化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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54 巻, 2 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 冨田 宏矢, 横大路 裕介, 跡見 晴幸
    2016 年 54 巻 2 号 p. 85-93
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    アーキアは真核生物やバクテリアとは区別される第3のドメインを構成し,真核生物やバクテリアには見られない数多くの生命機能・生命機構を有する.本稿では全生物に共通して存在する補酵素Aに焦点を当て,アーキアにおけるその生合成経路や制御機構の興味深い特徴について,バクテリアや真核生物のものとの違いを中心に紹介する.
  • 川口 正代司
    2016 年 54 巻 2 号 p. 94-101
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    マメ科植物と根粒菌の共生は地球上で最も成功した相利共生の一つである.この共生により,マメ科植物は窒素栄養分が乏しい環境でも生育することができる.一方,根粒の形成と窒素固定には多くの生体エネルギーが消費されるため,根粒の着生数は植物によって厳密に制御されている.この制御には根粒形成のオートレギュレーションと呼ばれる制御系が深くかかわっており,これは葉と根の遠距離コミュニケーションによって構成されている.オートレギュレーションの現象の発見から,今日の分子レベルでの理解まで,遠距離コミュニケーションの全容について紹介する.
  • 西村 敏英, 江草 愛
    2016 年 54 巻 2 号 p. 102-108
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    「こく」は,現在,おいしさと同義語で使用されている場合が多い.しかし,「こく」は,味,香り,食感,色,艶と同様に,それぞれの食べ物が有する特性の一つであり,おいしさを決める要因である.「こく」には強弱が存在し,それぞれの食べ物に適した「こく」の強さでおいしさが付与される.「こく」は,食べ物の持つ味,香り,食感による複数の刺激から形成される複雑さによる特性である.これらの複数の刺激は,その食べ物の特徴を決める味わいのベースとなる部分であり,さらに持続性や広がりが付与されたときに「こく」が感じられる.このベース部分からできる味わいに持続性や広がりを与えることができる重要な成分として,現在,うま味物質と油脂が挙げられる.このうち,うま味物質は,味や香りからなる風味質を強くすると同時に広がりや持続性を与える.また,油脂は香気成分を保持することで,「こく」の特性である持続性を与えることができることがわかってきた.
  • 山形 洋平
    2016 年 54 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    黄麹菌Aspergillus oryzaeのゲノム解析の結果,約130種のタンパク質分解酵素遺伝子が存在することが明らかとなってきた.この数は,同時期に発表されたAspergillus属のなかでは最大の数であった.麹菌タンパク質分解酵素の産業的重要性が高いことを考え,これらの酵素の酵素化学的性質を明らかにすることを試みている.これまでの結果からは,今までに麹菌では見つかっていなかった性質をもつ酵素がいくつも存在することがわかってきた.また,菌株による基質特異性の違いも示されてきた.これらの新しい酵素が産業的に利用されることを願って,麹菌タンパク質分解酵素の概要を解説する
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