海の研究
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26 巻, 2 号
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総説
  • ─20年間の功績と今後の展望─
    藤井 陽介, 蒲地 政文, 広瀬 直毅, 望月 崇, 瀬藤 聡, 美山 透, 広瀬 成章, 長船 哲史, 韓 修妍, 五十嵐 弘道, 宮澤 ...
    2017 年 26 巻 2 号 p. 15-43
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2018/09/20
    ジャーナル フリー

    第2 回世界気象機関(WMO)大気・海洋データ同化シンポジウムが東京で開催され,それをきっかけにデータ同化夏の学校が開始されたのは1995年のことである。それから20年あまりの間に,日本における海洋データ同化の研究は,黒潮大蛇行の予測の成功や4次元変分法大気海洋結合データ同化システムの開発など,世界に伍する成果を上げてきた。そして現在では,海況予測等を目的とした海洋データ同化システムが現業的に運用され,そのプロダクト(あるいは,海洋再解析データ)が,海洋・気候研究の他,漁業や防災,沿岸保全に資する情報として,広く提供されるようになっている。本稿では,日本の海洋データ同化研究のこれまでの成果や,海洋データ同化プロダクトの現状,現在の課題とそれを解決するための研究について総括し,今後の継続的な発展のために何が必要かについて議論する。

2016年度日本海洋学会岡田賞受賞記念論文
  • 杉本 周作
    2017 年 26 巻 2 号 p. 45-61
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2018/09/20
    ジャーナル フリー

    海洋表層には黒潮のような大規模循環があり,海域に固有の水温や塩分などで特徴付けられる水塊が分布する。筆者は,西部北太平洋亜熱帯域を対象に,海洋表層変動およびその気候変動における役割についての理解を深めるために解析的研究に取り組んできた。一連の研究を通して,(1) 冬季海面水温偏差再出現現象の三次元構造の理解,(2) 北太平洋中央部に存在するアリューシャン低気圧の南北位置変化に起因した傾圧海洋ロスビー波が北太平洋亜熱帯モード水の形成量や日本南方での黒潮流量・北太平洋中層水分布に及ぼす影響の評価,(3) 黒潮続流の流路形態変動の解釈,(4) 黒潮・親潮混合水域での大気海洋間熱交換関係における海洋表層の役割の解明などを行ってきた。本稿では,これらの研究内容について概説する。

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