化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
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62 巻, 8 号
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巻頭言
今日の話題
解説
  • 生細胞内代謝の可視化技術
    今村 博臣
    2024 年62 巻8 号 p. 369-377
    発行日: 2024/08/01
    公開日: 2025/08/01
    ジャーナル フリー

    代謝は,自身に必要な物質やエネルギーを得ると同時に不要な物質を廃棄するという,生命を維持するための極めて根源的なプロセスである.代謝の破綻は様々な人間の疾病と深く関わっている.また,人間は微生物や植物の代謝を利用して多様な有用物質を得ている.代謝を理解するためには代謝を計測する技術が欠かせない.本稿では,近年発展している遺伝子コード型蛍光バイオセンサーを用いて生きた細胞や個体の代謝状態をイメージング技術について解説する.

  • 糖鎖の1細胞解析
    小高 陽樹, 舘野 浩章
    2024 年62 巻8 号 p. 378-386
    発行日: 2024/08/01
    公開日: 2025/08/01
    ジャーナル フリー

    微生物から哺乳類細胞に至るまで,全ての細胞の表面は糖鎖という生体物質によって覆われている.糖鎖は単糖が鎖状に連結した物質であり,細胞内外において生命に必須の役割を担っている.また糖鎖は細胞同定のための目印(細胞マーカー)や創薬標的として利用が進んでいる.しかし糖鎖は構造が複雑,多様で,解析するには多くの時間と労力が必要であった.レクチンを用いた糖鎖プロファイリング技術は複雑な細胞・組織の解析に利用されてきた.さらに最近では1細胞ごとの糖鎖と遺伝子を同時解析する技術が開発された.本稿ではレクチンを用いた糖鎖プロファイリングについて解説する.

  • その生合成経路と役割
    八波 利恵
    2024 年62 巻8 号 p. 387-392
    発行日: 2024/08/01
    公開日: 2025/08/01
    ジャーナル フリー

    死ぬまでに行きたい絶景スポット,本稿を読んでいる読者のうち,実際に訪れたことがある方はどれぐらいいるのだろうか.かくいう筆者も,写真や映像の中で楽しむことしかできていない.このうち,ボリビアにある「ウユニ塩湖」は多くの方が一度は見聞きしたことがあるのではないだろうか.見渡す限りの広大な白銀の塩原.塩湖全体の高低差がわずか50 cm以内という「世界で最も平らな場所」であるウユニ塩湖では,降った水が外部に流れることなく大地に薄く膜を張るため,空を湖面に映し出す「天空の鏡」と呼ばれる神秘的な絶景が現れる.ここに生息する生き物はフラミンゴが有名であるが,この他,塩を好む微生物「好塩菌」も生育している.本稿では,好塩菌のうち特に筆者が研究対象とする高度好塩性古細菌について,その生育環境および生産するカロテノイドを中心に解説する.

  • つくって見るか,そのまま見るか
    比能 洋
    2024 年62 巻8 号 p. 393-400
    発行日: 2024/08/01
    公開日: 2025/08/01
    ジャーナル フリー

    あらゆる細胞の表層は糖鎖で覆われており,他の生物や細胞はこの糖鎖の違いを見分けて連携や攻撃する相手を選択する.この糖鎖の違いはABO血液型やO157血清型に代表されるように同一種内の差別化を生み出すこともあれば,癌抗原のように常に存在するものが状況に応じて変化するものもある.このような糖鎖型(グリコタイプ)は生物学的に多様化し,経験(疫学)的に発見・利用されてきたが,糖鎖構造の違いを反映するため,化学構造でその違いを見分けることができる.ここでは糖鎖多様性とこれを化学的に読み解く技術の沿革と共に,糖鎖自動合成法と糖鎖自動分析法の開発から始まったコンセプト技術「グリコタイピング」について概説する.

バイオサイエンススコープ
追悼
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