化学工学論文集
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11 巻, 2 号
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  • 傳 慶一, 中山 睦夫, 今村 恵泰
    1985 年 11 巻 2 号 p. 127-133
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    垂直上昇気液二相流の流動様式のうち, 環状流領域を用いた上昇薄膜反応装置の気液有効界面積の測定を行った.操作条件の範囲は, 環状流領域でも液ホールドアップが極端に小さい薄膜上昇流となる条件である.また液の物性値, すなわち粘度および表面張力の液膜挙動への影響をみた.その結果, 気液有効界面積α(m2/m3-装置容積)は, 操作条件, 反応管径および流体物性値等の影響を総合的に含むと考えられるエネルギー消散項ε(kPa/s)によって関係づけられた.α=57ε0.412・εは, (単位長さあたりの圧力損失)×(ガス速度)で表されるが, 測定範囲は圧力損失が1.1~17.5kPa/m, ガス速度が15~50m/sである.なお液が薄膜を形成する条件として液ホールドアップが2~6%となるような気液の体積流量比で測定を行った。
  • 森 英利, 木村 典夫, 新垣 勉, 外山 茂樹, 白戸 紋平
    1985 年 11 巻 2 号 p. 134-139
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粒子充てん層フィルタの拡散支配領域における初期捕集効率の簡便な推定法を得るために, 充てん層内の流れを表す桑原・Happelのセルモデルを用いた単一球あたりの捕集効率の推定式を提案した.また捕集効率に及ぼす重力の影響を調べるために, エアロゾルの流れが下降流の場合と上昇流の場合とについて捕集実験を行い, その透過率の違いと重力パラメータとの関係を求めた。
    単一球あたりの捕集効率は, 本報で示した拡散さえぎり捕集効率と重力捕集効率の和として与えることにより推定することができ, 種々な粒子径の球形粒子の充てん層によるエアロゾルの捕集実験結果は, 濾過速度us=0.2~20cm/s, エアロゾル粒子径dp=0.31~2μmおよび充てん粒子径dc=88~4300μmの範囲で推定結果とよい一致を示した。
  • 大谷 敏郎, 渡辺 敦夫, 星野 智巻, 木村 尚史
    1985 年 11 巻 2 号 p. 140-146
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    セラミックを支持体に用いたダイナミック膜を限外濾過法(UF)に応用する研究は, 現在までほとんど行われていなかった.そこで, 本報告ではダイナミック膜のUFへの可能性を検討した.
    たんぱく質の一種であるオボアルブミン(卵白アルブミン)をセラミック支持体に付着させ, ダイナミック膜を形成させたところ, 循環するオボアルブミンの濃度に応じた透過流束(flux)と分画分子量分布を持つUF膜が得られた.
    濃度分極の補正を試みたところ, 流速変化法から求めた物質移動係数は, Le vequeの相関式と良く一致したので, Le vequeの式を用いて, みかけの排除率による分画分子量分布を真の排除率に補正した.その結果, 異なったみかけの排除率を持ついずれのオボアルブミン膜も, ほぼ同じ真の排除率を持つことが明らかになった.
    したがって, 本実験で用いたオボアルブミンによるダイナミック膜は, 限外濾過膜として十分な機能を持つと考えられた.
  • 奥村 弘一, 菅 健一
    1985 年 11 巻 2 号 p. 147-154
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応に対する反応機構を検討し, 定式化した.アミロペクチンの構造分析の結果より, 房状モデルに基づいた簡単なモデル構造を決定した.また, グルコアミラーゼによるアミロペクチンの非還元末端からのexo型分解反応に対して, 分岐点の分解パターンを考慮に入れたMichaelis-Menten型の反応機構を考えた.上述の簡単なモデル基質構造および反応機構から, グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応に対する反応速度式を得た.反応速度式中の速度パラメータ(Michaelis定数Km,iおよび分子活性k0,1)はアミロースの分解反応に対して得られた結果に基づいて実験式により定式化した.
    グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応における反応率および分岐結合(α-1,6結合)濃度の経時変化に対して, 前述の反応速度式による計算結果は実験結果とかなり良く一致した.
  • 高橋 満男, 横山 千昭, 高橋 信次
    1985 年 11 巻 2 号 p. 155-161
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気体R113, R114, R115の粘性率を273.15~473.15K, 最高7MPaまでの圧力範囲で, 回転振動円板法により測定した.実測粘性率を各物質について温度・密度の関数として一つの式により表すことができた.また常圧における粘性率の各温度における実測値を用いて, Lennard-Jones 12-6ポテンシャルの分子間力定数を次のように定めた.
    R113 : ε/k=240.1K, σ=0.6521nm.
    R114 : ε/k=233.6K, σ=0.6146nm.
    R115 : ε/k=201.9K, σ=0.5876nm.
  • 白戸 紋平, 村瀬 敏朗, 山崎 春夫, 岩田 政司, 稲吉 正人
    1985 年 11 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    濾過ケークが生成しないダイナミック濾過では, スラリーの強い勇断力を濾材面に作用させることが必要となる.溝付回転円板を透過がない円筒状の炉室内部で回転させ, ポリメチールメタアクリレイトをトレーサー粒子に用いて, 浜室内部の2次元的な液の流動機構を考察した.
    回転円板と濾材間の流れは, 2つの境界層および核流部の3つの領域に分けることができる.これら3領域の周方向および半径方向分速度は, 溝付ローターを高速回転させることによってかなり著しく増加するが, この速度変化に及ぼす放射状溝のピッチl, 溝幅aおよびレイノルズ数Reの影響は, 核流部とローターの周速度の比Kの増加で評価できた.周速度比Kは無次元量(Re・a/l)とReの関数となり, 本報の実験式を用いれば濾室内部の速度分布を近似計算できる.また, (Re・a/l)=2.5×103~1.4×105の範囲において, 濾材面の圧力分布がこのK値を用いて推定できることも示した.
  • 設楽 琢治, 松本 繁, 鈴木 睦
    1985 年 11 巻 2 号 p. 168-174
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    積層材料内の非定常温度分布を数値逆ラプラス変換の手法を用いて計算した.この方法は, 100枚程度の積層材に対しても実用可能であり, また, 多種類の構成要素からなる積層材に対しても適用できる.温度分布は, 特に時間の小さな所で, 表面の構戒要素の熱物性の影響を強く受け, 均質材の分布とは大きく異なる.このような物質のみかけの温度拡散係数は, 観測時間の他に, 構成要素の枚数によっても異なるため, 一意的には定まらない.
  • 固定層型イオン交換装置における樹脂再生周期の最適化
    福林 幸雄, 欅田 栄一, 安岡 弘陽, 中西 英二
    1985 年 11 巻 2 号 p. 175-179
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    連続式プロセスにおいて, そのプロセス内で使用される各種装置の性能が時間とともに低下することがある.性能がある程度低下すると, プロセスを休止し装置の取り換えあるいは性能の復活を行わなければならない.このような半連続式プロセスを, 循環をもつ3段の過程すなわち装置の使用に伴って性能が低下する期間, 低下した性能を復活するに要する期間および生産に直接関与しない期間とみなしてモデル化を行い, 各段における状態の変化が常微分方程式で記述される場合について, 再生のために必要な時間をも含めた単位時間当りの生産量を最大にする問題を解析した.そして, その結果を陽イオン交換樹脂(Amberlite IR 120B)と陰イオン交換樹脂(Amberlite IRA 410)とを混床とした固定層型脱イオン水製造プロセスに適用し, 小型の実装置について実測された樹脂再生条件データに基づいてこの装置の最適再生周期を決定した.
  • 村上 光正
    1985 年 11 巻 2 号 p. 180-185
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    電気伝導度法による塩濃度測定法とマイクロコンピュータ制御を組合せることによって, 複数プルーブで塩濃度を測定する方法を提案した.
    マルチプレクサを用いて, 各プルーブに順次方形波電圧を印加した.プルーブからの検出信号は, 増幅, ピークホルド, A/D変換を行い, 最後に256Kバイトの外部RAMにメモリさせた.計測制御プログラムにはマシン語を使用した.
    このシステムの性能は32チャンネル, サンプリング周期100μsec/チャンネル, 応答時間50μsec, 安定度±0.15%, 精度±05%, 測定範囲200~3500mg NaCl/l (または50~1200mgNaCl/l)であった.
    測定データは, メインルーチンがBASIC言語からなるプログラムで処理し, 塩トレーサーの濃度偏差, 等塩濃度曲線図などをプリントできるものとした.
  • 神谷 秀博, 椿 淳一郎, 神保 元二
    1985 年 11 巻 2 号 p. 186-192
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粉体層の疲労破断現象は, 著者らにより存在が確認され報告されているが, 本論文はこの現象をさらに定量的に考察するため, 広い負荷回数範囲で負荷応力と疲労寿命の関係 (S-N関係) を求めたものである.実験は動的繰り返し引張り応力を粉体層に負荷するために振動を用いて行い, 実験セルは, 垂直セルと二分割セルを用いた.振動周波数は5~300Hzで行い, 関東ローム粉, 溶融アルミナ粉, ラクトース粉を試料として用いた.得られた結果は, 疲労破断寿命に関する統計的解析を行い定量的考察を試みた.結論としてどの材料でも106回以下の有限負荷回数範囲であるが破断の起こる応力の下限値(耐久限)の存在が応力比0.7程度で認められた.疲労破断寿命分布はワイブル分布によって表現され, 他材料に比べ疲労寿命分布が広いことを定量的に示し, また得られたS-N関係は, 傾斜部と水平部の2つの領域に区分されることを指摘した.
  • 清水 健司, 遠藤 千恵, 久保田 徳昭, 米本 年邦, 只木 〓力
    1985 年 11 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    種晶を用いる回分式工業晶析や実験的研究における種晶前処理の重要性を示した.洗浄方法および保存条件 (湿度, 期間) 等が異なる種晶を過飽和溶液に投入しイニシャルブリーディングメカニズムにより発生した2次核の数を測定した.2次核発生数は洗浄によって減少した.メタノール水溶液で洗浄した種晶からの2次核発生数は, 洗浄しない種晶の場合の約1/5に減少し, 蒸留水で洗浄した種晶の場合はほとんど発生しなかった.また, 高湿度に長期間保存することによっても2次核発生数は減少した.湿度約92%の暗室中に3日間保存した種晶からの2次核発生数は, ふるい分け直後の種晶の場合の約1%に減少した.これらの原因は, 走査型電子顕微鏡による種晶表面の観察から, その表面上の微結晶の消滅によるものであることが確認できた.
  • 松井 貞, 原納 淑郎
    1985 年 11 巻 2 号 p. 198-202
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    種晶無添加のKBrO3水溶液における準安定域幅ΔTmに与える攪拌速度Nrの影響を一定冷却速度bで測定し, 先に提案した非等温解析法で検討して次の結果を得た.
    種晶無添加の攪拌溶液での核化現象の解明にEq. (1) は有用である.
    In(b/V)=In(k2/Nobs)-InB-MTTs/ΔTm2 (1)
    MT=M3 (2)
    ここで, V, B, TsM0はそれぞれ試料溶液の体積, 経験的に得られる定数, 飽和温度および溶質の物性値で決まる定数である.
    ΔTmbNrにはなはだしく影響される.Nrが増加すると, ΔTmは減少(領域I), 増加(II), ついで減少(III) するが, それは結晶の表面エネルギーσが変化するからでなく, 頻度因子k2の変動に起因する.これらの攪拌効果について若干の考察を行った.
  • 高尾 征治, 山崎 博司, 村上 泰弘
    1985 年 11 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    少量の液体Aを多量の液体Bに供給する実験系において物理混合と瞬間反応の両実験を乱流域で行い, 槽内の72点で局所濃度を測定することにより得られた混合特性を比較した.まず, KClトレーサーおよび生成物の濃度に関する確率密度分布を計算し時間的変化の特性を示した.次に, KClトレーサーおよび生成物の局所濃度の最終平均濃度からの偏差が±2%となるに必要な時間として定義した混合時間に関する確率密度分布を計算し, 得られた分布形状, 変動係数と平均混合時間を比較した.さらに, 瞬間反応の平均未反応率はいずれの回転数でも平均濃度で規格化した偏差度Dd'や標準偏差度√Is'より速く減少するが, 完全分離状態の一次濃度偏差の絶対値で規格化した偏差度Ddには槽内平均濃度の物質収支を精度よく測定できる時間以降一致するようになることがわかった.したがって, Käppelの理論は流体AとBの体積分率が極端に異なる系でも乱流域で成り立つと言える.
  • 神谷 秀博, 椿 淳一郎, 神保 元二
    1985 年 11 巻 2 号 p. 210-216
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粉体層の疲労破断現象は, 既に著者らにより負荷応力-疲労寿命関係(S-N関係)について統計的に解析されている.本論文は, この結果に基づいて疲労破断過程を考察するために繰り返し負荷により生じる変位量の増加過程を検討したものである.実験は, 動的繰り返し引張り応力を粉体層に負荷するため, 二分割セルおよび振動台を用いて行った.振動周波数は, 5, 20Hzで行い関東ローム粉, 溶融アルミナ粉, ラクトース粉を試料として用いた.
    得られた結果より, 変位量の増加過程が三区間に分かれることを確認し, 増加過程途上の変形挙動から寿命値を推定できる実験式が得られた.また, 既報で求めたS-N曲線における傾斜部と水平部の区分による変位量の増加過程の違いが整理された。
  • 永田 良一, 山崎 明治, 神谷 英和, 権藤 晋一郎
    1985 年 11 巻 2 号 p. 217-222
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    酵母から得たウリカーゼによる尿酸の分解に関して, pH7.0のトリス・ホウ酸緩衝液を用いてアラントインおよび過酸化水素の影響, ウリカーゼの活性経時変化および尿酸濃度の経時変化の測定と結果の解析を行った.尿酸分解実験は温度15, 25および35℃, 尿酸初濃度1.0×10-3, 3.0×10-3および5.0×10-3mg/cm-3, ウリカーゼ初濃度3.7×10-4~7.4×10-3mg/cm3で行い, 尿酸の最終分解率は約34~92%の範囲であった.結果はつぎのとおりである.
    1) アラントインおよび過酸化水素は尿酸分解に阻害作用を及ぼさない.2) ウリカーゼの活性経時変化を分数式あるいは一次式で表すことができた.3) ウリカーゼの活性経時変化を考慮した速度式と尿酸分解の実測値を用いて式中のパラメータの値を推定した.その速度式と得られたパラメータ値を用いた尿酸分解過程のシミュレーションは実測値と比較的よく一致した.
  • 上和野 満雄, 斎藤 文良, 田中 裕敏, 鳥谷部 浩義, 金木 則明, 原 弘, 三谷 知世, 海野 肇, 明畠 高司, 三宮 晃, 親木 ...
    1985 年 11 巻 2 号 p. 223-245
    発行日: 1985/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 11 巻 2 号 p. 245a
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 11 巻 2 号 p. 245b
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 11 巻 2 号 p. 245c
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 11 巻 2 号 p. 245d
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
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