微生物による有用物質生産を実現するには,代謝を効率よく改良する必要がある.宿主の選定,異なる生物からの遺伝子獲得および導入,不要な遺伝子や代謝経路の削除による生産収率や生産性の変化などについて,予測するための計算機プラットフォームがあれば有意義であろう.また,デザイン指針に基づいて構築した細胞が望みどおりのパフォーマンスを示すかどうか,代謝の流れが達成さているかを実験的に評価することも重要である.
13C同位体を標識した化合物を炭素源として細胞内に取り込ませ,
13C標識の代謝物質中の濃縮度を観測することで,どの代謝反応が実際に活性化しているかを決定することが可能である.本稿では,このような代謝デザインと
13C代謝フラックス解析法の解説とその物質生産への応用について述べる.
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