化学工学論文集
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12 巻, 2 号
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  • 気固系単塔コールドモデル実験
    杉岡 良吉, 高尾 政己, 梶 吉郎, 谷内 護, 桑原 敏幸, 富阪 泰
    1986 年 12 巻 2 号 p. 127-132
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    2塔式循環流動層では2塔間の流動媒体の循環方式として, 強制循環と自然循環の2方式がある.重質油の熱分解プロセスであるKKIプロセスでは自然循環方式を採用しており, 循環量の制御は流動層本体下部ならびに移送管に吹き込むスチームの供給量を変えることにより流動媒体である鉱石の循環推進力を調整して行う。このため, 自然循環方式では垂直管および傾斜管流動層の流動特性の把握により, 鉱石循環量を予測し, これを適正に制御することが重要なポイントである.
    本報告は, 傾斜管流動層の空隙率ならびにガスの圧損失と移送管角度ならびにガス空塔速度との相関をプラスチック製コールドモデル実験で得たので, これを述べるものである。また, この結果得られた推算式を用いて実施したコンピュータ計算結果はパイロットプラントの実測値と非常に良い一致を得ている。
  • 川口 敏雄, 若杉 敏久, 幡野 直裕
    1986 年 12 巻 2 号 p. 133-139
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    酢酸亜鉛担持活性炭触媒を用い, アセチレンと酢酸からの酢酸ビニル生産能力50ton/D, 底径3.28mの大型流動触媒反応槽により, 最適条件を得るために約2年にわたり操業試験を行った.
    アセチレン反応速度はアセチレン分圧に1次に比例するものとし, 反応速度の遅いこの系では流動層内の気泡を考慮しない均一相で表せると考え, 押し出し流れモデル, 完全混合モデルの反応速度式, 速度定数を, 反応条件の関数として導いた.
    操業運転で得られた各反応条件に対応する同一時点推算反応率αxから求めた反応速度定数の一致性, および活性化エネルギーの文献値との比較より, この大型流動触媒反応槽は, 均一相完全混合モデルで表し得るものと結論した.
    流動層高の速度定数に与える影響が非常に大きいが, この原因は流動状態によるものと考えられる.
  • 加藤 邦夫, 江原 幸蔵, 高橋 信次, 谷沢 昌俊, 上野 裕之
    1986 年 12 巻 2 号 p. 140-145
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    40μm以下の微粒子を分級するため, 音波攪拌流動層分級装置を考案した.この装置では流動層からの粒子の飛び出し現象を利用することによって粒子の分級をすることができる.微粒子の凝集をおさえるため, 分散板下部で10~300Hzの音波振動を発生させ, かつフリーボード内に攪拌器を取り付けた.気体分散板としては粒子層へ音波振動を伝えやすくするためろ布を用いた.粒度分布が1~50μmのフライアッシュ粒子および1~20μmのシリコンカーバイト粒子の連続分級を行った.
    本装置を用いることによって, 通常の流動層では粒子の凝集によって流動化することのできない微粒子を連続的に分級することができた.本装置の分級特性を部分分級効率で表し, 部分分級効率と操作条件との間によい相関を得た.本装置を用いることによって粒子径比が1.5倍ある粒子を効率よく分級することが可能である.
  • 山村 晃一, 中嶋 光敏, 松山 久義
    1986 年 12 巻 2 号 p. 146-152
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    連続プロセスの定常状態におけるデータの中から異常値を検出する問題を, 物質・熱収支を満たしながら赤池情報量規準を最小化する統計的モデルを選択する問題として定式化する.この定式化によって, 分枝限定法を用いた効率の良いアルゴリズムを構成することが可能となる.このアルゴリズムの有効性を示すために, 石油精製プロセスを想定した22変数を含むモデルについて数値実験を行った結果を報告する.
  • 北條 英光, 津田 健, 新井 信, 加納 能一
    1986 年 12 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    フレームアレスターの設計指針を確立するために, 円管内での火炎伝播挙動および消炎挙動について検討した.
    火炎伝播挙動に及ぼす, 着火エネルギー, 管端の状態, 管径および管の長さの影響について実験を行った結果, これらの因子のうち, とくに管端の状態および長さにより, 火炎速度が大きな影響を受けることを明らかにした.
    金網型フレームアレスターによる消炎実験の結果, アレスターの消炎性能を考える場合には, アレスターを通過する時の火炎速度を知ることが重要であることを明らかにした.そこで, 消炎可能な限界速度として, アレスターを開放端に設置する場合には数m/s (5m/s以下), また配管の途中へ設置するような場合にはかなり大きな値を見積る必要のあること, さらに, アレスターは火炎速度の小さい範囲, すなわちなるべく点火源に近い位置へ設置するのが効果的であること等を示した.
  • 久保田 昌良, 伊藤 和行, 松崎 晴美, 和泉 健吉, 広瀬 保男
    1986 年 12 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    磁化率が異なる三種類の微粒子 (モリブデン, クロム, ヘマタイト) を供試して, 微粒子の表面電位 (ζ電位) の変化がHGMSの微粒子除去特性に及ぼす影響について検討した.この結果, モリブデンなど1.7×10-4以下の低磁化率の微粒子は150m/h以下の低通水流速領域で表面電位の影響が顕著に現れ, 微粒子とマトリックスのζ電位の積が負となるpH域で除去性能が増大することを示した.さらに, マトリックスの微粒子捕捉量と自然電位の関係を把握した.
  • 李 寿〓, 松田 仁樹, 架谷 昌信
    1986 年 12 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Ca (OH)) 2/CaO系可逆熱化学反応を利用した化学蓄熱に対して, 反応系内を減圧 (圧力;2.33~101.3kPa) することによってCa (OH)) 2の脱水反応 (蓄熱過程) の促進を試みた.
    その結果, 反応系内の圧力を減少させることによってCa (OH)) 2の脱水反応開始温度は低下し, また, その反応速度は増大することが認められた。このような密閉静止系における種々の減圧条件下でのCa (OH)) 2の脱水反応に対する総括の反応速度を非等温反応解析の手法を用いることによって工学的に検討した結果, 本反応は固体反応物質について0次, 水蒸気分圧差について0.5次で進むことが認められた。さらに, 本解析によって求められたみかけの反応速度定数は, 本実験範囲内においては反応系内の減圧度と比較的良く相関でき, 反応系内の減圧に伴うCa (OH)) 2の脱水反応の反応促進効果が定量的に明らかにされた。
  • 宗像 健, 本田 克美
    1986 年 12 巻 2 号 p. 172-178
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    2成分混合蒸気の分縮操作に関し, 二重境膜説に基づいて分縮器内の気液の組成とその場所の凝縮液流量と関連づけて解析した.その結果は既往のものに比べて分縮器内の諸量と位置との関連などの点で理解しやすくなっている.また, 気液平衡関係が直線で表せる場合に対して, パラメータとして気液両相の抵抗比および凝縮速度と総括物質移動係数の比を含む解を得た.さらにRayleighの関係および気液両側の抵抗が無視できる場合をこの解の特別な場合として関係づけた.
    分縮器内の操作線について, 既往のいくつかの方法による計算結果と比較検討した.
  • 福渡 康夫, 田村 吉隆, 溝田 輝彦, 冨田 守, 小此木 成夫, 松本 耕一, 佐藤 幾郎, 遠藤 晴雄
    1986 年 12 巻 2 号 p. 179-184
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    チーズホエーの逆浸透濃縮を解析する目的で, 全溶質モル濃度, 平均溶質透過係数および平均物質移動係数を用いて, 多成分系の輸送方程式と濃度分極の式から新しい式を誘導した.本式を検証するために, 食塩阻止率90%の逆浸透膜を装着した平面膜型モジュールを用いて, 操作圧3.9MPa, 循環流量0.9m3・h-1, 温度10℃でホエーを濃縮倍率4倍まで回分濃縮した.水および全溶質の透過流束の計算値は実測値とよく一致し, 同時に高圧側膜面における溶質濃度も計算することができた.
  • 丹野 庄二, 川崎 剛, 三浦 隆利, 大谷 茂盛
    1986 年 12 巻 2 号 p. 185-191
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    噴霧塔壁への液滴の付着量が, 微粒化用空気 (Ma) および液流量 (Ml), 周囲空気流量 (Ms) そして噴霧塔長を変えて測定された.塔壁付着量はMs/ (Ma+Ml) <50において微粒化用空気流量と共に増加するが, Ms (Ma+Ml) ≧50ではMaに依らないことがわかった.
    塔壁付着量は, k-ε方程式に基づく乱流モデルと粒子の作用を考慮したPSIモデルを用いて計算された.この際, 計算の初期値として次の量の半径方向分布がノズル近傍において実験的に与えられた;噴霧滴の分散分布, 滴径および周囲空気および噴霧流の速度成分.この結果, 塔壁付着量に関する計算と実験値とが良好に一致した.
  • 日高 重助, 三輪 茂雄, 牧野 和孝
    1986 年 12 巻 2 号 p. 192-198
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粉体層の摩擦音の発生機構を粉体力学と音響理論を用いて検討した.粉体層の崩壊流動においては, 粉体層内に周期的なすべり帯が形成する.このすべり帯の形成により発生する音の音場を無限大バッフル上のピストンからの音の放射理論を適用して推算した.その音圧波形は測定波形と良く一致した.発生音の諸量は粉体層の摩擦特性およびすべり帯の形成状態と密接な関係がある.
  • 岸原 士郎, 藤井 聰, 河本 正彦, 玉城 一, 若林 章一
    1986 年 12 巻 2 号 p. 199-205
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    希釈廃糖蜜を多孔質セラミック管上に加圧下で循環させ, セラミック管上にダイナミック膜を形成し, 続いてそのダイナミック膜 (自己排除膜) を透過させて廃糖蜜を清浄することを試み, さらにその膜の性能について検討した.
    透過時間の経過とともに透過流束は減少し, 色素の阻止率は増加し, 約2時間後に安定な自己排除膜が形成した.循環流速は自己排除膜の厚さに, 操作圧力は緻密さに影響した.自己排除膜の分画分子量は, 阻止率0.9のレベルで示すと, 0.5MPaおよび2MPaの操作圧力においてそれぞれ40000および20000であると考えることができた.
    自己排除膜による清浄は通常の有機高分子膜と比べて色素の阻止率は劣るが, 透過流束は4倍以上であった.Bx50°廃糖蜜の60℃, 0.2MPa操作圧力, 4m・s-1循環流速における透過流束は20l.m-2・h-1, 色素の阻止率は0.1であった.珪藻土濾過あるいは遠心分離によっては満足に除去することができない廃糖蜜中の混濁物質が自己排除膜によって完全に取り除くことができた.透過液の風味は原廃糖蜜に比べて格段に改善されていた.
  • 大佐々 邦久, 三分一 政男, 中倉 英雄
    1986 年 12 巻 2 号 p. 206-212
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    凝集性懸濁液に対し, 液回分, ガス連続の条件で電解浮上分離実験を行った.固体試料としてセルロース・カオリンおよび上水汚泥を, 高分子凝集剤としてポリアクリルアミド系のものを用いた。分離過程に及ぼす固体の種類, 凝集特性および電流値などの影響を実験的に検討した.
    汚泥の浮上性は, フロックの表面状態, たとえば濡れ性, 粗さおよび形状などに依存すると思われる.フロックを浮上させるのに要する時間は, 大略フロック径および電流値に反比例し, 気泡の付着によってフロックが浮遊状態となるまでの時間と関係づけられる.したがってフロック平均径および電流値が大なるほど, 分離速度は増大する。
  • 黒田 千秋, 小川 浩平, 井上 一郎
    1986 年 12 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気体乱流中における混合過程を実験的に検討するための手段として, 熱線風速計および定圧吸引法を適用して空気中におけるヘリウムガス濃度を測定する実用的な一手法を提案し, 検討した.濃度変動を的確に検出することのできる測定用プローブの満たすべき条件を実験的に明らかにした.さらに, およそ5m/s前後の気流中で測定することを想定して試作したプローブは, 実用上十分な特性を示した.すなわち, ヘリウム濃度とCTA出力との関係は単調な増加関数となり, また測定精度および濃度変動に対する応答性能は, 吸引速度5m/sで, それぞれおよそ0.005,300Hzであった.
  • 高瀬 均, 釣 昌司, 杉本 益規, 田中 裕之, 小宮山 宏, 井上 博愛, 井手 光治, 馬田 次郎, 山下 治雄, 土井 雅憲, 田中 ...
    1986 年 12 巻 2 号 p. 219-248
    発行日: 1986/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249a
    発行日: 1986年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249b
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249c
    発行日: 1986年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249d
    発行日: 1986年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249e
    発行日: 1986年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 12 巻 2 号 p. 249f
    発行日: 1986年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
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