化学と生物
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60 巻, 4 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • シクロペンテノンの不斉合成
    齊藤 巧泰, 山田 徹
    2022 年 60 巻 4 号 p. 168-175
    発行日: 2022/04/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    化合物が不斉炭素原子を持つ場合には,鏡像異性体(エナンチオマー)が存在し,鏡像異性体はしばしば互いに異なる生理活性を示すため,各々を分離して分析・使用することが極めて重要になる.一方の鏡像異性体を選択的に合成できれば分離の手間が省けるため,有機化学の視点からは不斉合成反応の開発が重要な課題となり,現在まで進展を遂げてきた.この解説では,シクロペンテノン誘導体の代表的合成法であるナザロフ環化反応について,触媒的不斉合成および不斉転写反応を含む基質制御を利用した不斉制御について最近の例を中心に述べる.また,ナザロフ環化反応を含む電子環状反応に独自の不斉発現メカニズムに関しても解説する.

  • LC-MS/MSによる精密定量法を基盤とした研究
    乙木 百合香
    2022 年 60 巻 4 号 p. 176-181
    発行日: 2022/04/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    プラズマローゲンは,アルツハイマー病予防の効果が期待されている生体脂質の一つである.細胞膜のリン脂質のうち約20%がプラズマローゲンであり,われわれにとってもたいへん身近な脂質である.にもかかわらず,プラズマローゲンの生体内での機能やアルツハイマー病病態への影響などの詳細はいまだ不明な点が多い.その理由として,高精度なプラズマローゲン分子種分析が達成されていなかったことが挙げられる.高精度な分析法構築には,標準品や細かい作業の最適化などたいへん地味な工程が多いが,科学的根拠に基づく研究に不可欠である.そのような信念のもと行ってきたわれわれの研究について簡単に紹介したい.

  • 土壌病害に強い微生物叢をつくる
    西岡 友樹, 清水 将文
    2022 年 60 巻 4 号 p. 182-188
    発行日: 2022/04/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    植物病害による農業損失を防止しつつ,化学農薬によるヒトや環境への負の影響を低減することは,持続可能な食料システムを構築する上で重要な課題となっている.現在,世界では,化学農薬の補完・代替技術として,微生物叢の改変による病害防除法の研究が精力的に進められている.本稿では,土壌病害の防除を目的とした微生物叢改変技術に関する研究の動向と知見を,筆者らの研究を交えながら紹介する.

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