炭化水素燃焼におけるThermal NO
xの発生および生成について, N
2とO
2との個々の役割を明らかにすることを目的として検討を行った.実験は, 炭化水素として純プロパンを用い, これを純酸素で燃焼させ, 燃焼後流および燃焼帯, それぞれにおけるNO生成過程をN
2 : O
2混合比を広範囲に変えて実験的に追跡し, 既往のZeldovichの理論とも比較, 検討した.
その結果, 次のような結論が得られた.
1) 燃焼帯および燃焼後流ともに, NO生成量の実験結果とZeldovich式による計算結果とは, [N
2] [O
2]
1/2>10では, 大略一致するが, [N
2] [O
2]
1/2≦4~6では大きな差異が生ずる (ただし, [N
2], [O
2] は湿量基準のvol.%).
2) 燃焼帯では, 酸素比λが小さい場合, HCNの発生が認められ, λが小さくなるにつれて, その濃度が増加し, λが1.04近くになると, HCNが最終的なNO生成量に直接的な関係をもつ.
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