本論文は, 消費者が持つ製品品質への向上, 改善期待に対して, 企業が潜在, 顕在的に保有している技術力をもって, どこまで適合できるのかの度合「貢献値」を機軸に, 製品企画を行う段階で, より適切に意思決定するための活用研究報告である。
貢献値は, 消費者が製品品質を評価する際に考慮する品質項目の上位概念に相当する少数の次元「評価因子」のそれぞれに期待される強さの度合「寄与率」と, この期待にどこまで設計品質改善が図れるかの度合「設計品質改善係数」との積で表す。
この貢献値を達成できる製品品質に対し, 消費者はどこまで「コスト」を支払う可能性があるかを予測, これと貢献値を用いて製品企画段階で, 消費者が期待する製品価値を把握する。
この「貢献値」を用いた製品価値の大小により, 製品企画の良悪を判断し, より良い商品コンセプト設定のための有効な指標と成し得ることを示唆した。
抄録全体を表示