海の研究
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25 巻, 5 号
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原著論文
  • 西川 悠, 碓氷 典久, 蒲地 政文, 田中 裕介, 石川 洋一
    2016 年 25 巻 5 号 p. 133-144
    発行日: 2016/09/15
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    多くの魚にとっての索餌場である春季の黒潮続流域上流の餌環境は,主として基礎生産量によって決定されている。したがって、各年の漁業資源量の予測精度を向上させるためには、基礎生産量の経年変動メカニズムを解明する必要がある。最近,親潮水が黒潮続流フロント周辺で黒潮水の下に潜り込んで層構造が形成されている所は,光合成に好適な環境であって,黒潮続流域の中でも特に生産性が高いことが報告された。この結果は,黒潮水 親潮水二層構造が形成される海域の面積の多寡が黒潮続流域上流の基礎生産量と密接に関連している可能性を示唆している。このことを,高解像度の再解析データから計算した黒潮水 親潮水二層構造の分布面積と衛星によるクロロフィルa 濃度の各々の経年変動間の相関解析によって調べた。その結果,両者の間には有意な正の相関関係が存在し,黒潮水親潮水二層構造の分布面積が大きな年ほどクロロフィルa 濃度が高いという関係が見出された。

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