニンに結合する受容体として2002年に同定された
(1).この結合に伴い,プロレニンの活性化と細胞内へのシグナル伝達が起こることがわかった.この受容体の発見によって,電解質レベルや昇圧調節機構であるレニン・アンジオテンシン系の役割や,不活性前駆体であるプロレニンの機能の理解が大きく進展した.ごく最近,(プロ)レニン受容体が発生や細胞増殖などの生体活動の本質的な部分で機能することが明らかになり,(プロ)レニン受容体の機能的多様性に立脚した研究のパラダイムシフトがまさに起ころうとしている.
抄録全体を表示