チタンテトライソプロポキシド (TTIP) を出発物質として, TiO
2微粒子の気相合成を行った.反応管内壁に析出したTiO
2の触媒作用によって, 510Kという低温でも合成が可能であった.反応温度, TTIP濃度などの反応条件によって, 生成粒子は, 非晶質, 結晶質 (アナターゼ), 多孔質, 無孔質と特性が変化した.形状は球型で, 平均粒径は反応条件によって0.1~0.5μm程度であった.内壁に析出したTiO
2を触媒とする反応の速度は, tangmuir-Hinshelwood型の速度式で良く表現することができる.粒子生成の機構は, 従来想定されてきたような均相核発生・成長機構ではなく, 器壁TiO
2上での開始反応, 均相核発生・成長, 凝集による粒子生成という機構であると考えられる.最大300m
2/gにも達する球型多孔質体の生成には, 凝集機構が重要な役割を果たしているものと考えられる.
抄録全体を表示