化学工学論文集
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22 巻, 3 号
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  • 藤岡 祐一, 石 栄〓
    1996 年 22 巻 3 号 p. 433-445
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    脱揮発反応と燃焼反応が進行する流動層石炭ガス化炉にて, 供給石炭からガス化生成ガス中の炭素と水素と酸素への転換速度を取得する実験を行った.実験条件は圧力が1.2と2MPa, 石炭供給量が約6kg/h, 温度が1,100~1,400Kであった.
    実験結果から脱揮発反応, 燃焼反応はガス化炉のCO, H2発生速度に重要な影響を与えず, チャーガス化反応がCO, H2発生速度を支配していると示唆された.チャー炭素とCO2あるいはチャー炭素とH2Oが反応して炭素がガス化される速度をチャー合同ガス化反応速度と呼ぶことにし, その値をCO, H2発生速度から得た.チャー合同ガス化反応速度と, 条件として脱揮発反応と燃焼反応を併発させない点が異なる既往のチャーガス化反応速度を比較した.両者の値と温度依存性の傾向は同等となった.
    チャー合同ガス化反応速度と, これも実験より求めたCH4発生速度からなる簡易石炭ガス化反応速度を用い, 流動層石炭ガス化炉の物質収支の計算が可能である.
  • 藤岡 祐一, 石 栄〓
    1996 年 22 巻 3 号 p. 446-457
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    石炭処理量が500~1,500kg/hの加圧流動層石炭ガス化炉パイロットプラント試験を実施した.パイロットプラント上段炉と以前実施した石炭処理量が約6kg/hのベンチスケール実験で得られた流動層単位体積当たりのチャー合同ガス化速度とメタン転換率を比較した。ベンチスケールの単位体積当たりのチャー合同ガス化速度は, 完全混合と仮定して計算したパイロットプラント上段炉単位体積当たりの値よりも3~4倍大きな値となった.
    これに対して, 流動層の濃厚相は粒子, ガスともに完全混合, 気泡相はガスピストンフローを仮定する二相モデルを適用すると, ベンチスケールのチャー合同ガス化速度と, パイロットプラント上段炉のチャー合同ガス化速度を一致させることができた.
    メタン発生速度はメタン転換率として整理すると, 装置サイズの違いにも関わらず, 両者はほぼ一致した.
  • 井元 義訓, 笠倉 忠夫
    1996 年 22 巻 3 号 p. 458-466
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    下水汚泥流動床焼却炉の性能把握を目的として, 砂層内寸法700mm角の流動床炉を用いて実験及び解析を行った.試料は実際の脱水ケーキを使用し, 空気比が0.62~1.50, 空気質量速度が0.19~0.60kg/m2・sと従来の運転領域 (空気比1.3~1.5, 空気質量速度0, 20~0.25kg/m2・s) より拡大した領域で実験を行った.
    実験の結果, 砂層内燃焼率はケーキ負荷及び補助燃料負荷の増加と共に低下した.また, 空気質量速度が増加すれば砂層内燃焼率は低下し, その燃焼は砂層内燃焼に比べフリーボード燃焼の割合が増加した.一方, 燃焼率と空気比は熱分解域では一次比例の関係にあリ, 空気比が減少すれば燃焼率も低下した.さらに, 873~1,171Kの範囲では, 燃焼率と砂層温度の間に明確な相関は見出せ無かった.また, 空気質量速度の高い領域では高いケーキ負荷での安定燃焼の維持が可能であるが, その場合空気比を高める操作の必要性が認められた.
  • ポリ乳酸のラクチドへの接触的熱解重合
    森田 幹雄, 平間 康子, M. K. H. Liew
    1996 年 22 巻 3 号 p. 467-472
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    発酵乳酸の分離精製法として, ポリ乳酸の接触熱解重合法を利用してラクチドに転化して精製する方法は有効な方法である.
    この観点から, 本研究ではポリ乳酸をラクチドへ転化するための実用的な熱解重合触媒を探索した.鉄系触媒, 特に金属鉄, 酸化第一鉄, 乳酸第一鉄は, 従来使用されているオクチル酸錫や酸化アンチモンとほぼ同じ触媒活性を示し, ほぼ同じ熱解重合物組成を与えることを確認した.さらに酸化第一鉄触媒を発酵未精製乳酸より合成した粗乳酸ポリマーの熱解重合に適用した.純物質から合成したポリマーの熱解重合と比較して触媒活性, 熱解重合物組成もほぼ同じであることが確認され, かつこれらは毒性の心配がないことや安価であることから, 実用触媒として利用可能と判断された.
    また, 原料としての乳酸ポリマー性状を検討した結果, 熱解重合性と熱解重合物組成から判断して重量平均分子量Mw=5,000-10,000のポリマーが望ましいことが分かった.
  • 谷井 忠明, 峯元 雅樹, 中沢 邦泰, 安藤 喜昌
    1996 年 22 巻 3 号 p. 473-479
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    夜間の余剰電力を用い, エネルギーを高効率・高密度に貯蔵し, 昼間のエネルギー必要時に冷熱として取り出すことにより, ビル空気調和に利用し, 電力の負荷平準化に寄与するクラスレートを用いた蓄冷システムについて基礎検討した.これまでCFC (Chloro Fluoro Carbon) -11 (CCl3F) を用いて蓄冷システムの基礎特性に関する知見を得てきたが, 特定フロンのため今後使用が困難となるCFC-11に代わる媒体として探し出したHCFC-141bのクラスレートを用いた蓄冷方式について以下の知見を得た. (1) HCFC-141bのクラスレートを用いた蓄冷システムは氷蓄冷に比べ効率が高い. (2) 界面活性剤の添加により, 理想的なクラスレートの生成および分解が可能である. (3) 系内にエチレングリコールを添加することにより, さらに低温の冷水を取り出すことが可能である.
  • 渕上 吉男, 井波 利明, 小林 与惣吉, 橋本 明
    1996 年 22 巻 3 号 p. 480-487
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    撹拌槽を用いるメタクリル酸メチルの連続バルク重合反応において, 撹拌翼にマックスブレンド® (MB) 翼を採用し, 翼の上端より液面を低くするとともに反応器の上蓋を冷却すると, モノマー蒸発速度が飛躍的に大きくなり, 反応器ジャケットからの除熱量をしのぐ熱量になって重合熱除去の有効な手段となる.このときモノマー蒸発速度は撹拌速度の1.4乗, 翼径の0.4乗, パージ窒素流速の0.45乗に比例する.
    パイロット規模の装置で得られた総括伝熱係数 (Uj) =460kJ/m2h℃及びモノマー蒸発速度 (v) =67kg/m2hから, 撹拌消費動力 (Pv) =1.5kW/m3 (回転数73rpm) におけるUj=304kj/m2h℃, v=26.7kg/m2hと推測して実機を設計し, ジャケット温度-反応温度=Δt=-12.8℃とすることによってポリマー生産量750kg/hの運転が可能と推定した.実機での実測値はUj=326kJ/m2h℃, v=31m2h (パイロット規模の1/7のパージ窒素流速において), Δt=-12.5℃となり, 実機の除熱能力には設計値に比べてやや余裕があり, 最適な設計がなされていることがわかった.
  • 高尾 彰一
    1996 年 22 巻 3 号 p. 488-495
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    (財) 石炭利用総合センターの CWM 品質試験法により各種条件で調製した CWM のレオロジー特性を測定した. 原料石炭の風化によって CWM の代表粘度と粘度指数が増大するが, これは CWM の酸性化と親水性官能基の増加に起因すると考えられた.石炭の灰分含有率の増加によって代表粘度が増大し粘度指数が低下するが, これは石炭表面から分離する粘土鉱物に起因すると考えられた.また撹拌処理は代表粘度の低下とレオロジー特性の調整に効果のあることがわかった.さらにレオロジー特性は石炭濃度と温度によって大幅に変化するが, 分散剤の添加率と粒度の変動の影響は小さいことがわかった.
  • 浜田 豊三, 松岡 佐知子, 中塚 修志
    1996 年 22 巻 3 号 p. 496-502
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ポリイオンコンプレックス膜を用いた浸透気化法によるエタノール水溶液の脱水プロセスの設計を行った.種々の操作条件下における透過流束および分離係数を定量的に表現するために, 透過係数を実験式で表わした透過式を用いた.この透過式を用いてモジュール内での物質収支および熱収支を考慮し, 脱水性能に及ぼす透過側圧力および還流操作の影響について評価した.94wt%のエタノール水溶液を97wt%まで脱水する場合, 13-666Paの範囲において透過側圧力は膜面積にあまり影響しないこと, また供給液エタノール濃度が94 wt%以下の場合, 還流操作により高い透過流束が得られることが分かった.以上の結果より, パイロットスケールでのエタノール水溶液の脱水を行ったところ, 本透過式がエタノール水溶液の脱水プロセスの設計に適用できることを確認した.また, 長期にわたり安定した膜性能で94 wt%のエタノール水溶液を99.8 wt%の無水エタノールに脱水できた.
  • 伊藤 光弘, 長野 健一, 樋野 公彦
    1996 年 22 巻 3 号 p. 503-511
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    転動ボールミルにおいて, ボール径, ボール充填率, ボール間への被粉砕物充填率およびミルの直径が粉砕速度式のパラメーターと微粉領域での補正係数に及ぼす影響が実験的に調べられた.用いた被粉砕物はセメント原料とセメントクリンカである.その結果と, 実操業閉回路粉砕系を想定したシミュレーションの双方によって閉回路粉砕能力を高くする方策が検討された.セメント原料およびセメントクリンカの粉砕ではいずれの場合も, 充填されたボール間への被粉砕物充填率を, 被粉砕物の粉砕機内通過量が一定のままで低くすることによって粉砕能力は大きく伸びる.セメント原料の粉砕ではボール径 30 mm程度にすることによって粉砕能力はさらに伸びる.一方, セメントクリンカの粉砕では, 粉砕産物の粒度を31μm以上の質量割合で評価する場合にはボール径を小さくすることによって粉砕能力はさらに伸びる.しかし, 比表面積で評価する場合にはボール径の影響を大きくは受けない.
  • 松井 達郎, 森本 弘
    1996 年 22 巻 3 号 p. 512-519
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    エチレンプラント中のC8留分からスチレンを抽出分離するプロセス及びエチルベンゼンの脱水素からスチレンを合成するプロセスでは微量のフェニールアセチレンがスチレンに混入し, スチレンの品質を悪化させる. 前者のプロセスではこれが C8 留分中に約 34mol/m3存在し, これをPd触媒を用いて0.10mol/m3以下まで水添除去する.過酷な条件ではスチレンがエチルベンゼンに転化してしまうこの選択水添を気液上向き固定層微分型反応器での実験から反応速度モデルを提案する.反応実験から求めたフェニールアセチレンの固液間容量係数Kφは, モデルで求めた推算式の結果と比較的良く一致した.この反応速度モデル式に従うとKφが大きいほど選択性が良好になる.積分型反応器での実験値では, 本報告で提案した反応モデルに逆混合を考慮すると, 計算値と良く一致した.
  • 今村 易弘, 小林 左東司, 稲積 彦二
    1996 年 22 巻 3 号 p. 520-526
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    直管型スロートを有するエジェクターにおける水平液ジェット流での気体吸引特性を実験的に検討した.
    水平液ジェット流の気体吸引速度は液流量およびスロート径の増加とともに増大した.また, その気体吸引速度を単位液容積当たりの所要動力およびスロート径の関数として示した.本実験で得られた実験式は気体吸引速度を±20%の精度で予測することができる.
    単孔ノズルに関して駆動圧と操作因子との関係を検討した結果, 実測の駆動圧を±5%の精度で推算できる相関式を得た.
  • 広瀬 泰雄, 立花 宏, 曹 裕隆
    1996 年 22 巻 3 号 p. 527-533
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    あるアイソトープは, 蒸留によって分離, 濃縮されている.アイソトープの蒸留は, 普通の蒸留に比べて相対揮発度が極端に小さいため次のような特徴がある.1) 理論段数が多い.2) 還流比が高い.3) 物理化学的性質が同じであるため各段のエンタルピ収支をとる必要がないので, 気液の流量が一定である.Newton-Raphson法に基づいて二つの蒸留計算法が提案されている.第一のアルゴリズムは, 成分数をmとするとそのサブマトリックスの大きさが2mで, 気液平衡比が相対揮発度一定で液組成のみの関数の場合に, 第二のものはそのサブマトリックスの大きさが2m+1で, 気液平衡比が温度のみの関数の場合に適用できる.これらの方法の各々に対して数値例が示されてる.第一の場合は, 14N17O を濃縮するために, 一酸化窒素の蒸留プロセスが提案されている.第二の例では, 13CH4 を濃縮するために, メタンが中間リボイラがついている蒸留塔で分離されている.これらの2 例は, 段数が多く, 還流比が高いにもかかわらず, うまくシミュレーションができた.
  • 近藤 和夫, 篠原 邦夫, 福井 啓介
    1996 年 22 巻 3 号 p. 534-541
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    64ビット以降のマイクロプロセッサーでは, RAM と 2 次キャッシュへと接続するパッド数が著しく増大し, 種々の技術革新を必要とする.高密度接続バンプは, この技術革新に不可欠な材料である.
    バンプ形状は, Re数が40.57, 81.14で, 上流側のバンプ端部で最も盛り上がり, 下流側で再び盛り上がるが, Re数の増大に伴い盛り上がりの程度が減少する.Re数が 405.7では上流側でのバンプ端部での盛り上がりが平坦化し, 下流側のバンプ端部での盛り上がりをもはや示さなくなる.
    本報告では, バンプ形成を支配するミクロな現象を数値流体解析結果より検討した. バンプ観察形状は, 数値流体解析より求めた上流および下流側のカソードのコーナー部に発生する渦流れと上流のバルク溶液がカソード中央部へ到り, 再びバルク溶液にもどる貫通流とにより説明が出来る.また, 二次元解析によるフラックス分布は, 観察形状と良好に対応した.
  • 鶴見 和則, 井上 勝利
    1996 年 22 巻 3 号 p. 542-550
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    白金アンミン錯イオンのシリカゲルへの吸着挙動を, 塩化アンモニウム濃度を変化させ, 30℃アンモニア性アルカリ溶液に於いて調べた.シラノール基を (GH) とし, 次の2つの反応式で白金吸着が表されることを提案した.
    GNH4+Pt (NH3)4+++Cl-〓GPt (NH3)4Cl+NH4+ K1
    GNH4+GH+Pt (NH3)4+++NH3〓G2Pt (NH3)4+2NH4+ K2
    これらの並発反応に基づいて得られる次式の関係は, 実験値と良く一致した.
    [GPt] / [Pt++] =K1 [GNH4] [Cl-] / [NH4+] +K2' [NH4] 2/ [NH4+] 2
    NH3の吸着点と, それに隣接する遊離のシラノール基との2点が白金錯イオンの2点吸着に作用している.吸着された白金錯イオンを金属白金に還元する工程に於いて, H2還元をする前の350℃での大気中焼成は, 吸着されたNH3が燃焼するために, 発熱を起こす.この発熱は, 白金の燒結を引き起こす.直接H2還元することにより, シリカゲル上に高分散の白金が得られた.
  • 野中 利之, 鈴木 睦
    1996 年 22 巻 3 号 p. 551-559
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ベイズモデルによる非定常時系列解析の手法を画像処理に応用し, 物体の輪郭形状に対して平滑化処理を行なうための方法を提案した.これは, 輪郭形状を表わす点列を非定常時系列とみなして状態空間モデルを構成し, 拡張 Kalman フィルタを用いて逐次推定ならびに固定区間スムージングを行なうものである.輪郭形状から, 周期成分などの様々な特徴が抽出されるため, 詳細な形状解析が実現可能である.計算機実験の例を示し, その有効性を確認した.
  • 成川 公史, 後藤 秀徳, 陳 勇, 山崎 量平, 森 滋勝
    1996 年 22 巻 3 号 p. 560-565
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    都市ごみからつくられた RDF (ごみ固形化燃料) を対象とした循環流動層燃焼による高効率発電プロセスを開発するための基礎データとして, 製造方法の異なる 2 種類の RDFの燃焼特性について高温型示差熱天秤を用いて検討した.これらの RDF は燃焼時において発熱を伴う 2 段階の重量減少がみられる. このことからこれらの RDF は低温域で燃焼する成分と高温域で燃焼する成分の 2 成分からなることが示された. また燃焼後と熱分解後の試料の重量差がほとんどないことから, これらの燃焼が主に試料の熱分解によって放出される揮発分の気相燃焼であることがわかった. さらに, 第 1 段階反応時では試料によってアレニウスプロットにおける反応速度定数の傾きがそれほど変わっていないことからその反応メカニズムは同様であるが, 第 2 段階反応時では明らかに試料によってその傾きが異なっており, この段階での反応メカニズムが異なることが明らかになった.
  • 内藤 悦郎, 長野 靖尚
    1996 年 22 巻 3 号 p. 566-574
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    数流体が垂直平行平板間を上昇するときの温度助走域での複合対流熱伝達に関する数値解析を行った.加熱様式は片板のみから壁温一定で加熱し, 他の片板が断熱された場合と両板から一様に壁温一定で加熱される場合の2通りである.加熱開始点で一様流入の結果とも比較し, 加熱開始点での条件による違いについても検討した.壁面摩擦係数と局所ヌセルト数については, 純強制対流の結果と対比させることで強制対流に自然対流がもたらす効果について評価し, 設計技術的見地から有用な関係式を求めた.
  • 瀬瀬 満, 橋本 敬介, 吉田 英人, 河村 祐治
    1996 年 22 巻 3 号 p. 575-581
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    微粒子を用い遠心場の壁面に薄い粉体層を作成し, 空間率及び表面粗さに及ぼす粒度分布の影響について実験及びシミュレーションを行った.薄い粉体層の表面粗さは沈着する粒子の粒度分布幅が広い程大きい.またこの傾向は凝集粒子が沈着することでより明確になる.
    シミュレーション結果より, 空間率に対する影響は一次粒子が沈着する場合には, 粒度分布幅が狭い程空間率が低くなった.一方凝集を考慮した場合は, 粒度分布幅が広い程空間率が低下した.
    実験での粉体層の空間率は粒度分布幅が広い場合に低下した.これは沈着する直前での粒子が凝集していたため生じたものである.
    粒度分布幅が広くかつ凝集した粒子が沈着すると, 粉体層内部に多数の空孔が生じ易くなることをシミュレーション結果より認めた.
  • 伊藤 睦弘, 渡辺 藤雄, 架谷 昌信
    1996 年 22 巻 3 号 p. 582-589
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    吸着ヒートポンプの高出力化を目的として提案したシリカゲル熱交換モジュール (STモジュール) を組み込んだ多管式吸着熱交換 (MAT) 型吸着器で構成される吸着ヒートポンプ (AHP) の熱・物質移動現象について理論的検討を行い, 実験結果との比較による本AHPの操作基準について検討を行った.その結果, STモジュールにおける水蒸気吸・脱着に伴う熱・物質移動の計算結果は実験結果と比較的良好に一致し, 本AHP操作の吸着量変化, 温度および圧力変化ならびに吸・脱着時間が本系の吸着等温線, 吸・脱着速度などにより統一的に説明できた.また, このAHPの熱・物質移動挙動の詳細な理論的検討結果から, 脱着過程終了時における残存吸着量がAHPのサイクル操作における高出力化の阻害因子となることが示された.
  • 箱田 優, 榎本 淳, 中村 厚三
    1996 年 22 巻 3 号 p. 590-596
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    電気精密濾過反応器 (EMFBR) は Streptococcus lactis 527 の高濃度培養に適用され, 濾過流束と菌体濃度に及ぼす電場の影響が実験的に検討された.
    EMFBR は培養器中に菌体を完全に保持し, 阻害物質を連続的に除去した. 電場を印加することにより, 濾過流束を高く維持でき乳酸濃度を低く抑えることができたため, S.lactis 濃度は電場強度 20V / cm において通常の回分培養の約 10 倍である 24.2 g-dry cells/lまで増殖した. また, グルコースに対する菌体収率 YX/S 及び維持定数 m は電場印加することによって増大した.本実験結果より, 電場強度が 20V / cm 以下の条件では, 阻害代謝産物の蓄積及び菌体に対する電場の悪影響が少ないことから, EMFBR は高密度培養に有効であることが明らかとなった.
  • 手柴 敏幸, 高尾 征治, 小森 悟, 村上 泰弘, 吉田 博久
    1996 年 22 巻 3 号 p. 597-602
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    内羽根と外筒がそれぞれ独立に回転する横型サンドミルにおいて, メディア粒子の挙動を可視化する計測技術がオリジナルに開発された.その技術を用いることにより, ミル内メディア粒子の速度分布と速度変動強度及び出現頻度分布の測定が可能となった.両方の回転方式で得られたメディア粒子の流動特性に関連づけて, アルミナビーズを用いた炭酸カルシウム微粒子の粉砕特性を考察した.その結果, 内羽根だけが回転する場合及び内羽根と外筒が逆方向に回転する場合の両方について得られた50%粒子径は, 従来の速度変動強度だけではうまく相関できず, それに出現頻度をかけた重み付き速度変動強度で良好に相関できることが見いだされた.
  • 大久保 豊, 高橋 由樹
    1996 年 22 巻 3 号 p. 603-609
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水平に置かれた平行2平板の電極間において, 粉体粒子が誘導帯電し飛昇する現象について, アルミナ, シリカ, ポリウレタン樹脂の粉体を使用し, 飛昇の臨界条件に及ぼす諸因子の影響を実験的に調べた.この結果, 粒子が誘導帯電によって飛昇するための最小の電界の強さが, ほぼ0.25kV/mmの値であることがわかった.また飛昇条件を支配する因子である粉体の電気伝導率が, 10-8 (Ωm) -1以上となると粒子は飛昇しやすいこと, 粉体に水分を加えると電気伝導率が著しく変わり, 電気抵抗の高いポリウレタン樹脂の粒子も 3%以上の水分とすることにより飛昇することを明らかにした.
    さらに, これらの実験結果は, 粒子に掛かるクーロン力による上昇力と, 水分による架橋力と重力とによる抑制力のバランスが支配的であるとして導かれた理論式にもとづく計算結果と傾向的に一致した.
  • 松野 泰也, 堤 敦司, 吉田 邦夫
    1996 年 22 巻 3 号 p. 610-614
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    高石炭濃度の石炭・水スラリー (CWM) を低粘度化するために, CWMに界面活性剤を加えてミキサーで撹拌し, 小気泡をスラリー中に分散させて, 空気ホールドアップが 0.3~0.4 の三相CWM とした.三相CWM のレオロジー特性を回転粘度計を用い, 2~50℃ の範囲で調べた.三相CWM は, せん断速度が増大するにつれ見かけ粘度は減少する, 擬塑性流体の挙動を示した.三相CWMのレオロジー特性は, 空気ホールドアップに依存し, 空気ホールドアップが大きくなるにつれて, 擬塑性が強まった.三相CWMの流動特性の温度依存性は小さく, 三相CWMの見かけ粘度は, 同一せん断速度のもとでほぼ一定であった.せん断速度が150s-1 において三相CWMの見かけ粘度は, 2℃でCWMの 1 / 5, 15 ℃で1/3以下に低下させることができた.三相CWMを用いることによって, 寒冷地においても石炭・水スラリーを低粘度で輸送することが可能となる.
  • 石藏 利文, 永島 大, 井手 光治
    1996 年 22 巻 3 号 p. 615-621
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    多くの孔を設けたドラフトチューブ付き噴流層の流動特性として, アニュラス部ガス流量割合, 粒子循環速度およびチューブ内の圧力損失, 粒子ホールドアップを調べ, 通常のドラフトチューブの場合と比較した.
    その結果, それらに与える設計因子であるエントレメント区間やチューブ径および操作因子であるガス流速, 粒子径の影響を実験的に検討し, 通常のドラフトチューブの場合との相違点を明らかにした.またガス流速の増加に伴って粒子循環速度が増加する操作範囲について, 相関式を提示した.さらにチューブ内のガス流速の変化に伴って, 粒子ホールドアップがほぼ一定である安定な噴流化領域, 粒子ホールドアップが大きく増加する間欠的噴流化領域およびチューブ内の粒子の閉塞状態の存在が, 目視や圧力損失の検討から認められた.
  • 吉田 順, 後藤 邦彰, 増田 弘昭
    1996 年 22 巻 3 号 p. 622-628
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    偏析は粒子流動に伴う現象であり, 経験的・実験的な検討から, 一般的傾向について知見が得られているものの, ミクロなメカニズムの観察は困難であった.本研究では, まず2次元DEMを用いたシミュレーションをガラスビーズの投入時の粒度偏析現象の実験について実施した.これは全体的な堆積の挙動については実験と対応した結果を示したが, 堆積層内粒度分布の偏析の傾向を再現できなかった.次に, 部分モデルを設定し, 2次元および3次元の解析を実施して結果を比較した.2次元の結果が大きいばらつきを示したのに対し, 3次元では堆積過程を表現するとともに, 実験で示された偏析の傾向を再現することができた.また, その結果を粒子単位で評価することにより, 実験で想定された偏析のメカニズムが妥当であることを確認した.
  • 河越 幹男, 前岡 孝司
    1996 年 22 巻 3 号 p. 629-634
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    塔頂に近づくほど断面積が大きくなる逆円錐形上昇管を持つエアーリフト気泡塔を試作し, その流動特性を実験的に解析した.本エアーリフト塔は上昇管内に懸濁固体粒子を保持することが可能であり, 特に菌体ペレットを形成する培養系の培養装置に適している.
    電気探針法を用いて, 上昇管円錐部におけるガスホールドアップの断面分布と軸方向分布を測定した.液循環速度はトレーサ法により求めた.その結果, ガスホールドアップの半径方向分布は, 低ガス流速域を除き, 従来の2次分布式で表せることが分かった.ガスホールドアップの軸方向分布をZuber-Findleyの式に基づいて解析し, 簡単な軸方向分布式を得た.テーパー部のみのガスホールドアップは, 適切な平均空塔ガス流速を用いれば, 従来の標準気泡塔の相関式と一致した.液循環流速は, 循環流路内の圧力バランスから導出した半理論式で相関できた.
  • 加藤 尚武, 小田 俊晃
    1996 年 22 巻 3 号 p. 635-640
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    連続冷却晶析装置について, 入力を冷却速度, 出力を結晶生産速度として周波数応答を計算した.入力の振幅, 角周波数を適切に選ぶと, 晶析装置の持続振動がほとんど防止できることがわかった.この現象を説明するために信号安定化理論を導入した.強い非線形性を示す核化速度が晶析装置の持続振動をひきおこすこと, およびこの非線形性の特性を利用して, 適切な振幅と高周波数を持った冷却温度を入力として持続振動を低減できることが信号安定化理論によりほぼ説明できた.このことより, 持続振動を示す晶析装置の制御系設計に信号安定化理論が有効であることがわかった.
  • 吉田 雅俊, 郷野 丈洋, 三家本 直弘, 松本 繁
    1996 年 22 巻 3 号 p. 641-647
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ヒーターと試料を共に固定し, 温度分布のみを移動させる新しいゾーンメルティング法に対する温度制御と分離性能の検討を行った.目標温度分布を形成するために, 著者らが提案している, 有限フーリエ変換による分布定数系の制御系設計法を応用した.その結果, 様々な操作条件において, 良好な制御性能が得られた.さらに, 不純物の分離性能についても検討したが, 通常のゾーンメルティングプロセスと同様な分離性能があることが判明し, さらに, 融解部の大きさや固化界面における温度勾配が分離性能に影響を与えることが明らかとなった.
  • 入谷 英司, 長岡 秀男, 村瀬 敏朗
    1996 年 22 巻 3 号 p. 648-654
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    工業的に重要な, 粒子径の異なる微粒子からなる2成分系懸濁液の精密濾過過程における濾過速度の時間的変化および膜面上に形成される濾過ケークの平均空隙率や平均濾過比抵抗などの諸特性値を明らかにした.濾過操作の途中で濾過面積を急縮小できるように工夫した濾過試験器を用いて, 種々の混合割合の2成分系懸濁液の定圧濾過試験を行い, 濾過ケークの平均空隙率と平均濾過比抵抗を同時に求めた.小粒子の大粒子の間隙への侵入を考慮した混合モデルにより, 2成分系懸濁液の濾過ケークの平均空隙率がよく説明できることを明らかにした.大粒子と小粒子の混合作用の度合いを表す定数βは, 大粒子に対する小粒子の粒径比rの減少とともに著しく増大する傾向を示した.また, 比表面積の加成性に基づき, 2成分系における平均濾過比抵抗が求められるので, これと平均空隙率から, 濾過速度の経時変化を精度よく推定できることを示した.
  • 内山 智幸, 尾谷 賢, 乙村 幸明, 篠原 邦夫
    1996 年 22 巻 3 号 p. 655-661
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    高速気流式の粒子表面改質装置を用い, ポリエチレン粒子の表面にシリカ微粒子を被覆・固定した複合粒子を調製し, その粉体層の力学特性について検討した.引張り破断強度は粒子間付着力に基因し, 破断面の粒子間接触点数から求められる.立体障害を考慮した接点種の割合に基づき算出した引張り破断強度と実測値の一致から, 解析の妥当性が示された.剪断付着強度と内部摩擦係数は, 粒子間付着力に加え, 被覆微粒子により生じる核粒子表面の粗さに起因する粒子間の咬み合い効果が認められた.複合粒子の安息角はシリカの被覆率が増加するにともない低下し流動性の向上が認められ, 破壊包絡線からの剪断指数と良い相関を示した.よって, 粒子表面の被覆による粉体力学特性への影響は, 高次物性になるに従い小さくなることが分かった.従って, 複合粒子の表面被覆率を変えることにより, 段階的に粉体の力学特性を制御できることが分かった.
  • 宮武 修, 森田 拓記, 柴田 健次郎
    1996 年 22 巻 3 号 p. 662-668
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    形状が安定化された樹脂の相変化に基づく蓄熱システムの解析に必須な基礎的知見を与えるため, 融解・凝固履歴を有する円柱粒状架橋樹脂を充填した固定層内における粒子と流体間の熱伝達係数を, 拡張したSchumannの理論を援用して実験から算定し, 熱伝達係数の経験式を提出した.粒子相互の融着が, 粒子間の面接触状態の増加と, それに付随して粒子間隙流路域で死水域の増加をもたらすため, 熱伝達係数の値は, 従来の知見から予測される値に比べ, かなり低くなることがわかった.
  • 福嶋 信彦, 向阪 保雄, 遠藤 禎行, 山川 勲
    1996 年 22 巻 3 号 p. 669-675
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    各種液体中に溶存する不揮発性の不純物 (蒸発残渣) 濃度を検出するために, 液体の噴霧乾燥, 拡散による微粒子除去と凝縮核計数法を併用した手法について検討を行った. 噴霧した液滴径分布と総粒子個数濃度および拡散沈着部の粒径別沈着特性をあらかじめ実験的に求め, その結果を用いて種々の液体に対する残渣粒子個数濃度の計数値と不純物濃度との相関線を理論的に求め, その妥当性を不純物濃度既知の液体を用いて確かめた.
    この相関線を用いて市販されている種々のグレードの液体 (過酸化水素水 (30wt%), アンモニア水 (9.4wt%), イソプロピルアルコールおよびメタノール) に含まれる残渣濃度を測定したところいずれもppm オーダの値を示し, 超純水で達成されている純度に比べて低いことが明らかになった.
  • 小松 弘昌, 山本 浩伸
    1996 年 22 巻 3 号 p. 676-682
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    アセトン-エタノール-N, N-ジメチルホルムアミド (DMF), 酢酸エチル-水-DMF およびアセトン-クロロホルム-酢酸エチル三成分系気液平衡データ, また, DMF-エタノール, アセトン, 水および酢酸エチルからなる4つの二成分系気液平衡データを大気圧下で測定し, それらの系でのWilson 定数を決定した.また, その三成分系を構成する3つの二成分系のWilson 定数をそのまま用いて, それらの三成分系気液平衡を推算しても, 良好な値が得られることを確認した.
  • 小郷 良明, 宮崎 淳司, 小川 雅三
    1996 年 22 巻 3 号 p. 683-686
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粒度および粒径分布の異なる2 種類の CWS の懸濁安定性に対するグアーガムおよびキサンタンガムの添加効果を, CWS の沈降安定性, 塑性粘度および降伏値を比較することによって検討した. その結果, CWS の安定性に対しては多糖類の種類よりも石炭の粒度や粒径分布の方が本質的な影響を与え, 粒度が小さく, 粒径分布の広い CWS に対しては両多糖類ともかなりの添加効果を示すことがわかった.
  • 亀井 登, 平岡 節郎, 加藤 禎人, 多田 豊, 全 〓圭, 李 泳世, 山口 隆生, 高 承台
    1996 年 22 巻 3 号 p. 687-690
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    邪魔板なし撹拌槽の撹拌所要動力に及ぼす液高さの影響を実験的に考察すると共に, 前報の動力相関式中の相似パラメータγnp0.7 (b/D) を液高さを含む相似パラメータγnp0.7 (b/H) に修正することにより, 前報の動力相関式がそのまま液高さの影響を考慮した動力相関式に修正されることを実験結果との比較から明らかにした. この修正された動力相関式は永田の実験結果とも良好に一致した。
  • 末原 憲一郎, 後藤 伸介, 魚住 信之, 小林 猛
    1996 年 22 巻 3 号 p. 691-694
    発行日: 1996/05/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    セロリ再分化植物体の葉と根からカルスが誘導できた. 葉より再誘導したカルスの不定胚への再分化効率は, セロリ F1 系統の植物体より誘導したカルスと比較して約3倍となった.一方, 再分化植物体の根より誘導したカルスでは再分化効率は低かった.再分化植物体の葉より誘導したカルスより形成した植物体は, セロリ F1 系統の植物体より誘導したカルスより形成した植物体と外観的な違いは見られなかった.
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