化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
11 巻, 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 沢田 達郎, 中村 嘉利
    1985 年 11 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    亜硫酸パルプ廃液中のリグニンのオゾン分解がpH, 温度, 供給オゾン濃度の操作条件の下で実験された.リグニンの分解のための効果的な操作条件が280nmのUV吸光度とシュウ酸の実験値の動的挙動から研究された.リグニンの分解速度はpHや温度の増加とともに増加した.酸性とアルカリ性では, シュウ酸の生成量が著しく異なることがリグニンの分解経路から考察された.T=288~323kとpH=4~12の範囲における実験値から, 280nmのUV吸光度Xは次式で与えられた.
    -dXdt=2.32×1013exp(-79000/RT)[OH-]0.12CzX0.5
  • 井戸川 清, 池田 光二, 福田 隆至, 諸岡 成治
    1985 年 11 巻 3 号 p. 253-258
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    直径5cmの気泡塔を用い, 塔内圧力が15MPa, 加圧条件下におけるガス流速が0.5~5cm・s-1の範囲で, 気泡の挙動を電気探針法で測定した.
    圧力の増加に伴い, ガスホールドアップと気泡頻度は増加するが, 気泡径は減少した.また, 圧力が5MPa以上となると気泡径の分布は狭くなり, ほぼ一様な大きさの気泡となった.
    気泡特性は常圧の場合, ガス分散器形式に大きく依存するが, 圧力の増加とともに, その影響の度合は減少し, 10MPa以上になると, 気泡特性に及ぼすガス分散器形式の影響は認められなかった.気泡の形状は圧力によらず一定であった.
  • 傳 慶一, 今村 恵泰, 武井 憲輔, 馬島 寛治
    1985 年 11 巻 3 号 p. 259-266
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    SO3ガスと乾燥空気の混合気体による液状有機化合物のスルホン化および硫酸化反応を上昇薄膜管型反応装置で行い, その総括反応速度の検討を行った.予備実験として濡壁塔を用いて直鎖型アルキルベンゼンのスルホン化反応を行って, 反応を伴うガス吸収としては瞬間反応として取扱えることを見いだした.次に直鎖型アルキルベンゼンのスルホン化反応およびラウリルアルコールの硫酸化反応を上昇薄膜管型反応装置で行って, 反応速度の律速段階と反応域を検討した.その結果, 工業的反応条件すなわち等モル反応でガス中のSO3濃度が1~6容積%では, 気液界面での瞬間反応とみなぜその総括の反応速度はSO3のガス側物質移動速度で律速されることがわかった.
  • 佐古 猛, 早野 市郎, 白田 利勝, 吉留 浩
    1985 年 11 巻 3 号 p. 267-271
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    101.3kPaの定圧下で硝酸水, 硝酸-水-硝酸マグネシウム, 硝酸-水-硝酸カルシウム系気液平衡関係を測定した.さらに塩を含む3成分系気液平衡関係の相関に必要なデータを得る目的で, 硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウム水溶液の蒸気圧を測定した.その結果, 硝酸水系気液平衡に対してマグネシウム塩はカルシウム塩より大きな塩析効果を示すこと, 共沸混合物中の硝酸モル分率は塩濃度が増大すると直線的に減少することが見いだされた.また3成分系気液平衡データを著者らが提案した方法を用いて相関したところ, 沸点および気相組成の計算値は実測値と良い一致を示した.
  • 三宮 晃, 親木 康高, 矢野 元威, 原納 淑郎
    1985 年 11 巻 3 号 p. 272-279
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    AI13.5(or AM3.5)への水素吸着量は573Kおよび室温下容量法およびTPD法でそれぞれ測定しその特性を明らかにした.573Kの吸着後のTPDスペクトルは353~393Kの低温域(LTR)と573~773Kの高温域(HTR)に検出される.これらの量をそれぞれVd,LおよびVd,Hとする.AI13.5とAM3.5への573Kの水素飽和吸着量Vasならびに573KでのAI13.5とAM3.5への吸着後の脱離水素量 (Vd,L+Vd,H)はほぼ等しく43mmol/kg-catである.また, Vd,H/Vd,Lの比はそれぞれ9.8(AI13.5) および29.7(AM3.5)である.これらのことからVd,Hの水素はスピルオーバー水素と考えた.
    次に, 室温での水素の飽和吸着量Vasは形式的にはAI13.5, AM3.5共にVas=VL+Vd,Lで表される.ここでVLは198K水素吸着後の室温までのTPDで脱離した水素量である.Vd,Lの値がNi担持量に比例した量であるとすると, AI13.5VLは異常に大きい.
    室温吸着におけるVasおよびVd,Lの値が異なる条件の下でNi粒径の大きさを決定するに当って, 一つの方法を提案し, この方法の妥当性をNi粒子から担体へ解離吸着した水素の表面拡散の速度式を考えることで証明した.そして, この場合, 室温吸着時のVasの値をNi粒子径推定に用いるべきことを明らかにした.
  • 荒野 〓也, 栗山 雅文, 都田 昌之, 原田 英二, 今野 宏卓
    1985 年 11 巻 3 号 p. 280-285
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    コロナ風による熱伝達の促進を実際の小形の熱交換器に応用する場合を想定して同一水平面に9本または3本の伝熱管を平行に並べ, その中央円管の上方に針電極を設置して両者の間に高電圧を印加したときの各円管ごとの平均熱伝達係数を調べた.その結果針電極直下からの距離が電極間間隙 (針電極先端から直下の円管までの距離) にほぼ等しい範囲内にある円管は印加電圧の影響を受け熱伝達係数がコロナ電流の増加と共に増加することがわかった.また前報の解析法と同様に運動量方程式から各円管の熱伝達係数を表す関数形を導いた.この関数形に従って円管間隔, 針電極ピッチおよび電極間間隙の異なる場合についての測定結果を整理した.その結果円管の数が9本または3本のいずれにおいても比較的良く相関されることがわかった.
  • 新垣 勉, 中山 慎司, 鈴木 政典, 外山 茂樹
    1985 年 11 巻 3 号 p. 286-292
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    測定部長さ800mmの種々の直径の垂直平滑円管を流下する水膜に対し, てこを応用したバランス法によりホールドアップを測定した.実測結果を相関するため, 境界層の概念および混合距離理論に基づくHanrattyらのモデルを, 層流域における波動の影響に着目して修正し, レイノルズ数24~6300の範囲で実測値と良好に一致する式を新たに提案した.
    電気化学的方法による壁面剪断力の実測値から得られた摩擦係数は遷移域の下限 (Re≅170) と上限 (Re≅900) の存在を示唆する結果を与えた.
    直径10mmの電極を用いて静電容量法により波動特性を実測した.波速の決定は相互相関によった.また, 波膜厚さの統計的解析を行い, 液膜厚さの頻度分布形状はレイノルズ数の増加とともに扁平かつ非対称性が著しくなることを明らかにした.
  • 藤縄 勝彦, 森下 珠美, 宝沢 光紀, 井野 一
    1985 年 11 巻 3 号 p. 293-299
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    (W/O)/W型乳化液膜法による銅の抽出プロセスにおける最適操作条件について, 主にW/Oエマルションの安定性, 液膜を通しての酸の漏れおよびW/Oエマルション相への外部水相の機械的取り込みの見地から検討を行った.実験においては攪拌槽を使用し, 油相にはケロシン, 界面活性剤としてSpan 80, および抽出試薬としてはLIX64NまたはSME529を用いた.その結果, 次の点が明らかにされた.1) 本実験条件では内部水相中の酸は膜破壊がなくても外部水相中へ漏れ出すが, その量は硝酸が最も大きく, 次いで塩酸, 硫酸の順に小さくなる.2) 機械的攪拌による外部水相のエマルション相への取り込みは主に攪拌開始時に起こり, エマルションの攪拌槽への供給方法を工夫することによって, その量を十分に小さくすることができる.3) W/Oエマルションの破壊や酸の漏れを考慮すると, Span 80濃度が4wt%の場合にはLIX64NやSME529の濃度は10wt%程度が適当と考えられる.
  • 馬場 由成, 岡元 祐治, 井上 勝利
    1985 年 11 巻 3 号 p. 300-303
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    官能基としてピリジル基を導入した陰イオン交換樹脂(KEX212, KEX202)を, 遊離塩基型, 過塩素酸塩型, 硫酸塩型(KEX202), 塩酸塩型, 硝酸塩型の樹脂に調整し, これらの樹脂を用いて, 比較的高濃度のフェノールの吸着平衡関係を30℃で測定した.得られた結果は, 前者三種類の樹脂の場合は, 1個のピリジル基(B)に対して1分子のフェノールが逐次的に付加する反応モデル
    B+iA〓BAi (i=1, 2, 3)
    により合理的に説明された.
    後者二種類の樹脂については, 1個のピリジル基 (B) に対して, フェノール濃度CAW<2×102mol/m3の場合は, フェノール1分子が付加し, CAW>2×102mol/m3では, さらに3分子のフェノールが同時に付加する反応モデル
    B+A〓BA (CAW<2×102mol/m3)
    BA+3A〓BA4 (CAW>2×102mol/m3)
    を考慮し合理的に説明できた.
  • 高橋 洋志, 竹内 隆男
    1985 年 11 巻 3 号 p. 304-310
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    外部加熱型の固気向流式移動層における熱伝達特性を温度場に関する均一モデルに基づいて解析した.使用した粒子は均一粒子径のガラス球とアルミナ球であり, 流体は空気である.
    種々の操作条件の下で推算した半径方向有効熱伝導度 (ker) と壁伝熱係数 (hω) は流体流量のみならず移動層に固有のパラメータである熱流比mに依存した.mm=q (粒子) /q (流体) によって定義され, ここにq= (質量流束) × (比熱) である.移動層のkerhωを評価するために, このmを用いて固定層に対する伝熱理論を拡張した.この方法によりそれらの値の近似的予測が可能になった.一般に移動粒子は壁近傍に粒子充填状態が疎なスリップ領域を形成する.この領域は壁からの伝熱に対して大きな抵抗となり, hωは固定層に比べてかなり低下することが指摘された.
  • 本間 寅二郎, 栗山 雅文, 長谷川 政裕, 神田 良照
    1985 年 11 巻 3 号 p. 311-316
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    遠心力下で操作される新しい型式のボールミルを用いて粉砕実験を行い, 砕製物の比表面積を測定した.その結果, この型式のミルは従来の重力下で操作されるミルに比べて極めて高い粉砕性能を有し, 遠心力利用が所要粉砕時間の短縮に有効であることを認めた.
    また, 付与遠心力の影響を評価する一つの無次元数を導入して, 砕料の比表面積増加を表示する実験式を求めた.本実験式は従来の重力下粉砕ならびに本報で取り扱った遠心力下粉砕の双方に適用できる.
  • 粒子生成機構と反応速度論
    金井 貴詩, 小宮山 宏, 井上 博愛
    1985 年 11 巻 3 号 p. 317-323
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    チタンテトライソプロポキシド (TTIP) を出発物質として, TiO2微粒子の気相合成を行った.反応管内壁に析出したTiO2の触媒作用によって, 510Kという低温でも合成が可能であった.反応温度, TTIP濃度などの反応条件によって, 生成粒子は, 非晶質, 結晶質 (アナターゼ), 多孔質, 無孔質と特性が変化した.形状は球型で, 平均粒径は反応条件によって0.1~0.5μm程度であった.内壁に析出したTiO2を触媒とする反応の速度は, tangmuir-Hinshelwood型の速度式で良く表現することができる.粒子生成の機構は, 従来想定されてきたような均相核発生・成長機構ではなく, 器壁TiO2上での開始反応, 均相核発生・成長, 凝集による粒子生成という機構であると考えられる.最大300m2/gにも達する球型多孔質体の生成には, 凝集機構が重要な役割を果たしているものと考えられる.
  • 山田 幾穂, 森 秀樹, 守谷 聡, 平岡 節郎
    1985 年 11 巻 3 号 p. 324-330
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    効率を考慮した反応蒸留問題の逐次段計算法が提案された.
    これまでいくつかの反応蒸留に関する数値解法が報告されてきたが, いずれも理想段を仮定しており, その分離への影響は考慮されていなかった.本解法では逐次段計算に反応と段効率を導入し, Plate-matchingの条件を満足させるためのLysterのθ法と組み合わせることにより操作型反応蒸留問題の厳密と迅速解を得ることに成功した.
    本報では, 数値計算例によって, 本解法の収束特性および初期値に対する安定性が示され, この有用性が実証された.
  • 白戸 紋平, 村瀬 敏朗, 岩田 政司, 林 二一, 舟橋 栄次, 西 章夫
    1985 年 11 巻 3 号 p. 331-336
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    スクリュープレスでは, ウォーム溝に沿って固液混合物を狭隙部へ送り込み, 変圧条件下で圧搾する.スクリュー式ダイによる圧力増加, およびスクリュー式ダイとウォームをそれぞれ異なる回転速度で駆動する2軸駆動式スクリュープレスの圧搾特性を検討した.
    スクリュー式ダイは一定ピッチ・一定溝深さ型スクリューと固定した外筒より成り, 排出ケークに与える出口抵抗はスクリューの溝深さ, らせん長さのほかダイとウォームのらせん角の差によって定まる.スクリュー式ダイの設置は, バレル内部の圧搾圧力をかなり著しく上昇させ, 出口抵抗が大きい場合でも出口閉塞を起こすことなく高度に脱水した圧搾ケークの連続排出を可能にする.さらに, スクリュー式ダイとウォームをそれぞれ異なる回転速度で駆動する2軸駆動方式で操作すると, より高圧が発生し圧搾量が増大すること, また, 回転比を変え両区間の軸方向の速度差を増減させることによってダイ抵抗を広範囲に変化させることができダイ抵抗を容易に制御できることを示した.
  • 安岡 弘陽, 中西 英二, 欅田 栄一
    1985 年 11 巻 3 号 p. 337-342
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    蒸留塔の全還流操作から定常還流操作への最適切換え時刻を決定するのに簡便な特性関数を見いだし, その実用性を実験的に検証した.特性関数の値は, 塔内検出濃度より各時刻ごとに簡単な計算により求められ, 最適切換え時刻は特性関数の最小値を与える時刻から近似的であるがかなり的確に予測できる.このような塔内濃度のオンライン計測値から容易に算出でき, かつ複雑な計算を必要としない特性関数を用いることにより, マイクロコンピュータをベースにした小規模低コスト計算機制御系による蒸留塔の最適スタートアップシステムの設計が可能となる.本研究では, そのようなシステムを試作し, 有効性を実験的に検証した.
  • 潮崎 淳一, 松崎 隆司, 松山 久義, 大島 榮次, 安西 晟, 多田 豊, 高橋 勝六, 竹内 寛, 鈴木 孝典, 稲積 彦二, 川崎 ...
    1985 年 11 巻 3 号 p. 343-367
    発行日: 1985/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top