超臨界二酸化炭素と水を用いて綿繊維表面にZnOとTiO
2のナノ粒子を多量に,かつ強固に担持させる処理を行った.処理した綿繊維表面をSEMで観察してZnOとTiO
2のナノ粒子の担持状況を確認し,EPMAで分析してZnOとTiO
2の担持量を定量化した.超臨界二酸化炭素処理の効果を確認するため,超臨界二酸化炭素処理した綿繊維と超臨界二酸化炭素処理を行っていない綿繊維にZnOとTiO
2を浸漬処理で担持させて,抗菌試験(ZnO)と白色度測定(TiO
2)を行い比較した.SEM観察とEPMA分析の結果,超臨界二酸化炭素処理した綿繊維は,処理を行っていない綿繊維に比べてZnO,TiO
2ともに担持量が大幅に増加した.ZnO,TiO
2ともに綿繊維表面にしわが多く発生する条件で処理するほど担持量が多くなり,20 MPa,80˚C,1 h処理で担持量が最も多い結果となった.抗菌試験と白色度測定では,超臨界二酸化炭素処理した綿繊維の方が静菌活性値(ZnO),白色度(TiO
2)ともに高く,また水洗処理を行っても静菌活性値,白色度が高い結果となった.
抄録全体を表示