化学と生物
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54 巻, 8 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 季節を測る分子メカニズム
    工藤 洋
    2016 年 54 巻 8 号 p. 548-554
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
    植物は決まった季節に花を咲かせる.このような生物の季節現象をフェノロジーと呼ぶ.分子フェノロジーは,分子生物学の技術によって捕捉される生物の季節現象である.特に,遺伝子発現定量法の最近の進歩によって,分子フェノロジー研究は活発となった.高解像度分子フェノロジー(HMP)データとは,高時間分解能をもつ,十分頻繁に観察された時系列データである.花成調節遺伝子のHMPデータの解析は,植物が気温の長期記憶を有することを示唆していた.さらに植物が,日長,長期気温,短期気温という3つのシグナルの位相差を利用して季節を感知している可能性について論じる.
  • 守屋 央朗
    2016 年 54 巻 8 号 p. 555-561
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
    細胞の機能は数千種類のタンパク質が協調的に働くことで達成される.それぞれのタンパク質の発現量はどのように決まっているのだろうか,またその量が変化したときに何が起きるのだろうか? 本稿では,主に酵母を対象として,近年のオーミックスデータや筆者らのタンパク質発現限界のシステマティックな測定結果などを通じて,細胞がタンパク質発現リソースをどのように配分しているのか,細胞がどれくらいのタンパク質発現のキャパシティをもっているのかという視点で細胞を眺めてみたい.なお,本稿のデータや図の一部は,最近筆者が執筆した文献1から引用している.詳細な内容についてはそれも合わせて参照していただきたい.
  • 田代 美希, 梅野 太輔
    2016 年 54 巻 8 号 p. 562-567
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
    テルペノイド化合物の効率的な微生物生産を目指した研究が,近年盛んに行われている.代謝工学の進展に伴い,テルペノイド・テルペン類の生物生産におけるボトルネックは,テルペノイド生合成酵素そのものに移り始めている.本稿では,さまざまなテルペノイド生合成酵素活性のスクリーニング技術を紹介するとともに,テルペノイド生合成にかかわる酵素の活性改良研究の現状について概説する.
  • 藤井 渉
    2016 年 54 巻 8 号 p. 568-574
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
    近年注目を集めているゲノム編集技術は,従来では作製コストや労力を要したゲノム改変細胞・生物の作製を容易とし,その汎用性を拡張することで,生命科学における逆遺伝学的研究アプローチの加速化に大いに貢献している.農学分野でもさまざまな利用が進んでいるが,その一方で,今後解決すべき技術的課題が次第に明らかになりつつあり,応用分野によっては社会的議論を呼んでいる.本稿では,ゲノム編集技術の理解に必要な基礎情報や応用を解説するとともに,農学応用のための課題について提案する.
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