ブロック共重合体を鋳型として用いてヘキサゴナルの細孔構造を有する(細孔径7.5 nm,比表面積584 m
2/g)メソポーラスシリカ粒子(SBA15)を調製した.SBA15およびヘキサゴナル構造を有する市販のMCM41(細孔径2.9 nm,比表面積759 m
2/g)を加水分解酵素リパーゼの固定化担体として用いた.リパーゼの固定化量は,SBA15の方がMCM41より大きくなった.これらの固定化酵素による2-ナフチルアセテートの加水分解反応特性を生成物の2-ナフトール濃度の時間変化を25, 50および70°Cで測定して評価した.50°Cでは,リパーゼの固定化により転化率が増大した.高温での加水分解反応では,MCM41に固定化したリパーゼの転化率が,SBA15のそれよりも若干大きかった.また固定化リパーゼの再利用を検討した結果,50°Cでも70%以上の転化率を示した.メソポーラスシリカ粒子にリパーゼを固定化することによって,加水分解反応におけるリパーゼの酵素活性の熱安定性が増大した.
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