酢酸亜鉛担持活性炭触媒を用い, アセチレンと酢酸からの酢酸ビニル生産能力50ton/D, 底径3.28mの大型流動触媒反応槽により, 最適条件を得るために約2年にわたり操業試験を行った.
アセチレン反応速度はアセチレン分圧に1次に比例するものとし, 反応速度の遅いこの系では流動層内の気泡を考慮しない均一相で表せると考え, 押し出し流れモデル, 完全混合モデルの反応速度式, 速度定数を, 反応条件の関数として導いた.
操業運転で得られた各反応条件に対応する同一時点推算反応率α
xから求めた反応速度定数の一致性, および活性化エネルギーの文献値との比較より, この大型流動触媒反応槽は, 均一相完全混合モデルで表し得るものと結論した.
流動層高の速度定数に与える影響が非常に大きいが, この原因は流動状態によるものと考えられる.
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