炭酸カリウム水溶液を用いる溶液吸収法は, 燃焼排ガスからCO
2を回収するための優れた方法のひとつであるが, 捕捉したCO
2を回収する際に溶媒である大量の水を加熱するため, 多量のエネルギーを消費する.
そこで, このエネルギーの削減を目指し, 炭酸カリウムを活性炭に担持させ, 固定床操作に適用した. 炭酸カリウムを担持した活性炭ではCO
2捕捉時に湿性ガス中の水分の影響を受けないことが実験室規模の試験により既に確かめられている. 炭酸カリウムは活性炭の細孔にその水和物として保持され, CO
2の捕捉および脱離の繰り返し操作はK
2CO
3・1.5H
2O+CO
2=2KHCO
3+0.5H
2Oの反応およびその逆反応により起こった.
本研究では, ベンチスケールのカラム (内径54.5 mm, 長さ800 mm, 内容積1.87 L) を用いて, この炭酸カリウム担持活性炭の性能を調べた. 炭酸カリウム担持活性炭 (26.4%K
2CO
3) 1.20 kgを充填したカラムに湿性13%CO
2ガスを通気してCO
2を捕捉したのち, 蒸気を通気してCO
2を脱離した. 脱離ガスを熱交換器で冷却し, 水分を凝縮することにより, 高純度のCO
2が得られた. ベンチスケールでのCO
2捕捉—脱離および冷却挙動を明らかにした. また, CO
2回収時のエネルギー消費量を推定した.
抄録全体を表示