テトラエトシキシラン (TEOS) のオゾン酸化反応を用いたアモルファスSiO
2熱CVDプロセスの極初期成膜状況を, 原子間力顕微鏡 (AFM) ・ X線光電子分光 (XPS) により観察した.また, Al
2O
3, Si及びCaF
2の単結晶基板を用い, 成長機構の基板依存性も検討した.Al
2O
3基板上の成膜での最も薄い膜厚は1.6nmであったが, XPSの結果, 既に連続膜であることが判った.一方AFMにより, この時の表面にはラフネス
Ra=0.48nm程度の凹凸が観察された.凹凸は平均膜厚4.2nmまで増加した後, 平滑化しAFMの測定精度内で平坦な表面となった.Si, CaF
2上においても, 凹凸のある膜が生じた後, 平滑化したが, 平滑化開始膜厚 (それぞれ4.2nm, 3.6nm) に差異が認められた.凹凸の発生は成膜速度の不均一性による錐体構造の形成から, 平坦化は表面流動の効果から生じることがシミュレーションにより示唆された.
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