光触媒粉末による水質浄化において,その励起紫外光源の分散化を試行した.ここでは,紫外分散光源の一候補として,電界変化により冷光するエレクトロルミネセンス(EL)に着目した.
その結果,簡便な固相熱分解法により,紫外域を電界発光するとされるモリブデンおよびクロム置換型タングステン酸カルシウム(CaWO
4 : MoおよびCaWO
4 : Cr)粉末を調製できた.水中オレンジⅡの放電分解に比べ,光触媒ならびに上記EL粉末の共存系では高い水質浄化速度促進が得られた.また,CaWO
4 : Mo(3 wt%)粉末への各種金属ドープ効果を検証し,CaWO
4 : Mo(3 wt%) : Ce(2 wt%)ならびにCaWO
4 : Mo(3 wt%) : Dy(1 wt%)が本プロセスに最適であることを確認した.なお,金属ドープCaWO
4 : Mo(3 wt%)粉末調製に要す化学物質・エネルギー・時間に対する水質浄化速度促進効果の総合的見地から,CaWO
4 : Mo(3 wt%)を実用上最適EL粉末とした.
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