北太平洋の上層には海上風が駆動する二つの大きな海洋循環,北太平洋亜熱帯循環と北太平洋亜寒帯循環が存在し,それら風成循環の西端部には黒潮・黒潮続流や東カムチャツカ海流・親潮といった大規模な海流が流れている。また,北太平洋亜熱帯モード水,北太平洋中央モード水,北太平洋回帰線水といった水塊が広く厚く分布している。筆者はこれまで,そうした海流や水塊に注目して北西太平洋上層の変動や変化を研究してきた。特に,日本の南における黒潮の流量の変動,日本の東を流れる黒潮続流の流路の変化,日本の東における親潮の勢力の変化,及び北太平洋亜熱帯モード水,北太平洋中央モード水,北太平洋回帰線水の形成・分布や海水特性の変動や変化を詳しく調べてきた。本稿では,それら一連の研究を概説する。