東京湾における窒素とリンの収支を,各月の観測データをもとにボックスモデルを用いて見積もった。上層におけるDIN(溶存無機態窒素),PO
4-P(リン酸態リン)の消費は,ともに成層期に大きく,混合期に小さかった。下層におけるDINの生産は成層期に小さく,混合期にやや大きいが,一方PO
4-Pの生産は成層期に大きく,混合期に小さかった。海底へのTN(全窒素),TP(全リン)の堆積は両者とも成層期に大きく混合期に小さい傾向を示すが,TPの堆積はTNに見られるほど大きくはなかった。また,陸上からのDIN,PO
4-Pの負荷に対する下層の生産は,周年平均でそれぞれ48%,146%であり,特にPO
4-Pで大きかった。以上のような窒素とリンの挙動の相違は,成層期にPO
4-Pが海底から溶出することに起因すると考えられる。
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