化学工学論文集
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3 巻, 1 号
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  • 油谷 暢悦, 中田 光彦, 藤田 重文
    1977 年 3 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は, 2成分系流動層における粒子のとび出しについて検討することである.
    空塔ガス速度および層内の粒子群の粒径比が粒子ホールドアップおよび分離係数に与える影響が, 回分系で, 実験的に研究された.実験方法ならびに解析法として, 気液系における単蒸留法を用いた.その結果, 次の結論を得た.
    (1) 層内粒子ホールドアップと空塔ガス速度との間によい相関を得た.2成分系混合物の場合, 平均終末速度を用いた.
    (2) 分離係数と大小粒子群の粒径比との関係を得た.
  • 森 滋勝, 森山 昭
    1977 年 3 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    流動層における, 定量的な分散板設計基準を得ることを目的として, 均一流動化に必要な分散板圧損失式を理論的に導出した.
    内径15cm, 分散板として多孔質板と多孔板を用いた流動層で実験を行い, 得られたデータと理論式とを比較検討した.さらに, 従来報告されているデータを使用して, 大型で層高の大きい流動層についても検討を加えた.その結果, 本研究で導出した理論式から計算される分散板圧損失は, 層を均一に流動化させるために必要な圧損失の最大値となることがわかった.
  • 山本 英夫, 菅沼 彰, 国井 大蔵
    1977 年 3 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    小型流動層から発塵した浮遊粉塵の粒度分布と, その粉塵が細管による高速気流によって分散された場合の粒度分布をカスケード・インパクターで測定した.使用した細管の径は1.5~5.0mmφで, 気流の速度は5~60m/secである.
    流動層から発塵する浮遊粉塵はたいていの場合凝集しており, その凝集粒子の粒子径は通常, 1次粒子に比べてかなり大きい.凝集粒子の粒度分布は30~80%の範囲の空気湿度の変化に対して大幅に変動する.この程度の湿度の変化は調湿装置をもたない実験室では珍しいことではない.
    高速気流中に存在する凝集粒子は気流によって分散され, 4~5mm程度のきわめて短い飛散の後に平衡粒子径に達する.凝集粉体の50%粒子径Dp50と縮流部における気流の散逸エネルギーεの間には次式のような関係が認められた.
    Dp50=15ε-0.2
    この場合, 凝集粒子はεが4.7×105g/cm2・sec程度の気流の場において, 1次粒子にまで分散されうることが期待される.
  • 上山 惟一, 宮内 照勝
    1977 年 3 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    直径60cmφの水-空気系気泡塔で, 平均ガスホールドアップ, ガスホールドアップ分布, 液および気泡速度分布, 気泡径分布を測定した.
    ガス空塔速度を35~93cm/secに変化させると, 塔中心の液および気泡速度は, それぞれ160~210cm/sec, 240~270cm/secに変化した.
    平均気泡径および気泡と液との平均スリップ速度は, それぞれ3.8cmφ, 51cm/secであった.ガスホールドアップ分布は, 塔半径方向距離の2乗分布であった.
  • 平野 晴望, 北野 邦尋, 遠藤 一夫
    1977 年 3 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    粘性流体中で正弦的振動する球近傍に誘起される内部循環流と, 外部循環流について実験的研究を行った.
    実験結果より, 内部循環流の厚みηは次のように表される.
    ηu/d = ηd/d=f (d2ω/ν) : a/d<0.2
    ηu/d = f (d2ω/ν) : 0.2≦a/d≦1
    ηd/d = f (adω/ν) : 0.2≦a/d≦1
    ここでηuは, 球後面における内部循環流の厚み, ηdは前面でのその値である.また, ω, ν, a, dはそれぞれ角速度, 運動粘度, 振幅, 球径を示している.
    d2ω/νがa/dの関数であるある値以下で, 外部循環流は消失し, 内部循環流が流体場全体に拡がった.この遷移の条件は, 次のように表せる.
    (d2ω/ν) c=20 (a/d) -1
    または
    (adω/ν) c=20
  • 飯田 嘉宏, 川端 一司, 佐藤 武雄
    1977 年 3 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    液流中を上方に移動する長い砲弾型気泡まわりの平衡液膜厚さについて, 理論的, 実験的に研究を行った.物質収支と液膜内層流の仮定から, 液膜厚さと他の変数の間の関係が得られた.液膜厚さは次の関係, すなわちδ*=f (I1, I2) で関係づけられる.ここでδ*=δ/R, I1=μ (Wlo+Wgo) /ρlgR2, I2=μwBlgR2である.この式より液膜厚さを容易に求めうる図表を作成した.このうち気泡速度に関しては幾つかの研究によって関係式を与えられてはいるが, 気泡速度がわずかに相違するだけで液膜厚さが大きく相違させられることが示された.したがって液膜厚さを精度よく得るためには, 気泡速度を直接測定する必要がある.静止液中については近似的に次式で与えられる.δ0*=1.04I20.32ただし5×10-6<I2<5×10-3.
  • 寺本 正明, 永持 雅之, 平峰 伸一郎, 藤居 信夫, 寺西 博
    1977 年 3 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    連続式自由液面平面接触攪拌槽を用いて, SO2, CO2-Na2SO3系の同時吸収実験およびこの同時吸収系に関連するSO2-Na2SO3, CO2-Na2SO3, SO2-NaHCO3系の吸収実験を行い, これらの実験結果に基づいて同時吸収機構を考察した.同時吸収において, SO2の吸収がガス, 液両境膜抵抗支配の場合およびSO2がガス境膜抵抗支配下で吸収される場合に対してそれぞれ吸収モデルを提出した.前者の場合, SO2, CO2の吸収速度はモデルに基づく計算値とほぼ一致し, CO2の吸収速度はその物理吸収速度と同程度であった.後者の場合, CO2の吸収速度はモデルに基づく計算値と一致した.SO2の吸収速度は共存するCO2の影響をほとんど受けないが, CO2の吸収速度はSO2の分圧の増加とともに著しく減少し, これらの結果はここに提出した吸収機構によって説明された.
  • 広瀬 泰雄, 永井 義三, 津田 充利
    1977 年 3 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    定常状態にある蒸留塔内の組成分布を求めるため, 今まで多くのアルゴリズムが発表されてきた.一般にこれらのアルゴリズムは, 繰り返し法なので時間がかかる.この方法は前回の結果または別の方法で計算された塔内の温度, 組成分布から出発して, パラメータを変えたときの一連の分布を試算を用いないで求めるものである.
    計算方法は次のとおりである.連立方程式を解いて変数の増加分を求める.この方程式を解くためガウスの消去法を修正し, 新しい解法を提案した.増加分を元の変数に加えて新しい変数とする.物理的意味から考えて正になるべき変数が負になれば, 写像してこの変数を正に変換する.
    実用的見地からパラメータとして還流比, 特定段の温度を選んだ場合について詳しく述べた.計算結果をトリダイアゴナル法で求めたものと比較してある。両者の計算結果がよく一致していることから, 本法が有効なものであることがわかる.
  • 豊倉 賢, 坂倉 款, 矢崎 雅俊
    1977 年 3 巻 1 号 p. 48-51
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    難溶性物質の析出速度に関する研究として, 連続式完全混合槽型晶析装置を用いて, 塩化カドミウムと水酸化カルシウムを反応させ, 水酸化カドミウムを析出させる実験を行い, 得られた沈澱物の粒径分布を調べた.ここで得られた粒径分布は, 片対数グラフ上で直線にのり, 混合が十分な場合には, 晶析現象と同様にΔL法則が適応でき, この結果, 粒子核生成速度と粒子成長速度の相関を得た.この核発生速度は, 懸濁密度の影響を受け, ある点までは懸濁密度に従い増大し, ある点を越えると, 懸濁密度により減少した.また, この相関に基づく難溶性粒子析出のための, 凝集装置容積決定法を検討した.
  • 藤津 正則, 架谷 昌信, 杉山 幸男
    1977 年 3 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    耐火・断熱材の製造に関連して, 不燃性物質を多量に含む多孔性固体内における炭素物質の燃焼機構を明らかにするため, 木炭・カオリン混合成形円柱を試料として, 650~850℃ (炉壁温度) の温度範囲で燃焼実験を行い, 未燃焼部の燃焼挙動に着目して検討を加えた.その結果, 本実験範囲内において, 次のような知見が得られた.
    1) 未燃焼部においても, 相当量の固定炭素が燃焼消失し, その量は, 初期含有量の約12~22 wt%に達する.
    2) 温度分布の様子などから推定して, 未燃焼部における固定炭素焼失の一部は, CO2による還元反応に基づくものであると思われる.
  • 新井 紀男, 志村 勇, 渡辺 泰敏, 架谷 昌信, 杉山 幸男
    1977 年 3 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    炭化水素燃焼におけるThermal NOxの発生および生成について, N2とO2との個々の役割を明らかにすることを目的として検討を行った.実験は, 炭化水素として純プロパンを用い, これを純酸素で燃焼させ, 燃焼後流および燃焼帯, それぞれにおけるNO生成過程をN2 : O2混合比を広範囲に変えて実験的に追跡し, 既往のZeldovichの理論とも比較, 検討した.
    その結果, 次のような結論が得られた.
    1) 燃焼帯および燃焼後流ともに, NO生成量の実験結果とZeldovich式による計算結果とは, [N2] [O2] 1/2>10では, 大略一致するが, [N2] [O2] 1/2≦4~6では大きな差異が生ずる (ただし, [N2], [O2] は湿量基準のvol.%).
    2) 燃焼帯では, 酸素比λが小さい場合, HCNの発生が認められ, λが小さくなるにつれて, その濃度が増加し, λが1.04近くになると, HCNが最終的なNO生成量に直接的な関係をもつ.
  • 安西 晟
    1977 年 3 巻 1 号 p. 62-66
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    第2銅イオンを触媒とした, 水溶液中での亜硫酸ナトリウムの酸素による酸化反応の反応速度を, 急速混合流通法によって, 均相反応として25℃で測定した.
    測定した亜硫酸ナトリウム濃度は0.0037~0.025mol/l, 第2銅イオン濃度は10-6~10-4mol/lで, 酸素初濃度は0.00074~0.0028mol/lであった.この酸素濃度は酸素分圧0.6~2.2気圧における飽和濃度に相当する.
    得られた反応速度は酸素初濃度の1/2次, 亜硫酸ナトリウム濃度の1次, 第2銅イオン濃度の1/4次としてまとめられた.
    しかし, 毎回の測定においては, 反応速度に対する酸素濃度の影響はみかけ上0次であった.
  • 蒸発に及ぼす内部加熱効果
    西村 誠, 山口 和之, 平林 雅彦, 平林 芳夫, 杉山 幸男
    1977 年 3 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    有機溶剤の赤外線照射蒸発実験を行い, 実験結果と単色性を考慮に入れた理論解析の結果とを比較検討し, 赤外線透過に伴う内部加熱効果について考察を加えた.その結果, 本理論解析が十分妥当であることを確認し, また, 内部加熱効果が蒸発過程に多大の影響を及ぼすことおよびその程度が赤外線入射スペクトルと試料の赤外線吸収スペクトルの対応関係, 試料厚さなどによって異なることを明らかにした.
  • 六フッ化硫黄・空気系および二酸化炭素・空気系の場合
    河村 文雄, 嶋田 時男, 山川 紀夫, 大谷 茂盛
    1977 年 3 巻 1 号 p. 74-82
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    六フッ化硫黄 (SF6) ・空気系および二酸化炭素 (CO2) ・空気系混合ガスを冷却した平板上に流し, SF6およびCO2が析出する際の析出層・気流間における局所熱伝達係数'h'を実験的に検討した.
    実験結果によるとかかる系における結霜時の局所熱伝達係数は本実験の範囲内では混合ガス系の違いによる影響をそれほど受けないことがわかった.しかし結霜時の局所熱伝達係数は単純伝熱の場合のSieder-Tateの式およびHausenの式と比較し1.5~2倍程度大きな値を示した.この要因として定性的には熱移動に及ぼす物質移動の影響, 層表面の凹凸による伝熱面積の増加, および凹凸による境界層の乱れなどが考えられる.
  • 加藤 邦夫, 大沢 幸雄, 沢田 晶夫, 左巻 敏夫
    1977 年 3 巻 1 号 p. 83-87
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    溢流管式2段充填流動層を安定に流動化させるには以下の条件を満足しなければならない.
    (1) 2段充填流動層への粒子供給速度が溢流管を通しての最大粒子供給速度より小さくなければならない.
    (2) 段間の圧損失が臨界圧損失より小さくなければならない.臨界圧損失は溢流管内で粒子の閉塞が起きた時の段間の圧損失でもって定義する.
    溢流管を通しての最大粒子供給速度および臨界圧損失は溢流管径, 溢流管長さ, 粒子嵩密度, 粒子の球形度などによって影響され, これらの諸因子によって相関できることが判明した.
  • 金川 昭, 高橋 武士, 横地 明
    1977 年 3 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    同軸に高速回転する切頭円錐形の内・外回転筒よりなり, 含塵空気から微小粒子を効率的に分離できるばかりではなく高容量の送風機としても働く二重回転筒遠心集塵機が考案試作された.この集塵機の集塵効率および送風容量の性能について理論的考察および試験エアロゾルとしてWright型粉体分散エアロゾルフィーダーによって調製されたフライアッシュ含塵空気を用いた実験的研究が行われた.
    微小粒子に対する高い捕集効率および大きな送風能力が理論的に期待されたように実験的に得られたが, 主として集塵機の送風機構の構造的欠陥のため送風機としての動力効率は通常の遠心式送風機よりは低かった.
    結論的に, 送風機としてもきわめて効果的に働くこの遠心式集塵機は微小粉塵粒子の高性能除塵装置として有望であると思われた.
  • 柘植 秀樹, 日比野 真一, 山田 幾穂, 平岡 節郎, 犬塚 正憲, 吉実 英男, 三輪 一成, 村木 昌一郎, 守谷 健, 寺本 正明, ...
    1977 年 3 巻 1 号 p. 95-107
    発行日: 1977/01/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
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